三十一章
夢小説設定
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夕暮れの日差しが差し込む、ロゴスの洋館
橙色の光が染める大広間の中心で、アリアの従者であるはずのアインとツヴァイが、対峙している
「……仲間、割れ」
いつか芦屋の言っていた内部分裂が、本当に始まろうとしている
……いや、それはもう、既に始まっていたのだろう
ドライが本国へ帰ったというそれも、もしかしたら内部分裂の一部なのかもしれない
「……モナドを頼む」
アインが私を半分ほど振り返り、そう呟く
それに私は軽く頷いて応じた
アインとツヴァイの実力は、この身で嫌という程、味わった
私達が手を出せる状況にはならないだろう
精々が巻き込まれないように身を守るくらいだ
私も真弘も固唾を呑んで見守り、そして次の瞬間
二人の姿が消えた
次いで、凄まじい轟音と共に、アインの拳がツヴァイを捉えていた
ツヴァイはそのまま吹き飛び、壁に激突して土煙を上げる
しかしまったく息もつかせぬまま
土煙の中で何かが一瞬光ったと思った次の瞬間には
一瞬にして間合いを詰めていたツヴァイが鎌を振った
しかしアインはそれを難なくかわし、強烈な一撃をツヴァイに下す
ツヴァイはその一撃をもろに食らって、土煙を上げて床を削った
しかし、やはり気にすることなく、再び鎌を振るってくる
アインの体を鎌が掠め、けれどアインもやはり気にすることなく拳を振るう
部屋が崩れ落ちるのではないかと思えるほどの轟音が響き、立っていられないほどに床が揺れる
普通の人間だったら、一撃でも受ければ粉々になっていただろう
しかしそれすら、ツヴァイは平気な顔をしている
あれだけの攻撃を受けながら……
「……美味いか、ソウルイーター」
ツヴァイがそう呟く
……ソウルイーター?
「なるほど
魂喰らいが、お前の力か
敵にとって、不足はない――死神!」
アインの声が広間中に響き、そして
一瞬にして両者の距離は縮まる
お互いの一撃がお互いの攻撃を防ぎ、互いが傷つくことのないまま戦いが続く
「優佳、お前、俺の後ろにいろ
アリア、お前もだ!」
「余計な心配をするな」
アリアは呟き、二人の戦いを見つめる
そうは言っても、いつその余波がこちらにまで及ぶか分からない
「いいから早くこっちに!」
私が叫ぼうとした時、ひときわ強い衝撃が私を襲った
がれきが私達の頭上へと降り注ぐ
咄嗟に私と真弘の周囲に結界を張ったけれど、アリアを守る手立てがない
「アリア……!!」
アリアは怪我を負っていないかと、そちらを振り向く
しかしアリアは瓦礫が降り落ちる中にあって、平然とそこに立っていた
「……私は、神の加護に守られし者
この程度のことは大したことではない」
アリアが無傷でいることに安堵したのも、つかの間
二人の攻防はさらに激しさを増していく
「……ツヴァイの速さが、どんどん速くなってる……?」
見間違い、だろうか
いや、見間違いじゃない
ツヴァイの一撃を避け、一歩下がったアインをツヴァイは見逃さなかった
「ここからは、俺の番だ」
その言葉が終わった瞬間
鋭い鎌の一撃が、アインを襲う
それは今までのものとは比べ物にならないくらい素早いものだった
一撃はアインの身体を切り裂き、けれどなお、アインは退くことなく
「うおぉぉぉぉおお!!!」
砲弾の爆発のような衝撃と光が一度に起こる
けれど――
「その程度か?」
ツヴァイはその一撃を受けても、全く平然としたまま
どころか、さらに素早い一撃をアインに繰り出した
「く!
お前は、何を!」
「食事をしてる
お前の魂を削り取って、ソウルイーターは、宿主である俺に栄養を回す」
ツヴァイはそう言って鎌を振り回す
空気が逆巻き、そこには真空が作り出された
それらは周囲の床や天井を切り刻んでいく
「……人間の戦いじゃない」
私はそう呟いた
こんなの、人間が持てる力の範囲を超えている
神の加護があると言ったって、こんなの有り得ない
「ソウルイーターからすれば、アイン、お前は……無尽蔵の食料貯蔵庫のようなものだ」
ツヴァイの呟きに、アインは拳で応える
全ては一瞬で起きた
アインの一撃は難なく避けられ、代わりにツヴァイの斬撃が、深くアインに突き刺さる
しかし、それを気にしないかのように、アインの剛腕がツヴァイを捉え
再びの爆音とともに、ツヴァイが吹き飛んだ
しかし土煙の中から現れるのは、全く無傷のツヴァイだ
「お前は何者なのだ!
