二十二章
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真弘が手を掲げて竜巻を起こす
それはツヴァイ目掛けて落とされるけれど、ツヴァイは難なくそれを避けた
竜巻を免れたツヴァイの鎌が真弘を襲う
真弘もすぐさま腕に風の刃を作り出し、それに対応した
「略法、伏敵!!
急々如律令!!」
ツヴァイはそれをこともなげに躱す
「なぜだ、お前たちは、遠からず死ぬ
お前たち自身の魂が、そう悲鳴を上げている
ではなぜこうしてまで戦う必要がある」
「……っ!!」
ツヴァイの鎌が、真弘の肩を斬った
真弘がツヴァイに風の塊を押し当て、距離を取る
私は真弘の傷を癒すため、手を組んだ
「……お前、どこまで知ってる」
傷が癒えた真弘が、ツヴァイにそう問う
その赤い瞳は、やはり冷たいまま、私達を見据えていた
「狩り取る人間の魂は、その思考は、すべて解する
お前たちは、自分が死ぬべき運命にあることを知っている
お前たちは幼い頃、封印のために、ある役割を背負って死ぬことを命じられた
お前たちの人生はそれまでの猶予期間でしかないと」
濃密な死の気配が、私の首を締めにくる
否応なしに突き付けられたのは、現実だった
「お前たちはそれをひたすら隠してきた
仲間たちの自分を見る目が、変わってしまいそうだったから」
封印のために、私達は死ぬ
今こうして生きているのは、いずれ死ぬための猶予期間
それに抗えば、みんな死んでしまう
私達は――初めから、生まれた時から、何も無かった
何も、用意されていなかった
当たり前のように来る明日も、希望に溢れた未来も、何一つ
「安心しろ
生きるなどということに意味はない
お前たちは苦しまなくていい
生きるも死ぬも、大した問題ではない
お前たちは隠したいと思っている
なぜ自分が死ぬのか、それは、お前の大切な人間が原因だから――」
「黙れクソ野郎!!」
「うるさいっ!!」
ほとんど同時に、私と真弘はそう叫んでいた
剣を錬成し、ツヴァイに一直線に向かう
こいつは殺す
殺す殺す殺す!!
身体の底からこみあげる何かを叩きつけるかのように、炎が降り注ぐ
真弘が両手に竜巻を発生させ、それをツヴァイに押し当てた
ツヴァイは気にしていないのか、鎌の柄で真弘を突き飛ばす
瞬間、ツヴァイの足元に三重の円陣が現出し、爆ぜる
土煙から出てきたツヴァイは私に鎌を振り下ろし、けれどその姿はふっと消え
ツヴァイの首目掛けて、刀を振り下ろした
「殺せるものなら、殺してみなさいよ
ほら、あんたにとっちゃ簡単でしょ!?」
真弘の真空の剣が迫って、ツヴァイは一瞬で私の目の前から姿を消した
すれ違った私と真弘の頭上から、死神の鎌が迫る
「止まれ」
言霊が作用して、ツヴァイの動きがほんの一瞬だけ止まる
その一瞬で体勢を整えた真弘が鎌を受け止めた
こんなことじゃだめだ
頭の中でそう繰り返す
分かってる
分かっているのに、身体は思考とは真逆の行動をする
目の前の敵を殺そうと剣を振りかざす
繰り出される双方の刃を、死神の鎌はいとも簡単に受け止め、弾き返した
次第に息が上がってくる
真弘も呼吸が大きくなってきているし、汗も滝のようだ
(これ以上は、真弘の命が危ない)
一度取った間合いを、ツヴァイが詰める
クソッタレ、と悪態を吐いて迎え撃とうとした真弘が、ほんの一瞬だけくらりと揺れた
ツヴァイの顔に残忍な笑みが浮かぶ
そのとき、透明な何かがツヴァイに向かって走った
ツヴァイが避けたことで、私たちとの間に距離ができる
目に見えない、エネルギーの弾丸
例えるならそんなものだった
それはツヴァイ目掛けて落とされるけれど、ツヴァイは難なくそれを避けた
竜巻を免れたツヴァイの鎌が真弘を襲う
真弘もすぐさま腕に風の刃を作り出し、それに対応した
「略法、伏敵!!
