七章
夢小説設定
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この日の屋上も、いつものように私たちだけ
専用というわけではないはずなんだけど、なぜかいつも私達しかいないのだ
「……んで、何だよ
話って」
真弘が珠紀ちゃんにそう尋ねる
お昼を食べたら昨日のスケッチの続きをと思っていたけど、珠紀ちゃんが「話がある」と言い出したのだ
「昨日の話ですよ、昨日の」
……あの謎の人達のことか
あの後、宇賀谷家に戻ると、守護六家の全員が集まっていた
どういうことか尋ねてみると、みんなも一様に何か胸騒ぎを覚え、管理する宝具の場所に行ったのだそうで
そしてそこで、不思議な人たちに出会ったらしい
彼らと軽く言葉を交わし、あるいは軽く手合せした
まあ、これは拓磨の表現なんだけど、結果、彼らは闇に消えた
「ねえ、多分なんだけど
封印を襲った人たちって、みんな同じグループに所属してるっていう感じがしない?」
みんなの訝しげな視線が珠紀ちゃんに集中する
「私もそうだと思う」
「僕もそうだと思います
あんなにタイミングよく、複数の結界が襲われるなんて、ありえません」
賛同したのは、私と慎司
「あの領域は、力のある者でなければ、足を踏み入れることさえできない」
侵入者についての話をまとめると、こう
襲われた封印は三つ
侵入者は四人
それぞれが、アイン、ツヴァイ、ドライ、フィーアと名乗っている
「……でもさ、これって多分偽名なんだよ
この呼び方って、ドイツの数の数え方で、一、二、三、四って意味なんだって、卓さんが言ってた」
「……つまり、そいつらはやっぱり、つるんでる可能性が強いってことだな」
「というわけで、今日は封印を調べに行こうと思うの!」
「何だその、単細胞っぽい計画は」
「単細胞とか言わないでよ!
優佳先輩、どう思います!?」
「最低だね拓磨、女の子に単細胞なんて
しかも相手は玉依姫よ?」
珠紀ちゃんの分まで言ってあげると、珠紀ちゃんが横でうんうんと頷く
拓磨はぐっと口を噤んだ
「封印、見に行くんだよね?」
「はい!」
「うん
珠紀ちゃんのことは私達が守るから、心配しないで」
「優佳先輩……!」
珠紀ちゃんと瞳が感動で輝いた
私以外の守護者とも、信頼関係を構築してほしいところだ
「……お前さ
怖い目に遭ったんだろ?
まだ、そんなこと続けるのか?
後は俺たちに任せるって気にはならないのか?」
真弘の意見も一理ある
戦闘に関しては、珠紀ちゃんよりも私達の役目になるし、何より珠紀ちゃんを危険な目には遭わせられない
「……それは」
珠紀ちゃんが一度言い淀む
それでも珠紀ちゃんは、しっかりとした口調で言った
「私でも役に立てたって思えたから
だから私も行くんだよ」
ま、言い出したら聞かないか
私たちは顔を見合わせ、小さくため息をついた
「お前な、言ってる意味分かってんのか?
またあいつらに襲われたらどうするんだよ」
「そしたら、あなた達に守ってもらう」
「……結局、他力本願じゃねえか」
「頭痛がどうとか言っていたな
もう大丈夫なのか?」
祐一が珠紀ちゃんにそう訊いた
あの時も、頭痛自体はすぐに治まったようだったけど……
「そう
それも、私が封印の場所に行きたい理由の一つなんです」
昨日の話では、珠紀ちゃんの身体と封印は、玉依の血で結ばれているのかもしれない、ということだった
そう大蛇さんが言っていたけど、推論とはいえそれはそれで一理ある
「そうね
確かに、封印と珠紀ちゃんの身体との関係を調べるのも大事かも」
「ありがとう、優佳先輩!」
やっぱり守護者は、玉依姫に信頼されてこそだ
喜ぶ珠紀ちゃんに微笑んで頷いた時――
「……ん?
