09 Field day!2
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体育祭まで残りわずか10日
もうすぐ6月になろうかというこの日
全体練習(という名の地獄の日々)が始まる
雨降らないかなぁ……
09 Field day!2
「わざわざこんな真昼間からやんなくてもさぁ……」
全体練習は5・6限
要するに、一番気温も上がって暑い時間
「夕歌、日焼け止めはどうした?」
「雨が降ってくれることを期待して持ってきてないの」
「朝っぱらから雲一つない天気だったのに?」
「成実にはわかるまい……
私がどれだけ体育祭が嫌いなのか!!」
「分かんなくていい!」
「分かれっ!
そしてみんなでストライキじゃぁぁあ!!」
「俺いち抜けー」
「夕歌殿!
始まってもいないのに嫌いだと決めつけるのはよくないでござる!
体育祭は完全燃焼してこそ意味があるのでござるぞ!」
「じゃあ幸村君、私の分まで完全燃焼してきてね」
「ぬあっ……!!
かような心構えではこの10日間は乗り切れませんぞ!」
うっうっ、今だけは幸村君の熱血さが暑苦しいよう……
「いやぁ……
まあ何とかなるよ
あ、かすがー
日焼け止め貸してー」
「ああ、いいぞ」
かすがに借りた日焼け止めを塗って、帽子と水筒、タオルを持った
「じゃあ、行こっか」
「おー」
本当にこの四人は男女の仲がいいと思う
それ以上に、1組の顔面偏差値お化けを3人も引き連れている私が怖い
ほんとこれいつか殺されそうなんだけど
「でもほんと佐助先輩ってさ……
みんなにオカンって思われてるんだね」
「なぜだ?」
「え、だってほら、生徒会で会計してるのに、赤ブロックの中でも会計じゃん」
「あ、ほんとだ」
「確かにあいつの節約術はすごいからな
松井●代にも負けてないだろう」
「松居一●って、船越英●郎の元嫁の?
あの人の節約術はすごいよね、確かに」
「ちょ、ごめん
伏せ字の多さどうにかしてくんねぇ?」
「そういえば、佐助先輩ってなんでセールにいたの?」
「セールが安上がりで済むと言っており申したが、それが何か?」
「いやだってさ、武田って超金持ちじゃん?
別にそこらの庶民みたいに安さを求めなくても……」
「……というか、成実は何をしているんだ?」
かすがが振り向いた先、成実は私たちのはるか後方にいた
「いいんだ
俺はBASARA界じゃ空気に等しい扱いだから
俺は空気になったんだ」
「もしかしてお前、さっきのツッコミがスルーされたことを根に持っているのか」
「いいんだよ
モブにはモブなりの生き様ってやつがあるから」
「香曾我部親泰は名前すらないが?」
「ごめんなさい!!」
「モブでも出ているだけマシだろう」
「うん……」
「何の話してるんだろうね?」
「某にもよく分かりませぬ……
モブとは何でござろうか……?」
「さあ……」
取り残され組2名
説明を求む
* * *
靴を履き替えて、グラウンドに出た
当然スーパー金持ち校なので、グラウンドの広さもアホみたいに広いわけなんだけど
「うおー……
いい天気だなーこりゃぁ……」
「絶好の運動日和でござる!」
「あはは、そういうこと思ってんのは幸村君だけだろうねぇー」
「謙信さま、かすがは練習にも全力で臨みます……!!」
「うぉぉぉおおお館さむぁぁぁああ!!!
この幸村、全力で全体練習に励みまするぅぅぅぁぁぁあああ!!!」
「こんな色の人とこんな色の人は放っといて早く行こう、成実」
「そうだな」
ブロックも違うから放っといて大丈夫だよね!
二人でそう判断して、青ブロックの集合場所へ向かった
「あ、政宗先輩!」
「おう、夕歌
成実もいたのか」
「同じクラスだからな
に、してもまた梵とおんなじブロックかよー
新鮮さがねぇなー」
「中学の時から同じブロックなんですか?」
「そうそう
俺もこいつも綱元も学院の中等部から持ち上がりなんだけど、またかぶっちまった」
「おかげで今年も優勝は俺たち青団が持って行けるってわけだ」
「ホント梵って体育祭じゃ負け知らずでさ」
「でも、今年は僕たち黄ブロックが優勝させてもらうよ」
唐突に降って沸いた声に思わず肩が跳ねた
背後にいたのは……竹中先輩
何となく久しぶりに見る気がする
「HA!
やってみやがれってんだ
テメェんとこに優勝トロフィーは渡さねぇよ、竹中半兵衛!」
「こうも闘争心むき出しだと受けて立たざるを得ないね……
優勝トロフィーはもちろんだけど……
夕歌君も一緒にもらっていこうかな」
「いやいや竹中先輩、夕歌君なんて賞はない……です……
……はい?
私ですか?」
なんで私が引き合いに出されなきゃいけないんだ?
というか、なんでさりげなくお持ち帰り宣言をされているんだ?
