24 文化祭!-3-
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十一月三日
世間はいわゆる文化の日
そして、我が婆裟羅学院は……
待ちに待った文化祭なのです!!
いや嘘、待ってない
早く終われと切に願う
23 文化祭!!-3-
学院の文化祭は前夜祭、本祭、後夜祭の三日に分けて行われ
後夜祭のフィナーレは、世界一の称号を得る花火師による500発の打ち上げ花火
某有名海外少年合唱団だって呼ぶんだぜ……
──そんな中、学年トップの頭脳を誇る我らが1年1組の模擬店は大繁盛だった
「成実 !
このデザート8番テーブル!」
「おう……じゃなくて、はい!」
模擬店のコンセプトは男女逆転
それにしたがって源氏名も女子は男仕様、男子は女仕様になっている
ちなみに、成実は面倒くさかったからそのままなるみ呼びにした
「夕歌……じゃなかった!
颯哉 !!」
どうしてこうもこいつは女物の服が似合うのか、伊達成実よ……
もちろんちゃんと筋肉はついてるし、割と体系的にはガッチリしてる方なんだけど、それはもうデザイナーさんの腕というやつだ
「9番テーブルオーダー入ります!」
「了解!
秋人、これ5番に」
「ああ」
まぁ、ちなみに今の秋人はかすがなわけなんですが
スーツ似合ってんなあ……
とはいえ、似合っている子なんてのは本当に一部で、大勢の男子が醜態を晒している
いつからここは公開処刑場になったんだろう
成実と幸村君は別次元というか、似合わないはずがないレベルというか……
特に幸村君なんてもはや女子に勘違いされてる
分かる分かる、幸村君って可愛いよね
ちなみに親泰君に着せたいと言ったところ、今までで一番の反発にあってしまった
似合うと思うんだけどな!
それはそれとして、私が店に出ると狂喜の雨嵐になったので、私は裏方に徹してる
この歓声は永遠に慣れるもんじゃないよ……
慣れたら私の何かが終わる気がする
ふと入口が騒がしくなって、裏口からそっと覗き見ると
「うげっ……」
見知った顔ご来店だ……
誰かってーと……
「歓声ですぐ分かるよな、梵が来たって」
「うん……」
「ご丁寧に笑顔のサービスまでしやがってよ……」
「まあまあ……」
成実がキレそう……
「なに、従兄弟に嫉妬してんの?」
「嫉妬じゃねーよ
ウザいだけだ」
「おお……
清々しいくらいバッサリと……」
指名とかないといいんだけどな
まあ、源氏名は教えてないから指名のしようはないと思うけど……
と思った矢先、先輩の唇は確かにこう動いた
「颯哉を頼む」
何で知ってんだぁぁぁぁぁああ!!!!!!
* * *
「……どうも」
あの後、オーダーを取ったかすがに「指名入ったぞ……」と言われ
政宗先輩&佐助先輩という、ある意味面倒なコンビのテーブルに行く羽目になった
「結構繁盛してるねえ、夕歌ちゃん」
「颯哉です
おかげさまで」
「男姿も様になってるじゃねえか」
「はは……ありがとうございます……」
は や く も ど ら せ て
先輩方に視線で訴えてみると
佐助先輩はスルー、政宗先輩は視線を反らした
この二人あとで殺す
「ご注文はお決まりですか?」
「あ、俺様オレンジ」
「俺はソーダな」
「他には?」
「「なし」」
オーダーを取って裏にいた子に渡す
「これさあ、私が持ってかなきゃダメかな…?」
「ダメだと思うよ?」
「ですよねー……」
笑顔で斬り捨てられたし……チクショウ……
「颯哉、はい
オレンジとソーダ
颯哉のお得意様なんだし、無下にはできないっしょ」
「お得意様じゃないし……ただの先輩だし……」
ため息をついて先輩のテーブルに持って行く
いやもう、出来ることならこれを持ったまま奥に下がりたい
「ご注文の品です
どうぞごゆっくり」
「Thanks.」
「ありがとー」
立ち去ろうとした時、手首を掴まれる
多分掴んでるの政宗先輩だな……
「何か……?」
笑顔で背後に修羅を出してあげた
「「いや、何もないです……」」
「そうですか、どうぞ、ごゆっくり」
そう言い残して裏に戻る
お盆を置いて一言
「もう表には出ないからね!」
「ああ、分かっている」
かすがが苦笑いをして、表へと料理を持っていく
「けど夕歌……
今んとこ指名率はお前がぶっちぎりなんだけど」
「それ、私が奥に引っ込んでからの分も入れてるでしょ
だってそんなに相手した記憶ないもん」
「断るこっちの身にもなれってんだよ……
……ん?」
表から非難の声が上がった
相手をしてるのは……幸村君だ
「えっと……まずくない?」
「うん、かなりまずいと思われるな……
幸村ってああいう状況が一番苦手だと思うし……」
「ちなみに何で揉めてると思う?」
「十中八九お前が接客しないこと」
「ですよねー」
仕方ない、私が出るしかないか……
そう決めて、ため息をつきつつ裏から出た
世間はいわゆる文化の日
そして、我が婆裟羅学院は……
待ちに待った文化祭なのです!!
