閑話1
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……大変なことになってしまった
ピリピリとした空気が漂う居間で、私は何度目かの思いを抱いた
私の目の前には、戦うべき相手がいる
祐一と大蛇さんと……そして凛
凛の力は未知数にしても、祐一と大蛇さんは、凛にとって強敵だ
凛の顔からは、「どうしてここまで勝ち上がってしまったんだろう」という後悔が見て取れた
今にも緊張で死んでしまいそうな顔をしている
「さて、最後の戦いといきましょうか?」
いつもの微笑みを浮かべながら、その中に密やかな闘志を抱く大蛇さん
「悪いが……手加減をするつもりはない
お前も、俺たちを倒すつもりでかかってくるといい」
「は……はい!」
祐一の言葉に凛が慌てて返事をするけれど、やはり後悔が隠せていなかった
可哀想に、代わってやれたらどれだけいいか……
でも玉依姫直々に下された役目を思うと、ここで代わってやることは出来なかった
「り……凛君、大丈夫?
顔色が青いような……?」
珠紀ちゃんの案じる声で、凛が背筋をピンと伸ばす
うんうん、珠紀ちゃんに心配をかけるわけにはいかないよね
「が……頑張ります!」
「しっかし意外だよな
まさかお前がなぁ……」
私の隣で、真弘が本当に驚いた表情でそう言う
たぶん、一番驚いているのは、凛本人じゃないだろうか……
「ぐ……偶然です……」
「いや……少しだけ試合を見たけど、お前、強運すぎるだろ
なんか降りてきてるぞ……」
真弘の横で拓磨もそう言った
この世紀の一戦を見届ける私達の間には、微かなざわめきが広がっている
本当に、なんでこんなことになったんだか……
……そう、始まりは珠紀ちゃんの一言だった
村の人達が消えてからしばらく経ち、原因究明の調査も行き詰まってしまい、私達は芦屋さんの言う『味方』を待つしかなくなってしまった
何も出来ない時間というのが、一番つらい
みんなの表情にも、苛立ちが見え隠れし始めたとき
「何か……気分転換でもしようか」
珠紀ちゃんがそう提案したのだ
私達は顔を見合わせて、休息も必要だよね、と二つ返事で頷いた
「……では、トランプでもやるか
ババヌキというゲームを知っているか?」
アリアがとても真剣な顔でそう切り出す
なるほど、簡単なゲームではあるが、故に心理戦になりやすい
更に運の要素も強く絡んでくる、まさに王道のゲームだ
凛は昼間に、待機組のみんなでババ抜きをやったそうで、ルールも理解できていたため、参加が決定した
そこまでは、雰囲気も和やかだったんだけど……
「賞品は……鴉取以外は珠紀、鴉取は櫻葉……お前らでいいな」
遼がそう言った途端、空気が変わった
「こいつらを一日、占有できる
他の奴らは一切これに口出ししない
これでどうだ?」
「え……?
何、私!?
なんで?」
「ていうかそれだと、真弘だけ勝っても負けても変わらなくない!?」
「いや、そうでもない
お前がもし勝てば、お前が珠紀を占有できる
それはつまり、真弘がお前を占有出来ないのと同義だ」
それはそうか、と頷きかけて、いやいやと首を振る
うっかり騙されかけたけど、そんなに簡単には引っかからない
「でも結局、私も真弘も負けたら、同じことじゃない?」
「そこはいつも通りお前達の好きに過ごせばいい」
「……納得いかない!」
「……ほ……ほーう
い、いいぜ?
やってやろうじゃねえか」
真弘は明らかに動揺を隠せていなかった
あれだけ毎日のように私と一緒にいて、それでも足りないとでも言うのか
「……負けられないな」
祐一はいつも通り、何を考えているか分からない
少なくとも、珠紀ちゃんをちゃんと狙っていることだけは確かだ
「……運の要素が強いゲームであることが悔やまれますね……」
慎司の場合、運ではなく知力なら自信があるらしかった
まあ、男共は総じて、バカばっかりだからな……
「ちょ……ちょっと、話がどんどん進んでるけど……
私と優佳先輩の意見は!?」
「安心してください
この戦い、私が勝ちます
私の執念は誰にも負けません」
「美鶴ちゃん!
期待してるよ!
頑張って!」
「私と一緒に、二人きりの夜を過ごしましょう!」
張り切る美鶴の言葉に、珠紀ちゃんは少し顔を青ざめさせた
美鶴のことだもの、しっかり珠紀ちゃんのことを狙ってると思ったんだ、私は……
「み、美鶴ちゃん……
あ……あの……やっぱり頑張らないで……」
肩を落としてそう呟き、それから珠紀ちゃんは、提案者である遼を見上げた
「そもそも私が勝ったらどうするの?」
「一日占有権がお前のものになる
お前はお前を好きにしていいぞ」
「な……何それ……?