急々如律令!!」
ツヴァイはそれをこともなげに躱す
「なぜだ、お前たちは、遠からず死ぬ
お前たち自身の魂が、そう悲鳴を上げている
ではなぜこうしてまで戦う必要がある」
「……っ!!」
ツヴァイの鎌が、真弘の肩を斬った
真弘がツヴァイに風の塊を押し当て、距離を取る
私は真弘の傷を癒すため、手を組んだ
「……お前、どこまで知ってる」
傷が癒えた真弘が、ツヴァイにそう問う
その赤い瞳は、やはり冷たいまま、私達を見据えていた
「狩り取る人間の魂は、その思考は、すべて解する
お前たちは、自分が死ぬべき運命にあることを知っている
お前たちは幼い頃、封印のために、ある役割を背負って死ぬことを命じられた
お前たちの人生はそれまでの猶予期間でしかないと」
濃密な死の気配が、私の首を締めにくる
否応なしに突き付けられたのは、現実だった
「お前たちはそれをひたすら隠してきた
仲間たちの自分を見る目が、変わってしまいそうだったから」
封印のために、私達は死ぬ
今こうして生きているのは、いずれ死ぬための猶予期間
それに抗えば、みんな死んでしまう
私達は――初めから、生まれた時から、何も無かった
何も、用意されていなかった
当たり前のように来る明日も、希望に溢れた未来も、何一つ
「安心しろ
生きるなどということに意味はない
お前たちは苦しまなくていい
生きるも死ぬも、大した問題ではない
お前たちは隠したいと思っている
なぜ自分が死ぬのか、それは、お前の大切な人間が原因だから――」
「黙れクソ野郎!!」
「うるさいっ!!」
ほとんど同時に、私と真弘はそう叫んでいた
剣を錬成し、ツヴァイに一直線に向かう
こいつは殺す
殺す殺す殺す!!
身体の底からこみあげる何かを叩きつけるかのように、炎が降り注ぐ
真弘が両手に竜巻を発生させ、それをツヴァイに押し当てた
ツヴァイは気にしていないのか、鎌の柄で真弘を突き飛ばす
瞬間、ツヴァイの足元に三重の円陣が現出し、爆ぜる
土煙から出てきたツヴァイは私に鎌を振り下ろし、けれどその姿はふっと消え
ツヴァイの首目掛けて、刀を振り下ろした
「殺せるものなら、殺してみなさいよ
ほら、あんたにとっちゃ簡単でしょ!?」
真弘の真空の剣が迫って、ツヴァイは一瞬で私の目の前から姿を消した
すれ違った私と真弘の頭上から、死神の鎌が迫る
「止まれ」
言霊が作用して、ツヴァイの動きがほんの一瞬だけ止まる
その一瞬で体勢を整えた真弘が鎌を受け止めた
こんなことじゃだめだ
頭の中でそう繰り返す
分かってる
分かっているのに、身体は思考とは真逆の行動をする
目の前の敵を殺そうと剣を振りかざす
繰り出される双方の刃を、死神の鎌はいとも簡単に受け止め、弾き返した
次第に息が上がってくる
真弘も呼吸が大きくなってきているし、汗も滝のようだ
(これ以上は、真弘の命が危ない)
一度取った間合いを、ツヴァイが詰める
クソッタレ、と悪態を吐いて迎え撃とうとした真弘が、ほんの一瞬だけくらりと揺れた
ツヴァイの顔に残忍な笑みが浮かぶ
そのとき、透明な何かがツヴァイに向かって走った
ツヴァイが避けたことで、私たちとの間に距離ができる
目に見えない、エネルギーの弾丸
例えるならそんなものだった
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