「政宗君の彼女なら諦めるけど、違うんだろう?」
「か、彼女ぉ!?
なんでそんな話になったんですか!?」
「知らなかったのかい?
けっこう有名な噂なんだよ、君と政宗君が付き合ってるんじゃないかってね」
「えええ!?
ちょっ、政宗先輩からも何か言ってくださいよ!!」
「……勝手にしろよ
俺の知ったことか」
「え、ちょ、今のは私、捨てられたんですか!?」
「いや、他人事には首つっこみたくないだけだと思う」
冷静な成実の一言に怒りがこみ上げた
先輩なので殴れないので、代わりに成実の足を踏んづけておく
後輩を見捨ててさっさと自分はどっか行くし!!
「何なんだあの先輩は……
とにかく竹中先輩、私の返事は『いいえ』ですから!
っていうかいきなり宣戦布告して訳わかんないこと言わないでください!!」
成実の手を引っ張って先輩を追いかける
「八つ当たりにされるとは思わなかった」
「成実が余計なこと言うからじゃん」
「元を正せば梵がお前を見捨てたからだろ!?」
「先輩は殴れないからどのみち成実が被害に遭ったのは変わりないですね!」
「梵のバカー!!」
* * *
「やれやれ……
ここまですれば少しは自覚してくれると思ったんだけど……
あの竜は相当鈍いみたいだね……
これは夕歌君も苦戦するかもしれないな……」
それはそれで見守り甲斐があるけど、と笑う
「鈍い、とは政宗様のことか?竹中」
鬼のように鋭い声に肩をすくめる
「政宗君以外に誰がいるんだい?綱元君
いるのなら教えてほしいものだね」
「ふっ……
己のことになるとまるきり疎いようだな」
「僕があの子に恋をしてるとでもいう気かい?
天地が裏返ってもあり得ないことだね
じゃあ僕は行くよ
もともとこの茶番は慶次君が発案だ
文句は彼に言ってくれたまえ」
そう言い残してその場を去る
「……前田慶次……
余計なことを……」
綱元君の恨みがましいような声が風に乗って聞こえてきた
黄ブロックの集合場所が見えてきて、こちらに手を振る慶次君に手を軽く振り返す
……綱元君の気持ちはよく分かっているけど、それでは面白みに欠けるだろう?
「なんて言ったら、彼は僕に激怒するだろうね……ふふっ」
あの澄ました顔が剥がれ落ちる瞬間を見てみたくはあるけど、さすがの僕もそこまで人の心が無いわけじゃない
今回の僕は、ただの愉快犯だ
もうすぐ6月になろうかというこの日
全体練習(という名の地獄の日々)が始まる
雨降らないかなぁ……
09 Field day!2
「わざわざこんな真昼間からやんなくてもさぁ……」
全体練習は5・6限
要するに、一番気温も上がって暑い時間
「夕歌、日焼け止めはどうした?」
「雨が降ってくれることを期待して持ってきてないの」
「朝っぱらから雲一つない天気だったのに?」
「成実にはわかるまい……
私がどれだけ体育祭が嫌いなのか!!」
「分かんなくていい!」
「分かれっ!
そしてみんなでストライキじゃぁぁあ!!」
「俺いち抜けー」
「夕歌殿!
始まってもいないのに嫌いだと決めつけるのはよくないでござる!
体育祭は完全燃焼してこそ意味があるのでござるぞ!」
「じゃあ幸村君、私の分まで完全燃焼してきてね」
「ぬあっ……!!
かような心構えではこの10日間は乗り切れませんぞ!」
うっうっ、今だけは幸村君の熱血さが暑苦しいよう……
「いやぁ……
まあ何とかなるよ
あ、かすがー
日焼け止め貸してー」
「ああ、いいぞ」
かすがに借りた日焼け止めを塗って、帽子と水筒、タオルを持った
「じゃあ、行こっか」
「おー」
本当にこの四人は男女の仲がいいと思う
それ以上に、1組の顔面偏差値お化けを3人も引き連れている私が怖い
ほんとこれいつか殺されそうなんだけど
「でもほんと佐助先輩ってさ……
みんなにオカンって思われてるんだね」
「なぜだ?」
「え、だってほら、生徒会で会計してるのに、赤ブロックの中でも会計じゃん」
「あ、ほんとだ」
「確かにあいつの節約術はすごいからな
松井●代にも負けてないだろう」
「松居一●って、船越英●郎の元嫁の?
あの人の節約術はすごいよね、確かに」
「ちょ、ごめん
伏せ字の多さどうにかしてくんねぇ?」
「そういえば、佐助先輩ってなんでセールにいたの?」
「セールが安上がりで済むと言っており申したが、それが何か?」
「いやだってさ、武田って超金持ちじゃん?
