三十章
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瞬く間に日々は過ぎ──
いよいよ当日がやってきた
「机の並び、これで合ってましたっけ?」
「あれ?
おい、メニュー表足りてねぇぞ!」
「内装の飾り付けは……うん、これでよし!」
「よいしょ……!
食材は、これで全部ですね!」
セッティング担当の慎司、拓磨、珠紀ちゃんが手分けして教室内を飾り付けしていく
そこへ食材を抱えて宇賀屋家と教室を行き来していた美鶴が、最後の往復を終えて戻ってきた
その脇では……
「いいですか狗谷君、お客様は神様です
決して乱暴な振る舞いをしてはいけませんよ」
「分かってる
俺が見境なく暴れ回るような奴に見えるのかよ」
「見える」
「てめーにゃ聞いてねぇ!!」
拓磨と遼は今日も相変わらずだ
そんな声を聞きながら、私は黙々と作り置きの料理を作っていく
「よし、とりあえず作り置きの第一弾がかんせ──
美鶴、何それ」
「立て看板です!
『執事喫茶バーミリオン』……我ながらいい出来です!」
「なんだか、道場の看板みたいになってない……?」
絶対に看板の監修は大蛇さんだ……
オシャレさに全振りしないところが、私たちらしいと言えば、らしいかもしれないけど……
「いいんじゃねぇの?
それっぽくて」
「まぁそうかもしれな──ねぇ真弘?
口の中に何が入ってるのか、教えてくれる?」
「硬いこと言うなって、味見じゃねえか」
「味見の段階はとっくに終わってるのよ!!」
「そうだぞ
こんな忙しいときに、何をやっているんだ」
「祐一……その、口元についたご飯粒は何かな?」
こいつらは……揃いも揃って!!
頭に来た私は、すぅ、と息を吸った
二人が咄嗟に耳を手で塞ぐ
それを貫通する大声で、私は怒鳴った
「さっさと準備しなさい!!」
真弘が何かを言い返しながら、準備の中に戻っていく
食べられた分、補充しなきゃ……
……そんなこんなで、時は過ぎ──
ついに執事喫茶、開店の時間がやってきた
……が、開店してしばらくは、お客さんがまったくやって来なかった
どうなる事やらとハラハラしていたけど……
みんなのお腹が空いてきたお昼時、続々とお客さんが入って来た
「へー、執事喫茶だって」
「そんなこと言ったって、やってんのはどうせその辺の男子──クオリティ高っ!
何あれ、美男子揃いじゃない!」
そうだろうそうだろう
なにせ守護者はみんな方向性が違えどイケメン揃い
誰かに必ず刺さる顔の良さ!
……真弘はあんまり刺さってほしくないけど!
とまぁ、噂が噂を呼び、あっという間に大盛況だ
仲間を褒められるのは、悪い気分じゃない
「ふっふっふっふ……」
「珠紀様……あの、どうしたんですか?」
「笑顔が怖いよ、珠紀ちゃん……」
「え、ああ、ごめんごめん!
なんでもないです!
お客さんも入り始めたし、私たち調理班も気合い入れていきましょう!」
よく分からないけど、こっちもオーダーがひっきりなしに入って、徐々にてんやわんやしてきた
手元が忙しくなりながらも、やっぱり皆の様子が気になって、少しだけ店内を覗くと……
「いらっしゃいませ、お嬢様
こちらへどうぞ」
り、遼が意外にも、執事役を上手くこなしてる……
「どうぞ、席にお着き下さい、お嬢様」
やればできるじゃない、遼……!
普段もあんな感じで動いてくれたら、珠紀ちゃんの心的負担も減るのにね……
それはそれで、こっちの調子が狂うかもだけど
「メニューはこちらになります」
「へー!
焼きそばパンなんか置いてるんだ
なんだか面白いわね」
「ええ、当店の特色のひとつですから、自由なトッピングができるんです
色々なハーモニーを堪能できますよ」
慎司は花が咲いたような笑顔だ
普段から穏やかで礼儀正しい慎司は、やっぱり執事の姿も自然に見える
……それに引き換え
「え、えーと
お紅茶を、お持ちしましたー」
……拓磨は駄目だったか……
あんなに『俺の研究は完璧だ』とか言ってたのに……
「ど、どど、どうぞごゆっくり、過ごしてくれ……」
緊張しすぎて、敬語が途中で終わっちゃった……
知ってたけど……未だに本番に弱いんだな、拓磨は……
「で、ででは、失礼致します」
空になったお皿を手に、こちらに戻ろうとした瞬間
「──おわ!」
拓磨が派手に転んだ!
「わぁ!」
「止まって!」
私の言霊がお皿を止めたのと同時に、慎司がそれをキャッチ
周囲から拍手が沸き起こった
さすが慎司、微笑みと共に拍手を受け取っている
……と思うと、こちらを振り向いてウインクがぱちりと飛んできた
「俺、かっこわりぃ……」
ふふ……拓磨め、この貸しは高くつくわよ……
とりあえず頑張れ拓磨!
珠紀ちゃんも応援してくれてるはずだから!
