33 疑い
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学校が始まって最初の週末
今日はかすがとショッピング
「あれは……独眼竜だな」
「あ、本当だ
……ってあれ、隣にいるのって……」
すごくかわいい女の子……
それもすっごく仲良さげ……
「まさか、浮気か?」
「いやいや、まさか
あの先輩に限ってそれはない!」
……あれ、ないって信じていいんですよね?
先輩!?
33 疑い
「んで?
梵が?
浮気かって?」
そして週明けの月曜日
なんとなく気になった私は、成実にそれとなく聞いてみた
なんで成実かって言うと、政宗先輩と一番親しそうだから
と思ったんだけど……
「お前さあ……
つかもう俺暴れていい?」
「いやなんで」
「そろそろ嫌気がさしてきた
お前らのバカップルぶりに」
「こっちは真剣なんですが」
「うん、だから
あいつに限って浮気とか絶っっ対ない!!
もう命すらかけてもいいぜ俺」
「でもさ……」
そこで初めて、成実はまともに話を聞く気になってくれたようだった
「昨日、女の人と一緒にいるに見たんだよねー……」
「昨日……」
成実が複雑そうな顔つきになる
「……ま、梵に直接聞いてみろよ
その方が早いだろ」
そう言って教室を出て行ってしまった
「何か知っているようでござるな……」
「昨日の女は、知っているぞ」
「え、そうなのかすが?」
「まぁ、正体は独眼竜に直接聞いてもいいと思うが」
「かすがまでー……」
かすがまでが謎の含み笑いを見せて教室を出て行った
「気になる……」
「うむ……
しかし、政宗殿がそうたやすく女子を捨てるとは……」
幸村君が顎に手を当てて考えながらそう言ってくれる
私もそれは……信じたいけど
「某が首を突っ込むのは野暮というもの」
「うん……」
「ここは佐助に確かめてきてもらいましょうぞ!!」
「ちょっと待てどうしてそうなった」
それこそ本物の野暮ってもんだよ幸村君
まあ当然、彼がそのことに気付くはずもなく
本気で佐助先輩の力を借りようとしていたので必死に止める羽目になった
悶々とした気分で部活に行くことになってしまって、ため息をつく
「もー、何でみんなはぐらかすのかなー」
独り言にしてはかなり大きい声だけど気にしない
だって一人だもん
「はぐらかすって?」
「政宗先輩と一緒にいた女の人のことですよ!」
「竜の旦那と一緒にいた女の人?」
「みんな知ってるはずなのに教えてくれないんですよ!」
「へー、嫉妬してるんだ?」
「なっ、んなわけ……っ!
………って、あれ?」
私、誰と会話してたの今
「やっほー、夕歌ちゃん」
「さささ佐助先輩!!?」
「いやそんなに驚かなくても」
「いつからいました!?」
「うん?
最初から」
穴があったら入りたい
日の光がなくなるところまで潜りたい
「私に何か御用ですか?」
「ううん、特にそんなんじゃないけど
あ、成ちゃん元気?」
「へ?
成実なら今日もうるさいくらいですけど……」
「あはは、やっぱりー?
ま、成ちゃんには元気でいてもらわなきゃね」
「……?
確かに、成実が静かだとちょっと不気味ですもんね」
「夕歌ちゃんもけっこう言うね……」
「佐助先輩に言われたくないです」
……何だろう
時々、佐助先輩が、私の知る佐助先輩じゃないようなときがある
うまく言い表せないけど……
敵意とはまた違ったような、けれど決して好意的ではない感情が……
「そう言えば……
佐助先輩って、政宗先輩とは仲が悪いですけど、片倉先生とかとは仲が良いんですね」
「あはは、そう見える?
まーね、右目の旦那も成ちゃんも、あと鬼庭の旦那にも、嫌いって感情は無いかな」
「仲が良いとも言えない?」
「うーん、どうだろうね
あの人らがどんだけ真正面から俺様と接してくれてるかは分かんないわけだし」
「………」
「忘れそうになるけど、あの三人は竜の旦那の『護衛』だからね
……本音で付き合ってくれることなんて、まず無いと思っていいよ」
「そ……うですよね」
そんなことはない、とは言い切れなかった
私も感じている、成実や綱元先輩との隔たり
それは私を危険から守るためとかではなくて……
まるで本当の自分を見られたくないかのような、固い殻
それに寂しさを感じているのは事実だ
……でも、私がそれを知ってしまうってことは、私が危険な目に遭ったときってことだと思うから
たぶん私は、知らないままのほうが幸せなんだと思う
今日はかすがとショッピング
「あれは……独眼竜だな」
「あ、本当だ
……ってあれ、隣にいるのって……」
すごくかわいい女の子……
それもすっごく仲良さげ……
「まさか、浮気か?」
「いやいや、まさか
あの先輩に限ってそれはない!」
……あれ、ないって信じていいんですよね?
