04 違反者と風紀委員長
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私は逃げていた
それはもう、読んで字のごとく必死で逃げていた
風紀委員長という名の正義の味方から
「遅刻など最大の悪だぁぁぁああ!!
むぅあたんかぁぁああ!!!」
「イヤァァァァァァ!!!
誰かこの人止めてぇぇぇ!!!」
04 違反者と風紀委員長
結局足の遅さで捕まった
背後から「正義の名の下に貴様を削除するッ!悪!即!断!」とかいう声が聞こえた時には、背後からライダーキックが迫っていた
冗談抜きで死ぬかと思ったので、避けた自分の反射神経を手放しで褒めてやりたい
「なぜ遅刻をしたのだ!
10秒以内に答えろ!
さもなくば貴様を削除する!!」
遅刻だけで死亡フラグが立ちました
「電車が事故りました!
1時間足止め食らいました!」
「嘘をつくならばもっとましな嘘をつかんか!
バレバレだぞ!」
「ホントですよ!!
ちゃんと証拠もありますって!!」
「ならば見せてみよ!」
どこまでも上からな先輩だなこの野郎……
思わず握ってしまった拳を押さえつけて、カバンから駅で書いてもらった遅延証明書を取り出し、先輩の眼前に突きつける
「この証明書が目に入らぬか!!」と印籠さながらの掲げ方をしてしまった
「確かに今日の日付……
いいだろう、貴殿が悪でないことは証明された
急いで教室へ行くがいい
そもそも貴殿は奨学特待生、遅刻などという愚を犯すような者ではなかったな」
「あ、ありがとうございます
……って、なんで私が特待って知ってるんですか?」
この人とは初対面のはずだ、たぶん……私の記憶が正しければ……
「知らぬ者はおらん
この学院で唯一の特待生なのだからな
しかも庶民出身」
「庶民言うな庶民って!!
庶民バカにすんなよ!!
日本の人口のほとんどが庶民なんだぞ!!」
いちいち失礼な人だなこの人!
顔が良かったら何言ってもいいと思ってんのか!!チクショウ!!
「じゃあ私、教室行きますんで失礼します!」
そう言って風紀委員長さんに頭を下げて立ち去ろうとしたとき
「おっ?
へへっ、今日は間に合ったみてえだな!」
なんかすごい……見た目チャラい人が来た……
「貴様……前田慶次ッ!!!
何度言えば分かるのだ貴様はぁぁぁぁ!!!」
「げぇっ!
やっぱアウト!?」
「キキッ!?」
なんか猿がいた
……校則の中にペットの同伴は可って項目あったっけ
いや無かった気がする
まぁそれはさておき、どうやらこの人は遅刻の常習犯らしくて、風紀委員長さんも私の時以上に鼻息が荒くなっている
「まあまあ浅井さん
そんな怒るといい人が離れていくよ?」
「戯言をほざくなこの悪め!!」
「俺が悪者!?」
「制服はだらしなくシャツが出ている!
インナーのシャツは柄物、違反の靴下!
ほぼ毎日の遅刻に加え、猿を連れるだと!?
これのどこが悪でないというのだ!!」
校則違反のバーゲンセールだ……
先輩よく進級出来たなオイ
裏のコネか?そうなのか?
「夢吉はただの猿じゃないぜ!」
「とうとう頭がおかしくなったか」
「夢吉は俺の友達さ!」
「猿が友達とは悲しいな前田慶次」
暖かいはずの春の日に、やけに似つかわしくない冷たい空気が流れた気がした
いや、私はここにいる必要はないはずなんだけど……
そんなこんなをしているうちに、朝礼が終わるチャイムが鳴り響き
そして同時に
[3年1組 浅井長政君
今すぐ教室に戻りなさい]
風紀委員長が呼び出されるってどういうことなの……!!
そうだよね!ここで取り締まってるってことは先輩も朝礼に出てないってことだもんね!
すなわち先輩も遅刻扱いだった!
「くっ…!!
前田慶次は今すぐ進路指導室に直行しろ!!」
「えぇぇえ!!?」
「当然だ!!」
そう言い残し、浅井先輩は颯爽と校舎の中へ消えていった
まるで嵐のようだ……
「いやぁ、参った参った
どうするかねぇ……
ん、あんたまだいたのかぁ?」
「いえその、立ち去るに立ち去れなかったといいますか」
「あちゃぁ……変なとこ見せちまったなぁ
そんなことより、早く教室に行ったほうがいいぜ!」
「あ、はい!
失礼します」
慌てて鞄を肩にかけた時、カバンの外ポケットに入れていた学生証がぽてっと落ちてしまった
私が拾うより早く、遅刻魔先輩が拾ってくれて
「へえー!
あんたが噂の特待生か!」
「はあ……どうも……」
「俺は前田慶次ってんだ!
こいつが相棒の夢吉!
よろしくな!
困ったこととかあったらいつでも相談乗るよ!
じゃ、俺はお先に!」
学生証と共にイケメンの笑顔が降ってきた……
正直、イケメンに囲まれすぎて、見慣れてきている自分が恐ろしい
……ん?
というか、今私はさりげなーくナンパされたのか?
