二十五章
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真弘と一緒に、森の奥にある沼に来た
この沼に、鬼斬丸は封印されている
一年前、ここで真弘とツヴァイが戦って、そのあと、私と真弘で鬼斬丸を封印した
まさかまたここに来ることになるとは思わなかったけど……
「……っ」
夜の闇はさらに濃く、霊気は他の場所よりも濃密だった
「解放……できるか?」
「うん……」
無意識に体が震えている
一年前の苦しい戦いが脳裏を過ぎった
……もし、再封印ができなかったら
「安心しろ……
一度は鬼斬丸を封じた俺達だ
また封じることもできる
散々俺たちを縛ってきた刀だ
最後の最後くらい、利用してやろうぜ」
「……そうね」
迷っている暇はない
こうしている間にも、村の人たちの生命力は吸われ続けている
そしてそれが流れ着く先は、私だ
(なんとしても、私たちで終わらせなくちゃ)
沼に眠る鬼斬丸の封印に意識を集中する
「世界の終わりを司る刀よ、封印の管理者、木花開耶姫の呼びかけに答えよ──」
口から紡がれる言葉が、夜気に溶けていく
甲高い音、徐々に凝縮されていく霊力
沼の中央に巨大な結界陣が出来上がって、その中央に……
それは……姿を現した
結界陣の光に照らし出されるように、その刀はぼんやりと宙に浮いていた
「私が施した封印よ
私の力で解くこともできるわ」
二人でソレを見つめる
現れただけでも、その力の凄まじさは伝わってくる
「……相変わらず……禍々しいな……」
「本当に、刀を解放するのね?」
「……ああ、やってくれ」
真弘の言葉に頷いて、小さく息を吸う
そうして更に祝詞を唱えた
「悠久より存在する、最初の神の半身よ
その管理者たる玉依姫と木花開耶姫の命によりて、再びその力をこの世にもたらせ」
呟きながら、印を切る
私を中心にして霊気による風が逆巻き、私の髪がふわりと風に煽られて浮かび上がった
「破壊と破滅と終末を呼び起こし、我が障害となるあらゆるものを、闇に引きずり込め」
言葉を唱え、印を切るたびに、封印は少しずつ解けていく
刀に宿った霊力が、暴れ出そうとしている
「再び、滅びの力を我に与えよ
木花開耶姫はこれより封印を絶ち──鬼斬丸を解放する」
その瞬間
鬼斬丸の封印が、解放された
空間が衝撃で歪む
この世のものとは思えないほどの力が溢れ出して、私たちを蝕もうと手を伸ばしてくるようだった
空間そのものが振動する
この世界を丸ごと、何十回でも終わりにできるほどの力が、そこにあった
刀がゆっくりと中空を滑り、私の手のひらに収まる
ズシリと重く、持った瞬間から、力が私の精神を侵食し始めようとする
「さすがに……すげえな」
真弘もそう呟く
私はその刀を両手で持ったまま、真弘へと向き直った
「大きすぎるその力は、人の精神を蝕みます」
私ではなく、『木花開耶姫』という血が喋り出す
千年前、当時の玉依姫と共に、鏡の契約者であったカミと戦った、木花開耶姫の子孫──
桜佳様の意識が、私を動かしているようにも思えた
「鬼斬丸の封印は、完全には解きません
それでもこの力は使用者の精神を、急激に蝕んでいくことでしょう
八咫烏である空疎尊
その血を継ぎ、我が守護者となりし鴉取真弘
あなたに、世界の命運を預けます」
「我が姫の、仰せのままに」
真弘が、差し出された刀を掴む
瞬間、力が一気に真弘に乗り移った
恐ろしい力が真弘になだれ込んで、真弘の身体に霊力が毛細血管のように張り巡らされていく
そして……
強烈なエネルギーが、真弘から放たれた
「う……ぐ……」
「真弘!?」
「黙って見てろ……
鬼斬丸の一つや二つ──ねじ伏せるさ」
強靭な精神を好ましく思ったのか、真弘の身体にまとわりついていた霊力が、真弘の体の内側へと収束していく
どうやら鬼斬丸は、真弘を宿主と決めたようだった
真弘から苦悶の表情が消える
「……真弘、今、どうなってるの……?」
「なんとかなったぞ、優佳……」
真弘はそう言って、少し笑った
まさか鬼斬丸の力を取り込むことに成功するなんて
「……鬼斬丸を使うというより、鬼斬丸に使われているって感じがする
……これでもう、後には引けない」
「……うん」
「付いて来てくれるな?」
「もちろん
最後まで一緒だよ」
月明りに輝く真弘の目は、決意に満ちていた
……私も戦おう
諦めずに、最後まで
鬼斬丸を携えた真弘と共に、私は歩き出した
もう一度ニールと対峙するために
そうして今度こそ、世界を……朝を取り戻すために