誰か、いるな」
祐一が扉に向かってそう言った
専用というわけではないはずなんだけど、なぜかいつも私達しかいないのだ
「……んで、何だよ
話って」
真弘が珠紀ちゃんにそう尋ねる
お昼を食べたら昨日のスケッチの続きをと思っていたけど、珠紀ちゃんが「話がある」と言い出したのだ
「昨日の話ですよ、昨日の」
……あの謎の人達のことか
あの後、宇賀谷家に戻ると、守護六家の全員が集まっていた
どういうことか尋ねてみると、みんなも一様に何か胸騒ぎを覚え、管理する宝具の場所に行ったのだそうで
そしてそこで、不思議な人たちに出会ったらしい
彼らと軽く言葉を交わし、あるいは軽く手合せした
まあ、これは拓磨の表現なんだけど、結果、彼らは闇に消えた
「ねえ、多分なんだけど
封印を襲った人たちって、みんな同じグループに所属してるっていう感じがしない?」
みんなの訝しげな視線が珠紀ちゃんに集中する
「私もそうだと思う」
「僕もそうだと思います
あんなにタイミングよく、複数の結界が襲われるなんて、ありえません」
賛同したのは、私と慎司
「あの領域は、力のある者でなければ、足を踏み入れることさえできない」
侵入者についての話をまとめると、こう
襲われた封印は三つ
侵入者は四人
それぞれが、アイン、ツヴァイ、ドライ、フィーアと名乗っている
「……でもさ、これって多分偽名なんだよ
この呼び方って、ドイツの数の数え方で、一、二、三、四って意味なんだって、卓さんが言ってた」
「……つまり、そいつらはやっぱり、つるんでる可能性が強いってことだな」
「というわけで、今日は封印を調べに行こうと思うの!」
「何だその、単細胞っぽい計画は」
「単細胞とか言わないでよ!
優佳先輩、どう思います!?」
「最低だね拓磨、女の子に単細胞なんて
しかも相手は玉依姫よ?」
珠紀ちゃんの分まで言ってあげると、珠紀ちゃんが横でうんうんと頷く
拓磨はぐっと口を噤んだ
「封印、見に行くんだよね?」
「はい!」
「うん
珠紀ちゃんのことは私達が守るから、心配しないで」
「優佳先輩……!」
珠紀ちゃんと瞳が感動で輝いた
私以外の守護者とも、信頼関係を構築してほしいところだ
「……お前さ
怖い目に遭ったんだろ?
まだ、そんなこと続けるのか?
後は俺たちに任せるって気にはならないのか?」
真弘の意見も一理ある
戦闘に関しては、珠紀ちゃんよりも私達の役目になるし、何より珠紀ちゃんを危険な目には遭わせられない
「……それは」
珠紀ちゃんが一度言い淀む
それでも珠紀ちゃんは、しっかりとした口調で言った
「私でも役に立てたって思えたから
だから私も行くんだよ」
ま、言い出したら聞かないか
私たちは顔を見合わせ、小さくため息をついた
「お前な、言ってる意味分かってんのか?
またあいつらに襲われたらどうするんだよ」
「そしたら、あなた達に守ってもらう」
「……結局、他力本願じゃねえか」
「頭痛がどうとか言っていたな
もう大丈夫なのか?」
祐一が珠紀ちゃんにそう訊いた
あの時も、頭痛自体はすぐに治まったようだったけど……
「そう
それも、私が封印の場所に行きたい理由の一つなんです」
昨日の話では、珠紀ちゃんの身体と封印は、玉依の血で結ばれているのかもしれない、ということだった
そう大蛇さんが言っていたけど、推論とはいえそれはそれで一理ある
「そうね
確かに、封印と珠紀ちゃんの身体との関係を調べるのも大事かも」
「ありがとう、優佳先輩!」
やっぱり守護者は、玉依姫に信頼されてこそだ
喜ぶ珠紀ちゃんに微笑んで頷いた時――
「……ん?
誰か、いるな」
祐一が扉に向かってそう言った
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