別にそこらの庶民みたいに安さを求めなくても……」
「……というか、成実は何をしているんだ?」
かすがが振り向いた先、成実は私たちのはるか後方にいた
「いいんだ
俺はBASARA界じゃ空気に等しい扱いだから
俺は空気になったんだ」
「もしかしてお前、さっきのツッコミがスルーされたことを根に持っているのか」
「いいんだよ
モブにはモブなりの生き様ってやつがあるから」
「香曾我部親泰は名前すらないが?」
「ごめんなさい!!」
「モブでも出ているだけマシだろう」
「うん……」
「何の話してるんだろうね?」
「某にもよく分かりませぬ……
モブとは何でござろうか……?」
「さあ……」
取り残され組2名
説明を求む
* * *
靴を履き替えて、グラウンドに出た
当然スーパー金持ち校なので、グラウンドの広さもアホみたいに広いわけなんだけど
「うおー……
いい天気だなーこりゃぁ……」
「絶好の運動日和でござる!」
「あはは、そういうこと思ってんのは幸村君だけだろうねぇー」
「謙信さま、かすがは練習にも全力で臨みます……!!」
「うぉぉぉおおお館さむぁぁぁああ!!!
この幸村、全力で全体練習に励みまするぅぅぅぁぁぁあああ!!!」
「こんな色の人とこんな色の人は放っといて早く行こう、成実」
「そうだな」
ブロックも違うから放っといて大丈夫だよね!
二人でそう判断して、青ブロックの集合場所へ向かった
「あ、政宗先輩!」
「おう、夕歌
成実もいたのか」
「同じクラスだからな
に、してもまた梵とおんなじブロックかよー
新鮮さがねぇなー」
「中学の時から同じブロックなんですか?」
「そうそう
俺もこいつも綱元も学院の中等部から持ち上がりなんだけど、またかぶっちまった」
「おかげで今年も優勝は俺たち青団が持って行けるってわけだ」
「ホント梵って体育祭じゃ負け知らずでさ」
「でも、今年は僕たち黄ブロックが優勝させてもらうよ」
唐突に降って沸いた声に思わず肩が跳ねた
背後にいたのは……竹中先輩
何となく久しぶりに見る気がする
「HA!
やってみやがれってんだ
テメェんとこに優勝トロフィーは渡さねぇよ、竹中半兵衛!」
「こうも闘争心むき出しだと受けて立たざるを得ないね……
優勝トロフィーはもちろんだけど……
夕歌君も一緒にもらっていこうかな」
「いやいや竹中先輩、夕歌君なんて賞はない……です……
……はい?
私ですか?」
なんで私が引き合いに出されなきゃいけないんだ?
というか、なんでさりげなくお持ち帰り宣言をされているんだ?
「政宗君の彼女なら諦めるけど、違うんだろう?」
「か、彼女ぉ!?
なんでそんな話になったんですか!?」
「知らなかったのかい?
けっこう有名な噂なんだよ、君と政宗君が付き合ってるんじゃないかってね」
「えええ!?
ちょっ、政宗先輩からも何か言ってくださいよ!!」
「……勝手にしろよ
俺の知ったことか」
「え、ちょ、今のは私、捨てられたんですか!?」
「いや、他人事には首つっこみたくないだけだと思う」
冷静な成実の一言に怒りがこみ上げた
先輩なので殴れないので、代わりに成実の足を踏んづけておく
後輩を見捨ててさっさと自分はどっか行くし!!
「何なんだあの先輩は……
とにかく竹中先輩、私の返事は『いいえ』ですから!
っていうかいきなり宣戦布告して訳わかんないこと言わないでください!!」
成実の手を引っ張って先輩を追いかける
「八つ当たりにされるとは思わなかった」
「成実が余計なこと言うからじゃん」
「元を正せば梵がお前を見捨てたからだろ!?」
「先輩は殴れないからどのみち成実が被害に遭ったのは変わりないですね!」
「梵のバカー!!」
* * *
「やれやれ……
ここまですれば少しは自覚してくれると思ったんだけど……
あの竜は相当鈍いみたいだね……
これは夕歌君も苦戦するかもしれないな……」
それはそれで見守り甲斐があるけど、と笑う
「鈍い、とは政宗様のことか?竹中」
鬼のように鋭い声に肩をすくめる
「政宗君以外に誰がいるんだい?綱元君
いるのなら教えてほしいものだね」
「ふっ……
己のことになるとまるきり疎いようだな」
「僕があの子に恋をしてるとでもいう気かい?
天地が裏返ってもあり得ないことだね
じゃあ僕は行くよ
もともとこの茶番は慶次君が発案だ
文句は彼に言ってくれたまえ」
そう言い残してその場を去る
「……前田慶次……
余計なことを……」
綱元君の恨みがましいような声が風に乗って聞こえてきた
黄ブロックの集合場所が見えてきて、こちらに手を振る慶次君に手を軽く振り返す
……綱元君の気持ちはよく分かっているけど、それでは面白みに欠けるだろう?
「なんて言ったら、彼は僕に激怒するだろうね……ふふっ」
あの澄ました顔が剥がれ落ちる瞬間を見てみたくはあるけど、さすがの僕もそこまで人の心が無いわけじゃない
今回の僕は、ただの愉快犯だ
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