先輩!?
33 疑い
「んで?
梵が?
浮気かって?」
そして週明けの月曜日
なんとなく気になった私は、成実にそれとなく聞いてみた
なんで成実かって言うと、政宗先輩と一番親しそうだから
と思ったんだけど……
「お前さあ……
つかもう俺暴れていい?」
「いやなんで」
「そろそろ嫌気がさしてきた
お前らのバカップルぶりに」
「こっちは真剣なんですが」
「うん、だから
あいつに限って浮気とか絶っっ対ない!!
もう命すらかけてもいいぜ俺」
「でもさ……」
そこで初めて、成実はまともに話を聞く気になってくれたようだった
「昨日、女の人と一緒にいるに見たんだよねー……」
「昨日……」
成実が複雑そうな顔つきになる
「……ま、梵に直接聞いてみろよ
その方が早いだろ」
そう言って教室を出て行ってしまった
「何か知っているようでござるな……」
「昨日の女は、知っているぞ」
「え、そうなのかすが?」
「まぁ、正体は独眼竜に直接聞いてもいいと思うが」
「かすがまでー……」
かすがまでが謎の含み笑いを見せて教室を出て行った
「気になる……」
「うむ……
しかし、政宗殿がそうたやすく女子を捨てるとは……」
幸村君が顎に手を当てて考えながらそう言ってくれる
私もそれは……信じたいけど
「某が首を突っ込むのは野暮というもの」
「うん……」
「ここは佐助に確かめてきてもらいましょうぞ!!」
「ちょっと待てどうしてそうなった」
それこそ本物の野暮ってもんだよ幸村君
まあ当然、彼がそのことに気付くはずもなく
本気で佐助先輩の力を借りようとしていたので必死に止める羽目になった
悶々とした気分で部活に行くことになってしまって、ため息をつく
「もー、何でみんなはぐらかすのかなー」
独り言にしてはかなり大きい声だけど気にしない
だって一人だもん
「はぐらかすって?」
「政宗先輩と一緒にいた女の人のことですよ!」
「竜の旦那と一緒にいた女の人?」
「みんな知ってるはずなのに教えてくれないんですよ!」
「へー、嫉妬してるんだ?」
「なっ、んなわけ……っ!
………って、あれ?」
私、誰と会話してたの今
「やっほー、夕歌ちゃん」
「さささ佐助先輩!!?」
「いやそんなに驚かなくても」
「いつからいました!?」
「うん?
最初から」
穴があったら入りたい
日の光がなくなるところまで潜りたい
「私に何か御用ですか?」
「ううん、特にそんなんじゃないけど
あ、成ちゃん元気?」
「へ?
成実なら今日もうるさいくらいですけど……」
「あはは、やっぱりー?
ま、成ちゃんには元気でいてもらわなきゃね」
「……?
確かに、成実が静かだとちょっと不気味ですもんね」
「夕歌ちゃんもけっこう言うね……」
「佐助先輩に言われたくないです」
……何だろう
時々、佐助先輩が、私の知る佐助先輩じゃないようなときがある
うまく言い表せないけど……
敵意とはまた違ったような、けれど決して好意的ではない感情が……
「そう言えば……
佐助先輩って、政宗先輩とは仲が悪いですけど、片倉先生とかとは仲が良いんですね」
「あはは、そう見える?
まーね、右目の旦那も成ちゃんも、あと鬼庭の旦那にも、嫌いって感情は無いかな」
「仲が良いとも言えない?」
「うーん、どうだろうね
あの人らがどんだけ真正面から俺様と接してくれてるかは分かんないわけだし」
「………」
「忘れそうになるけど、あの三人は竜の旦那の『護衛』だからね
……本音で付き合ってくれることなんて、まず無いと思っていいよ」
「そ……うですよね」
そんなことはない、とは言い切れなかった
私も感じている、成実や綱元先輩との隔たり
それは私を危険から守るためとかではなくて……
まるで本当の自分を見られたくないかのような、固い殻
それに寂しさを感じているのは事実だ
……でも、私がそれを知ってしまうってことは、私が危険な目に遭ったときってことだと思うから
たぶん私は、知らないままのほうが幸せなんだと思う
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