要するにいつも通りってことじゃない」
「そういうルールだ」
「横暴だー!」と珠紀ちゃんが言うけど、みんな自分が勝つことだけを考えているようで、誰も気にしていなかった
くっ……こうなれば、私が勝つしかない!
「……分かった
なら、玉依姫として命じます!
優佳先輩はラスボスです!」
「な、何ィー!?」
真弘から大声が飛び出た
そりゃそうだ、真弘だけは珠紀ちゃんではなく、私を狙ってババ抜きを勝ち上がるつもりだったんだから
「……ところで、ルールを付け加えませんか?」
大蛇さんが私達を見渡してそう言った
いったいどんなルールを、と私達が怪訝に思う間もなく
「バレなければ、何をしてもいいというのはどうでしょう」
とんでもないルールをぶっ込んできて、私達全員が絶句した
そ、それはつまり──
「よ……要するに、イカサマありの、ルール無用デスマッチ……」
誰かがゴクリと唾を呑み込む音が聞こえた
「バレたら当然、敗者決定です」
私達の間に動揺が広がる
……私は珠紀ちゃんによってラスボスになってしまったので、みんなの戦いには加わらないにしても……
そのぶっ飛んだルールは、決勝戦にも適用されるんだろうし
「かなりリスクは高いですが、頭の使いようによっては、一位になることも可能です」
「分かりました
乗りましょう」
まるで物怖じしない慎司が頷く
勝利を確信しているかのような佇まいだった
「卑怯な手を使うのは苦手ですが、どうしてもというのなら……」
目を輝かせて、『そういうの大得意です』と言わんばかりの顔をする美鶴も頷いた
こんなに顔と発言が一致していないことって、あるんだなぁ
他のみんなもそれにつられて、渋々納得していく
参加者は我々守護者七名のうち、私を覗いた六名とケテル
それから多家良さん、美鶴、アリア、おーちゃん、珠紀ちゃん、凛の、十三人
公平に抽選で四人、五人、四人のチームに分け、三試合、もしくは四試合が行われ、ビリの人から脱落
それぞれのチームで生き残った人が準決勝を戦い、やはり最後まで勝ち残った人が、決勝戦で私と勝負するというルール
どのみち私が決勝戦で勝たないと、珠紀ちゃんの身が危ないというわけだ
ピリピリとした空気が漂う居間で、私は何度目かの思いを抱いた
私の目の前には、戦うべき相手がいる
祐一と大蛇さんと……そして凛
凛の力は未知数にしても、祐一と大蛇さんは、凛にとって強敵だ
凛の顔からは、「どうしてここまで勝ち上がってしまったんだろう」という後悔が見て取れた
今にも緊張で死んでしまいそうな顔をしている
「さて、最後の戦いといきましょうか?」
いつもの微笑みを浮かべながら、その中に密やかな闘志を抱く大蛇さん
「悪いが……手加減をするつもりはない
お前も、俺たちを倒すつもりでかかってくるといい」
「は……はい!」
祐一の言葉に凛が慌てて返事をするけれど、やはり後悔が隠せていなかった
可哀想に、代わってやれたらどれだけいいか……
でも玉依姫直々に下された役目を思うと、ここで代わってやることは出来なかった
「り……凛君、大丈夫?
顔色が青いような……?」
珠紀ちゃんの案じる声で、凛が背筋をピンと伸ばす
うんうん、珠紀ちゃんに心配をかけるわけにはいかないよね
「が……頑張ります!」
「しっかし意外だよな
まさかお前がなぁ……」
私の隣で、真弘が本当に驚いた表情でそう言う
たぶん、一番驚いているのは、凛本人じゃないだろうか……
「ぐ……偶然です……」
「いや……少しだけ試合を見たけど、お前、強運すぎるだろ
なんか降りてきてるぞ……」
真弘の横で拓磨もそう言った
この世紀の一戦を見届ける私達の間には、微かなざわめきが広がっている
本当に、なんでこんなことになったんだか……
……そう、始まりは珠紀ちゃんの一言だった
村の人達が消えてからしばらく経ち、原因究明の調査も行き詰まってしまい、私達は芦屋さんの言う『味方』を待つしかなくなってしまった
何も出来ない時間というのが、一番つらい
みんなの表情にも、苛立ちが見え隠れし始めたとき
「何か……気分転換でもしようか」
珠紀ちゃんがそう提案したのだ
私達は顔を見合わせて、休息も必要だよね、と二つ返事で頷いた
「……では、トランプでもやるか
ババヌキというゲームを知っているか?」
アリアがとても真剣な顔でそう切り出す
なるほど、簡単なゲームではあるが、故に心理戦になりやすい
更に運の要素も強く絡んでくる、まさに王道のゲームだ
凛は昼間に、待機組のみんなでババ抜きをやったそうで、ルールも理解できていたため、参加が決定した
そこまでは、雰囲気も和やかだったんだけど……
「賞品は……鴉取以外は珠紀、鴉取は櫻葉……お前らでいいな」
遼がそう言った途端、空気が変わった
「こいつらを一日、占有できる
他の奴らは一切これに口出ししない
これでどうだ?」
「え……?