この沼に、鬼斬丸は封印されている
一年前、ここで真弘とツヴァイが戦って、そのあと、私と真弘で鬼斬丸を封印した
まさかまたここに来ることになるとは思わなかったけど……
「……っ」
夜の闇はさらに濃く、霊気は他の場所よりも濃密だった
「解放……できるか?」
「うん……」
無意識に体が震えている
一年前の苦しい戦いが脳裏を過ぎった
……もし、再封印ができなかったら
「安心しろ……
一度は鬼斬丸を封じた俺達だ
また封じることもできる
散々俺たちを縛ってきた刀だ
最後の最後くらい、利用してやろうぜ」
「……そうね」
迷っている暇はない
こうしている間にも、村の人たちの生命力は吸われ続けている
そしてそれが流れ着く先は、私だ
(なんとしても、私たちで終わらせなくちゃ)
沼に眠る鬼斬丸の封印に意識を集中する
「世界の終わりを司る刀よ、封印の管理者、木花開耶姫の呼びかけに答えよ──」
口から紡がれる言葉が、夜気に溶けていく
甲高い音、徐々に凝縮されていく霊力
沼の中央に巨大な結界陣が出来上がって、その中央に……
それは……姿を現した
結界陣の光に照らし出されるように、その刀はぼんやりと宙に浮いていた
「私が施した封印よ
私の力で解くこともできるわ」
二人でソレを見つめる
現れただけでも、その力の凄まじさは伝わってくる
「……相変わらず……禍々しいな……」
「本当に、刀を解放するのね?」
「……ああ、やってくれ」
真弘の言葉に頷いて、小さく息を吸う
そうして更に祝詞を唱えた
「悠久より存在する、最初の神の半身よ
その管理者たる玉依姫と木花開耶姫の命によりて、再びその力をこの世にもたらせ」
呟きながら、印を切る
私を中心にして霊気による風が逆巻き、私の髪がふわりと風に煽られて浮かび上がった
「破壊と破滅と終末を呼び起こし、我が障害となるあらゆるものを、闇に引きずり込め」
言葉を唱え、印を切るたびに、封印は少しずつ解けていく
刀に宿った霊力が、暴れ出そうとしている
「再び、滅びの力を我に与えよ
木花開耶姫はこれより封印を絶ち──鬼斬丸を解放する」
その瞬間
鬼斬丸の封印が、解放された
空間が衝撃で歪む
この世のものとは思えないほどの力が溢れ出して、私たちを蝕もうと手を伸ばしてくるようだった
空間そのものが振動する
この世界を丸ごと、何十回でも終わりにできるほどの力が、そこにあった
刀がゆっくりと中空を滑り、私の手のひらに収まる
ズシリと重く、持った瞬間から、力が私の精神を侵食し始めようとする
「さすがに……すげえな」
真弘もそう呟く
私はその刀を両手で持ったまま、真弘へと向き直った
「大きすぎるその力は、人の精神を蝕みます」
私ではなく、『木花開耶姫』という血が喋り出す
千年前、当時の玉依姫と共に、鏡の契約者であったカミと戦った、木花開耶姫の子孫──
桜佳様の意識が、私を動かしているようにも思えた
「鬼斬丸の封印は、完全には解きません
それでもこの力は使用者の精神を、急激に蝕んでいくことでしょう
八咫烏である空疎尊
その血を継ぎ、我が守護者となりし鴉取真弘
あなたに、世界の命運を預けます」
「我が姫の、仰せのままに」
真弘が、差し出された刀を掴む
瞬間、力が一気に真弘に乗り移った
恐ろしい力が真弘になだれ込んで、真弘の身体に霊力が毛細血管のように張り巡らされていく
そして……
強烈なエネルギーが、真弘から放たれた
「う……ぐ……」
「真弘!?」
「黙って見てろ……
鬼斬丸の一つや二つ──ねじ伏せるさ」
強靭な精神を好ましく思ったのか、真弘の身体にまとわりついていた霊力が、真弘の体の内側へと収束していく
どうやら鬼斬丸は、真弘を宿主と決めたようだった
真弘から苦悶の表情が消える
「……真弘、今、どうなってるの……?」
「なんとかなったぞ、優佳……」
真弘はそう言って、少し笑った
まさか鬼斬丸の力を取り込むことに成功するなんて
「……鬼斬丸を使うというより、鬼斬丸に使われているって感じがする
……これでもう、後には引けない」
「……うん」
「付いて来てくれるな?」
「もちろん
最後まで一緒だよ」
月明りに輝く真弘の目は、決意に満ちていた
……私も戦おう
諦めずに、最後まで
鬼斬丸を携えた真弘と共に、私は歩き出した
もう一度ニールと対峙するために
そうして今度こそ、世界を……朝を取り戻すために
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