47 不変
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前にも聞いたことある
同じ声
俺に助けを求める
あの日と同じ
お前の声
47 不変
悲鳴がこだまする
背筋が凍りついた
「登勢……っ
登勢!?」
頭の中が真っ白になる
どうしよう
そればかりが脳内を駆け巡る
階段を走って登った、その先に
男三人に絡まれる登勢がいた
「登勢ッ!!」
一気に登勢の腕を引いて引き寄せる
「怪我はねえか」
「うん……平気」
さっと登勢の身体を見て、どこにも怪我がないことを確認すると、一息ついた
「失せろ」
低く、ドスの利いた声で告げる
「なんだー?
彼氏様登場ってか」
ケラケラと笑いながら歩み寄ってくる奴ら
登勢を背後にやって、俺はそいつらを睨み付けた
「こんなヒョロヒョロした弱っちい彼氏に守れんのか!?」
「………」
男は3人、どうせ出来たとしてちゃちな喧嘩
対処できるか──なんて、考えるまでもない
ふぅ、と息を吐いて、身体から力を抜く
「はー?
失せろとかなんとか言っといてー?」
「オイオーイ、シケてんじゃねーよ!」
うるせーな、こいつら……
睨みつけたまま、けれど登勢は背後にしたまま
「なんか言えよオラッ!」
「成実君……ッ!!」
男の拳が眼前に迫ってくる
「成実君ッ!!」
登勢の悲鳴を聞きながら、俺は──
パシッ
拳をあっさりと受け止めていた
「え、なっ……」
「かっるい拳だなぁ」
慌てて男が拳を引こうとして、それも出来ずに焦り出す
そりゃそうだ、こちとらこういうのが本業だっつーのに
「散々大口叩いてこの程度か?」
「こ、このっ……!」
「ったく……誰が弱っちいって?
人を見た目で判断しちゃあ、痛い目見るぜッ!!」
男の手を離して、その瞬間
懐に潜り込んでボディに1発
間髪入れずに、男の鳩尾目掛けて蹴りを入れた
あっさりと吹っ飛んでいく男
「口ほどにもねえな
もうちょっとマシな奴はいねえのかよ」
「ッノヤロ!!」
横からの拳もひょいっとかわして、脇腹に蹴りを入れる
そのまま背後に迫っていた奴には肘を入れて、振り向きざまに回し蹴りで沈めた
さて、起き上がる元気な奴はいるだろうか
「今なら見逃してやる
これに懲りたら、そいつらをひっぱってどっか行ってろ
向かってくるんなら、今度は容赦しねーぞ」
追い払うように手を振って、男達に背を向ける
「怪我ねぇか?」
「成実君こそ……」
「俺ぁこういうのが仕事なんだから大丈夫だよ
むしろ物足りねぇくらいだ」
背後では、伸びた二人をひっぱって逃げて行く男
まったく……喧嘩を売る相手くらいは見極められねぇと話になりゃしねぇ
「はー……
それにしても疲れた……」
ベンチにどさっと腰を降ろして、「あーあ」とため息をつく
なんで楽しいデートの最後にこんな荒事が待っているのか……
隣に座った登勢が不安そうに俺を見つめてくるので、無理に笑うこともせずに手を繋がせてもらった
「成実君、大丈夫?」
「俺?
どこも怪我してねえよ
心配すんな」
安心させるように登勢の頭を撫でて、俺は視線を目の前に向けた
「登勢ー」
ん、と前を指さす
綺麗な夕日が、落ちていって
街が赤く色づいていく
この景色を見たら、カップルが結ばれる──なんてのは、正直言うと嘘くさいし、半分くらい信じてないけど
「前にも、こんなことあったよね」
登勢がポツリとつぶやく
「前……って」
「うん
まだ……私が亘理御前として、成実君のお嫁さんだった頃」
「お前……
あの時の記憶があるのか」
「さっき、思い出した」
夕日に照らされる登勢が綺麗で
あの時も
登勢と一緒に、城下に遊びに出てて
もうすぐ夕方って時に、俺が小高い丘に連れて行った
そしたらそこに風体の悪い奴らがいて
生憎俺は丸腰だっていう時で
まあ体術の心得があったから結局はこてんぱんにしてやったんだが
怖い思いさせただろうなってのはあって……
隣に座る登勢の肩を引き寄せる
「藤五郎様」
抱きついてきた登勢から、昔の俺の呼び名が聞こえてきた
同じ声
俺に助けを求める
あの日と同じ
お前の声
47 不変
悲鳴がこだまする
背筋が凍りついた
「登勢……っ
登勢!?」
頭の中が真っ白になる
どうしよう
そればかりが脳内を駆け巡る
階段を走って登った、その先に
男三人に絡まれる登勢がいた
「登勢ッ!!」
一気に登勢の腕を引いて引き寄せる
「怪我はねえか」
「うん……平気」
さっと登勢の身体を見て、どこにも怪我がないことを確認すると、一息ついた
「失せろ」
低く、ドスの利いた声で告げる
「なんだー?