何、私!?
なんで?」
「ていうかそれだと、真弘だけ勝っても負けても変わらなくない!?」
「いや、そうでもない
お前がもし勝てば、お前が珠紀を占有できる
それはつまり、真弘がお前を占有出来ないのと同義だ」
それはそうか、と頷きかけて、いやいやと首を振る
うっかり騙されかけたけど、そんなに簡単には引っかからない
「でも結局、私も真弘も負けたら、同じことじゃない?」
「そこはいつも通りお前達の好きに過ごせばいい」
「……納得いかない!」
「……ほ……ほーう
い、いいぜ?
やってやろうじゃねえか」
真弘は明らかに動揺を隠せていなかった
あれだけ毎日のように私と一緒にいて、それでも足りないとでも言うのか
「……負けられないな」
祐一はいつも通り、何を考えているか分からない
少なくとも、珠紀ちゃんをちゃんと狙っていることだけは確かだ
「……運の要素が強いゲームであることが悔やまれますね……」
慎司の場合、運ではなく知力なら自信があるらしかった
まあ、男共は総じて、バカばっかりだからな……
「ちょ……ちょっと、話がどんどん進んでるけど……
私と優佳先輩の意見は!?」
「安心してください
この戦い、私が勝ちます
私の執念は誰にも負けません」
「美鶴ちゃん!
期待してるよ!
頑張って!」
「私と一緒に、二人きりの夜を過ごしましょう!」
張り切る美鶴の言葉に、珠紀ちゃんは少し顔を青ざめさせた
美鶴のことだもの、しっかり珠紀ちゃんのことを狙ってると思ったんだ、私は……
「み、美鶴ちゃん……
あ……あの……やっぱり頑張らないで……」
肩を落としてそう呟き、それから珠紀ちゃんは、提案者である遼を見上げた
「そもそも私が勝ったらどうするの?」
「一日占有権がお前のものになる
お前はお前を好きにしていいぞ」
「な……何それ……?
要するにいつも通りってことじゃない」
「そういうルールだ」
「横暴だー!」と珠紀ちゃんが言うけど、みんな自分が勝つことだけを考えているようで、誰も気にしていなかった
くっ……こうなれば、私が勝つしかない!
「……分かった
なら、玉依姫として命じます!
優佳先輩はラスボスです!」
「な、何ィー!?」
真弘から大声が飛び出た
そりゃそうだ、真弘だけは珠紀ちゃんではなく、私を狙ってババ抜きを勝ち上がるつもりだったんだから
「……ところで、ルールを付け加えませんか?」
大蛇さんが私達を見渡してそう言った
いったいどんなルールを、と私達が怪訝に思う間もなく
「バレなければ、何をしてもいいというのはどうでしょう」
とんでもないルールをぶっ込んできて、私達全員が絶句した
そ、それはつまり──
「よ……要するに、イカサマありの、ルール無用デスマッチ……」
誰かがゴクリと唾を呑み込む音が聞こえた
「バレたら当然、敗者決定です」
私達の間に動揺が広がる
……私は珠紀ちゃんによってラスボスになってしまったので、みんなの戦いには加わらないにしても……
そのぶっ飛んだルールは、決勝戦にも適用されるんだろうし
「かなりリスクは高いですが、頭の使いようによっては、一位になることも可能です」
「分かりました
乗りましょう」
まるで物怖じしない慎司が頷く
勝利を確信しているかのような佇まいだった
「卑怯な手を使うのは苦手ですが、どうしてもというのなら……」
目を輝かせて、『そういうの大得意です』と言わんばかりの顔をする美鶴も頷いた
こんなに顔と発言が一致していないことって、あるんだなぁ
他のみんなもそれにつられて、渋々納得していく
参加者は我々守護者七名のうち、私を覗いた六名とケテル
それから多家良さん、美鶴、アリア、おーちゃん、珠紀ちゃん、凛の、十三人
公平に抽選で四人、五人、四人のチームに分け、三試合、もしくは四試合が行われ、ビリの人から脱落
それぞれのチームで生き残った人が準決勝を戦い、やはり最後まで勝ち残った人が、決勝戦で私と勝負するというルール
どのみち私が決勝戦で勝たないと、珠紀ちゃんの身が危ないというわけだ
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