いよいよ当日がやってきた
「机の並び、これで合ってましたっけ?」
「あれ?
おい、メニュー表足りてねぇぞ!」
「内装の飾り付けは……うん、これでよし!」
「よいしょ……!
食材は、これで全部ですね!」
セッティング担当の慎司、拓磨、珠紀ちゃんが手分けして教室内を飾り付けしていく
そこへ食材を抱えて宇賀屋家と教室を行き来していた美鶴が、最後の往復を終えて戻ってきた
その脇では……
「いいですか狗谷君、お客様は神様です
決して乱暴な振る舞いをしてはいけませんよ」
「分かってる
俺が見境なく暴れ回るような奴に見えるのかよ」
「見える」
「てめーにゃ聞いてねぇ!!」
拓磨と遼は今日も相変わらずだ
そんな声を聞きながら、私は黙々と作り置きの料理を作っていく
「よし、とりあえず作り置きの第一弾がかんせ──
美鶴、何それ」
「立て看板です!
『執事喫茶バーミリオン』……我ながらいい出来です!」
「なんだか、道場の看板みたいになってない……?」
絶対に看板の監修は大蛇さんだ……
オシャレさに全振りしないところが、私たちらしいと言えば、らしいかもしれないけど……
「いいんじゃねぇの?
それっぽくて」
「まぁそうかもしれな──ねぇ真弘?
口の中に何が入ってるのか、教えてくれる?」
「硬いこと言うなって、味見じゃねえか」
「味見の段階はとっくに終わってるのよ!!」
「そうだぞ
こんな忙しいときに、何をやっているんだ」
「祐一……その、口元についたご飯粒は何かな?」
こいつらは……揃いも揃って!!
頭に来た私は、すぅ、と息を吸った
二人が咄嗟に耳を手で塞ぐ
それを貫通する大声で、私は怒鳴った
「さっさと準備しなさい!!」
真弘が何かを言い返しながら、準備の中に戻っていく
食べられた分、補充しなきゃ……
……そんなこんなで、時は過ぎ──
ついに執事喫茶、開店の時間がやってきた
……が、開店してしばらくは、お客さんがまったくやって来なかった
どうなる事やらとハラハラしていたけど……
みんなのお腹が空いてきたお昼時、続々とお客さんが入って来た
「へー、執事喫茶だって」
「そんなこと言ったって、やってんのはどうせその辺の男子──クオリティ高っ!
何あれ、美男子揃いじゃない!」
そうだろうそうだろう
なにせ守護者はみんな方向性が違えどイケメン揃い
誰かに必ず刺さる顔の良さ!
……真弘はあんまり刺さってほしくないけど!
とまぁ、噂が噂を呼び、あっという間に大盛況だ
仲間を褒められるのは、悪い気分じゃない
「ふっふっふっふ……」
「珠紀様……あの、どうしたんですか?」
「笑顔が怖いよ、珠紀ちゃん……」
「え、ああ、ごめんごめん!
なんでもないです!
お客さんも入り始めたし、私たち調理班も気合い入れていきましょう!」
よく分からないけど、こっちもオーダーがひっきりなしに入って、徐々にてんやわんやしてきた
手元が忙しくなりながらも、やっぱり皆の様子が気になって、少しだけ店内を覗くと……
「いらっしゃいませ、お嬢様
こちらへどうぞ」
り、遼が意外にも、執事役を上手くこなしてる……
「どうぞ、席にお着き下さい、お嬢様」
やればできるじゃない、遼……!
普段もあんな感じで動いてくれたら、珠紀ちゃんの心的負担も減るのにね……
それはそれで、こっちの調子が狂うかもだけど
「メニューはこちらになります」
「へー!
焼きそばパンなんか置いてるんだ
なんだか面白いわね」
「ええ、当店の特色のひとつですから、自由なトッピングができるんです
色々なハーモニーを堪能できますよ」
慎司は花が咲いたような笑顔だ
普段から穏やかで礼儀正しい慎司は、やっぱり執事の姿も自然に見える
……それに引き換え
「え、えーと
お紅茶を、お持ちしましたー」
……拓磨は駄目だったか……
あんなに『俺の研究は完璧だ』とか言ってたのに……
「ど、どど、どうぞごゆっくり、過ごしてくれ……」
緊張しすぎて、敬語が途中で終わっちゃった……
知ってたけど……未だに本番に弱いんだな、拓磨は……
「で、ででは、失礼致します」
空になったお皿を手に、こちらに戻ろうとした瞬間
「──おわ!」
拓磨が派手に転んだ!
「わぁ!」
「止まって!」
私の言霊がお皿を止めたのと同時に、慎司がそれをキャッチ
周囲から拍手が沸き起こった
さすが慎司、微笑みと共に拍手を受け取っている
……と思うと、こちらを振り向いてウインクがぱちりと飛んできた
「俺、かっこわりぃ……」
ふふ……拓磨め、この貸しは高くつくわよ……
とりあえず頑張れ拓磨!
珠紀ちゃんも応援してくれてるはずだから!
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