六章
夢小説設定
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翌日のお昼休み
いつものように屋上で昼食を食べていると、珠紀ちゃんがおもむろに口を開いた
「ねえ、慎司君ってさ
美鶴ちゃんと何かあったのかな」
珠紀ちゃんのそれに、私も視線を持ち上げる
「何かあったとは、何がなんだ?」
祐一が、ぼんやりと景色を見ながらそう尋ねる
何かあったのかと言われても、心当たりは私にもない
「いや、だって、美鶴ちゃんと会った時の慎司君の様子、ちょっと変でしたよ
美鶴ちゃんは美鶴ちゃんでちょっと困ってるふうだったし」
珠紀ちゃんの言葉に、私たちは顔を見合わせた
まあ、確かに、村を出る前の慎司と美鶴は、仲が良かったから……そのせいなのかな
「そりゃ、いろいろあるんじゃないか?
あいつがいなくなる前は、随分仲が良かったからな、あの二人」
「そうそう
おままごととか、美鶴に無理やりつき合わされたりしてな」
「ついでに言うと、真弘は仲間外れにされたと言って、よく拗ねていたな」
「ああ……
そういえばそうだったね……」
懐かしいな……
何故かいつも、腹を立てながら向かってくるのは私のところだったけど
「ば、ばか!
俺は二人にちゃんと協調性ってやつをだな」
「まあ、真弘先輩にとってみれば、可愛い弟と妹が自分を仲間外れにしているようなもんだ
拗ねてたんだな」
「そのあたりは、今もあまり変わってないな」
「うん、変わってない変わってない
相変わらずだもん」
「お前ら、怒るぞ!」
真弘が顔を赤くして声を荒らげる
そんな真弘を見て、珠紀ちゃんが笑っていた
「ん?
なんでお前、笑ってるんだ?」
「べーつにー」
そんなやり取りをしていると、屋上のドアが開く音が聞こえた
「あの、遅れてしまいました」
……おや、噂をすれば慎司だ
なんていいタイミング
「あの、皆さん、どうかしたんですか?」
「いや、お前と美鶴の話をしててな」
「お前と美鶴がいかに仲良くしてたかって話をな」
早速からかってるな、真弘……
案の定、慎司の顔がさっと赤くなった
「な、何を言ってるんですか!」
うわぁ……分かりやすい
え、なに、もしかして慎司って美鶴のこと、好きなの?
なんて余計な好奇心が芽生えてくる
「思い出すなー
あの頃の美鶴は、慎司にだけはすごく強気で、お前いっつも尻に敷かれてたよな」
「そ、そんなことないですよ!」
「しょっちゅうケンカしてて、いつもお前が泣いていた」
「祐一先輩!」
「あれ、慎司が美鶴にケンカで勝ったことって、あったっけ?」
「優佳先輩まで!」
からかうと面白いよね、慎司って
ひとしきり笑うと、それで話は終わりになって、それぞれが勝手に過ごしだした
拓磨はクロスワード
祐一は……もう寝てる
真弘は焼きそばパンを食べながら、バイク雑誌を見ていた
私は持ってきたスケッチブックを取り出して、そんな真弘ごと、この風景を描いていく
秋の紅葉の中にいる真弘はすごくきれいで
それでも、どこか儚くて、哀しげで
それが余計に紅葉との間を引き立たせる
でも今日、ここには真弘以外にも皆がいる
うん、今日はみんなのことも入れようかな
こうやって何気ない景色をここに描き留めて、思い出を残していって……
いつか、これを抱いて沈んでいけたら、きっとそれだけで充分だから
いつものように屋上で昼食を食べていると、珠紀ちゃんがおもむろに口を開いた
「ねえ、慎司君ってさ
美鶴ちゃんと何かあったのかな」
珠紀ちゃんのそれに、私も視線を持ち上げる
「何かあったとは、何がなんだ?」
祐一が、ぼんやりと景色を見ながらそう尋ねる
何かあったのかと言われても、心当たりは私にもない
「いや、だって、美鶴ちゃんと会った時の慎司君の様子、ちょっと変でしたよ
美鶴ちゃんは美鶴ちゃんでちょっと困ってるふうだったし」
珠紀ちゃんの言葉に、私たちは顔を見合わせた
まあ、確かに、村を出る前の慎司と美鶴は、仲が良かったから……そのせいなのかな
「そりゃ、いろいろあるんじゃないか?
あいつがいなくなる前は、随分仲が良かったからな、あの二人」
「そうそう
おままごととか、美鶴に無理やりつき合わされたりしてな」
「ついでに言うと、真弘は仲間外れにされたと言って、よく拗ねていたな」
「ああ……
そういえばそうだったね……」
懐かしいな……
何故かいつも、腹を立てながら向かってくるのは私のところだったけど
「ば、ばか!
俺は二人にちゃんと協調性ってやつをだな」
「まあ、真弘先輩にとってみれば、可愛い弟と妹が自分を仲間外れにしているようなもんだ
拗ねてたんだな」
「そのあたりは、今もあまり変わってないな」
「うん、変わってない変わってない
相変わらずだもん」
「お前ら、怒るぞ!」
真弘が顔を赤くして声を荒らげる
そんな真弘を見て、珠紀ちゃんが笑っていた
「ん?
なんでお前、笑ってるんだ?」
「べーつにー」
そんなやり取りをしていると、屋上のドアが開く音が聞こえた
「あの、遅れてしまいました」
……おや、噂をすれば慎司だ
なんていいタイミング
「あの、皆さん、どうかしたんですか?」
「いや、お前と美鶴の話をしててな」
「お前と美鶴がいかに仲良くしてたかって話をな」
早速からかってるな、真弘……
案の定、慎司の顔がさっと赤くなった
「な、何を言ってるんですか!」
うわぁ……分かりやすい
え、なに、もしかして慎司って美鶴のこと、好きなの?
なんて余計な好奇心が芽生えてくる
「思い出すなー
あの頃の美鶴は、慎司にだけはすごく強気で、お前いっつも尻に敷かれてたよな」
「そ、そんなことないですよ!」
「しょっちゅうケンカしてて、いつもお前が泣いていた」
「祐一先輩!」
「あれ、慎司が美鶴にケンカで勝ったことって、あったっけ?」
「優佳先輩まで!」
からかうと面白いよね、慎司って
ひとしきり笑うと、それで話は終わりになって、それぞれが勝手に過ごしだした
拓磨はクロスワード
祐一は……もう寝てる
真弘は焼きそばパンを食べながら、バイク雑誌を見ていた
私は持ってきたスケッチブックを取り出して、そんな真弘ごと、この風景を描いていく
秋の紅葉の中にいる真弘はすごくきれいで
それでも、どこか儚くて、哀しげで
それが余計に紅葉との間を引き立たせる
でも今日、ここには真弘以外にも皆がいる
うん、今日はみんなのことも入れようかな
こうやって何気ない景色をここに描き留めて、思い出を残していって……
いつか、これを抱いて沈んでいけたら、きっとそれだけで充分だから
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