違うよね……違ってくれ!
それはもう、読んで字のごとく必死で逃げていた
風紀委員長という名の正義の味方から
「遅刻など最大の悪だぁぁぁああ!!
むぅあたんかぁぁああ!!!」
「イヤァァァァァァ!!!
誰かこの人止めてぇぇぇ!!!」
04 違反者と風紀委員長
結局足の遅さで捕まった
背後から「正義の名の下に貴様を削除するッ!悪!即!断!」とかいう声が聞こえた時には、背後からライダーキックが迫っていた
冗談抜きで死ぬかと思ったので、避けた自分の反射神経を手放しで褒めてやりたい
「なぜ遅刻をしたのだ!
10秒以内に答えろ!
さもなくば貴様を削除する!!」
遅刻だけで死亡フラグが立ちました
「電車が事故りました!
1時間足止め食らいました!」
「嘘をつくならばもっとましな嘘をつかんか!
バレバレだぞ!」
「ホントですよ!!
ちゃんと証拠もありますって!!」
「ならば見せてみよ!」
どこまでも上からな先輩だなこの野郎……
思わず握ってしまった拳を押さえつけて、カバンから駅で書いてもらった遅延証明書を取り出し、先輩の眼前に突きつける
「この証明書が目に入らぬか!!」と印籠さながらの掲げ方をしてしまった
「確かに今日の日付……
いいだろう、貴殿が悪でないことは証明された
急いで教室へ行くがいい
そもそも貴殿は奨学特待生、遅刻などという愚を犯すような者ではなかったな」
「あ、ありがとうございます
……って、なんで私が特待って知ってるんですか?」
この人とは初対面のはずだ、たぶん……私の記憶が正しければ……
「知らぬ者はおらん
この学院で唯一の特待生なのだからな
しかも庶民出身」
「庶民言うな庶民って!!
庶民バカにすんなよ!!
日本の人口のほとんどが庶民なんだぞ!!」
いちいち失礼な人だなこの人!
顔が良かったら何言ってもいいと思ってんのか!!チクショウ!!
「じゃあ私、教室行きますんで失礼します!」
そう言って風紀委員長さんに頭を下げて立ち去ろうとしたとき
「おっ?
へへっ、今日は間に合ったみてえだな!」
なんかすごい……見た目チャラい人が来た……
「貴様……前田慶次ッ!!!
何度言えば分かるのだ貴様はぁぁぁぁ!!!」
「げぇっ!
やっぱアウト!?」
「キキッ!?」
なんか猿がいた
……校則の中にペットの同伴は可って項目あったっけ
いや無かった気がする
まぁそれはさておき、どうやらこの人は遅刻の常習犯らしくて、風紀委員長さんも私の時以上に鼻息が荒くなっている
「まあまあ浅井さん
そんな怒るといい人が離れていくよ?」
「戯言をほざくなこの悪め!!」
「俺が悪者!?」
「制服はだらしなくシャツが出ている!
インナーのシャツは柄物、違反の靴下!
ほぼ毎日の遅刻に加え、猿を連れるだと!?
これのどこが悪でないというのだ!!」
校則違反のバーゲンセールだ……
先輩よく進級出来たなオイ
裏のコネか?そうなのか?
「夢吉はただの猿じゃないぜ!」
「とうとう頭がおかしくなったか」
「夢吉は俺の友達さ!」
「猿が友達とは悲しいな前田慶次」
暖かいはずの春の日に、やけに似つかわしくない冷たい空気が流れた気がした
いや、私はここにいる必要はないはずなんだけど……
そんなこんなをしているうちに、朝礼が終わるチャイムが鳴り響き
そして同時に
[3年1組 浅井長政君
今すぐ教室に戻りなさい]
風紀委員長が呼び出されるってどういうことなの……!!
そうだよね!ここで取り締まってるってことは先輩も朝礼に出てないってことだもんね!
すなわち先輩も遅刻扱いだった!
「くっ…!!
前田慶次は今すぐ進路指導室に直行しろ!!」
「えぇぇえ!!?」
「当然だ!!」
そう言い残し、浅井先輩は颯爽と校舎の中へ消えていった
まるで嵐のようだ……
「いやぁ、参った参った
どうするかねぇ……
ん、あんたまだいたのかぁ?」
「いえその、立ち去るに立ち去れなかったといいますか」
「あちゃぁ……変なとこ見せちまったなぁ
そんなことより、早く教室に行ったほうがいいぜ!」
「あ、はい!
失礼します」
慌てて鞄を肩にかけた時、カバンの外ポケットに入れていた学生証がぽてっと落ちてしまった
私が拾うより早く、遅刻魔先輩が拾ってくれて
「へえー!
あんたが噂の特待生か!」
「はあ……どうも……」
「俺は前田慶次ってんだ!
こいつが相棒の夢吉!
よろしくな!
困ったこととかあったらいつでも相談乗るよ!
じゃ、俺はお先に!」
学生証と共にイケメンの笑顔が降ってきた……
正直、イケメンに囲まれすぎて、見慣れてきている自分が恐ろしい
……ん?
というか、今私はさりげなーくナンパされたのか?
違うよね……違ってくれ!
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