ツヴァイ!」
「俺は、死神だ」
ツヴァイはそう呟く
アインとそっくりなように、その鎌に膨大な力が貯められる
アインはわずかに笑い、再び必殺の一撃の準備に入った
橙色の光が染める大広間の中心で、アリアの従者であるはずのアインとツヴァイが、対峙している
「……仲間、割れ」
いつか芦屋の言っていた内部分裂が、本当に始まろうとしている
……いや、それはもう、既に始まっていたのだろう
ドライが本国へ帰ったというそれも、もしかしたら内部分裂の一部なのかもしれない
「……モナドを頼む」
アインが私を半分ほど振り返り、そう呟く
それに私は軽く頷いて応じた
アインとツヴァイの実力は、この身で嫌という程、味わった
私達が手を出せる状況にはならないだろう
精々が巻き込まれないように身を守るくらいだ
私も真弘も固唾を呑んで見守り、そして次の瞬間
二人の姿が消えた
次いで、凄まじい轟音と共に、アインの拳がツヴァイを捉えていた
ツヴァイはそのまま吹き飛び、壁に激突して土煙を上げる
しかしまったく息もつかせぬまま
土煙の中で何かが一瞬光ったと思った次の瞬間には
一瞬にして間合いを詰めていたツヴァイが鎌を振った
しかしアインはそれを難なくかわし、強烈な一撃をツヴァイに下す
ツヴァイはその一撃をもろに食らって、土煙を上げて床を削った
しかし、やはり気にすることなく、再び鎌を振るってくる
アインの体を鎌が掠め、けれどアインもやはり気にすることなく拳を振るう
部屋が崩れ落ちるのではないかと思えるほどの轟音が響き、立っていられないほどに床が揺れる
普通の人間だったら、一撃でも受ければ粉々になっていただろう
しかしそれすら、ツヴァイは平気な顔をしている
あれだけの攻撃を受けながら……
「……美味いか、ソウルイーター」
ツヴァイがそう呟く
……ソウルイーター?
「なるほど
魂喰らいが、お前の力か
敵にとって、不足はない――死神!」
アインの声が広間中に響き、そして
一瞬にして両者の距離は縮まる
お互いの一撃がお互いの攻撃を防ぎ、互いが傷つくことのないまま戦いが続く
「優佳、お前、俺の後ろにいろ
アリア、お前もだ!」
「余計な心配をするな」
アリアは呟き、二人の戦いを見つめる
そうは言っても、いつその余波がこちらにまで及ぶか分からない
「いいから早くこっちに!」
私が叫ぼうとした時、ひときわ強い衝撃が私を襲った
がれきが私達の頭上へと降り注ぐ
咄嗟に私と真弘の周囲に結界を張ったけれど、アリアを守る手立てがない
「アリア……!!」
アリアは怪我を負っていないかと、そちらを振り向く
しかしアリアは瓦礫が降り落ちる中にあって、平然とそこに立っていた
「……私は、神の加護に守られし者
この程度のことは大したことではない」
アリアが無傷でいることに安堵したのも、つかの間
二人の攻防はさらに激しさを増していく
「……ツヴァイの速さが、どんどん速くなってる……?」
見間違い、だろうか
いや、見間違いじゃない
ツヴァイの一撃を避け、一歩下がったアインをツヴァイは見逃さなかった
「ここからは、俺の番だ」
その言葉が終わった瞬間
鋭い鎌の一撃が、アインを襲う
それは今までのものとは比べ物にならないくらい素早いものだった
一撃はアインの身体を切り裂き、けれどなお、アインは退くことなく
「うおぉぉぉぉおお!!!」
砲弾の爆発のような衝撃と光が一度に起こる
けれど――
「その程度か?」
ツヴァイはその一撃を受けても、全く平然としたまま
どころか、さらに素早い一撃をアインに繰り出した
「く!
お前は、何を!」
「食事をしてる
お前の魂を削り取って、ソウルイーターは、宿主である俺に栄養を回す」
ツヴァイはそう言って鎌を振り回す
空気が逆巻き、そこには真空が作り出された
それらは周囲の床や天井を切り刻んでいく
「……人間の戦いじゃない」
私はそう呟いた
こんなの、人間が持てる力の範囲を超えている
神の加護があると言ったって、こんなの有り得ない
「ソウルイーターからすれば、アイン、お前は……無尽蔵の食料貯蔵庫のようなものだ」
ツヴァイの呟きに、アインは拳で応える
全ては一瞬で起きた
アインの一撃は難なく避けられ、代わりにツヴァイの斬撃が、深くアインに突き刺さる
しかし、それを気にしないかのように、アインの剛腕がツヴァイを捉え
再びの爆音とともに、ツヴァイが吹き飛んだ
しかし土煙の中から現れるのは、全く無傷のツヴァイだ
「お前は何者なのだ!
ツヴァイ!」
「俺は、死神だ」
ツヴァイはそう呟く
アインとそっくりなように、その鎌に膨大な力が貯められる
アインはわずかに笑い、再び必殺の一撃の準備に入った
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