彼氏様登場ってか」
ケラケラと笑いながら歩み寄ってくる奴ら
登勢を背後にやって、俺はそいつらを睨み付けた
「こんなヒョロヒョロした弱っちい彼氏に守れんのか!?」
「………」
男は3人、どうせ出来たとしてちゃちな喧嘩
対処できるか──なんて、考えるまでもない
ふぅ、と息を吐いて、身体から力を抜く
「はー?
失せろとかなんとか言っといてー?」
「オイオーイ、シケてんじゃねーよ!」
うるせーな、こいつら……
睨みつけたまま、けれど登勢は背後にしたまま
「なんか言えよオラッ!」
「成実君……ッ!!」
男の拳が眼前に迫ってくる
「成実君ッ!!」
登勢の悲鳴を聞きながら、俺は──
パシッ
拳をあっさりと受け止めていた
「え、なっ……」
「かっるい拳だなぁ」
慌てて男が拳を引こうとして、それも出来ずに焦り出す
そりゃそうだ、こちとらこういうのが本業だっつーのに
「散々大口叩いてこの程度か?」
「こ、このっ……!」
「ったく……誰が弱っちいって?
人を見た目で判断しちゃあ、痛い目見るぜッ!!」
男の手を離して、その瞬間
懐に潜り込んでボディに1発
間髪入れずに、男の鳩尾目掛けて蹴りを入れた
あっさりと吹っ飛んでいく男
「口ほどにもねえな
もうちょっとマシな奴はいねえのかよ」
「ッノヤロ!!」
横からの拳もひょいっとかわして、脇腹に蹴りを入れる
そのまま背後に迫っていた奴には肘を入れて、振り向きざまに回し蹴りで沈めた
さて、起き上がる元気な奴はいるだろうか
「今なら見逃してやる
これに懲りたら、そいつらをひっぱってどっか行ってろ
向かってくるんなら、今度は容赦しねーぞ」
追い払うように手を振って、男達に背を向ける
「怪我ねぇか?」
「成実君こそ……」
「俺ぁこういうのが仕事なんだから大丈夫だよ
むしろ物足りねぇくらいだ」
背後では、伸びた二人をひっぱって逃げて行く男
まったく……喧嘩を売る相手くらいは見極められねぇと話になりゃしねぇ
「はー……
それにしても疲れた……」
ベンチにどさっと腰を降ろして、「あーあ」とため息をつく
なんで楽しいデートの最後にこんな荒事が待っているのか……
隣に座った登勢が不安そうに俺を見つめてくるので、無理に笑うこともせずに手を繋がせてもらった
「成実君、大丈夫?」
「俺?
どこも怪我してねえよ
心配すんな」
安心させるように登勢の頭を撫でて、俺は視線を目の前に向けた
「登勢ー」
ん、と前を指さす
綺麗な夕日が、落ちていって
街が赤く色づいていく
この景色を見たら、カップルが結ばれる──なんてのは、正直言うと嘘くさいし、半分くらい信じてないけど
「前にも、こんなことあったよね」
登勢がポツリとつぶやく
「前……って」
「うん
まだ……私が亘理御前として、成実君のお嫁さんだった頃」
「お前……
あの時の記憶があるのか」
「さっき、思い出した」
夕日に照らされる登勢が綺麗で
あの時も
登勢と一緒に、城下に遊びに出てて
もうすぐ夕方って時に、俺が小高い丘に連れて行った
そしたらそこに風体の悪い奴らがいて
生憎俺は丸腰だっていう時で
まあ体術の心得があったから結局はこてんぱんにしてやったんだが
怖い思いさせただろうなってのはあって……
隣に座る登勢の肩を引き寄せる
「藤五郎様」
抱きついてきた登勢から、昔の俺の呼び名が聞こえてきた
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