いや嘘、待ってない
早く終われと切に願う
23 文化祭!!-3-
学院の文化祭は前夜祭、本祭、後夜祭の三日に分けて行われ
後夜祭のフィナーレは、世界一の称号を得る花火師による500発の打ち上げ花火
某有名海外少年合唱団だって呼ぶんだぜ……
──そんな中、学年トップの頭脳を誇る我らが1年1組の模擬店は大繁盛だった
「
このデザート8番テーブル!」
「おう……じゃなくて、はい!」
模擬店のコンセプトは男女逆転
それにしたがって源氏名も女子は男仕様、男子は女仕様になっている
ちなみに、成実は面倒くさかったからそのままなるみ呼びにした
「夕歌……じゃなかった!
どうしてこうもこいつは女物の服が似合うのか、伊達成実よ……
もちろんちゃんと筋肉はついてるし、割と体系的にはガッチリしてる方なんだけど、それはもうデザイナーさんの腕というやつだ
「9番テーブルオーダー入ります!」
「了解!
秋人、これ5番に」
「ああ」
まぁ、ちなみに今の秋人はかすがなわけなんですが
スーツ似合ってんなあ……
とはいえ、似合っている子なんてのは本当に一部で、大勢の男子が醜態を晒している
いつからここは公開処刑場になったんだろう
成実と幸村君は別次元というか、似合わないはずがないレベルというか……
特に幸村君なんてもはや女子に勘違いされてる
分かる分かる、幸村君って可愛いよね
ちなみに親泰君に着せたいと言ったところ、今までで一番の反発にあってしまった
似合うと思うんだけどな!
それはそれとして、私が店に出ると狂喜の雨嵐になったので、私は裏方に徹してる
この歓声は永遠に慣れるもんじゃないよ……
慣れたら私の何かが終わる気がする
ふと入口が騒がしくなって、裏口からそっと覗き見ると
「うげっ……」
見知った顔ご来店だ……
誰かってーと……
「歓声ですぐ分かるよな、梵が来たって」
「うん……」
「ご丁寧に笑顔のサービスまでしやがってよ……」
「まあまあ……」
成実がキレそう……
「なに、従兄弟に嫉妬してんの?」
「嫉妬じゃねーよ
ウザいだけだ」
「おお……
清々しいくらいバッサリと……」
指名とかないといいんだけどな
まあ、源氏名は教えてないから指名のしようはないと思うけど……
と思った矢先、先輩の唇は確かにこう動いた
「颯哉を頼む」
何で知ってんだぁぁぁぁぁああ!!!!!!
* * *
「……どうも」
あの後、オーダーを取ったかすがに「指名入ったぞ……」と言われ
政宗先輩&佐助先輩という、ある意味面倒なコンビのテーブルに行く羽目になった
「結構繁盛してるねえ、夕歌ちゃん」
「颯哉です
おかげさまで」
「男姿も様になってるじゃねえか」
「はは……ありがとうございます……」
は や く も ど ら せ て
先輩方に視線で訴えてみると
佐助先輩はスルー、政宗先輩は視線を反らした
この二人あとで殺す
「ご注文はお決まりですか?」
「あ、俺様オレンジ」
「俺はソーダな」
「他には?」
「「なし」」
オーダーを取って裏にいた子に渡す
「これさあ、私が持ってかなきゃダメかな…?」
「ダメだと思うよ?」
「ですよねー……」
笑顔で斬り捨てられたし……チクショウ……
「颯哉、はい
オレンジとソーダ
颯哉のお得意様なんだし、無下にはできないっしょ」
「お得意様じゃないし……ただの先輩だし……」
ため息をついて先輩のテーブルに持って行く
いやもう、出来ることならこれを持ったまま奥に下がりたい
「ご注文の品です
どうぞごゆっくり」
「Thanks.」
「ありがとー」
立ち去ろうとした時、手首を掴まれる
多分掴んでるの政宗先輩だな……
「何か……?」
笑顔で背後に修羅を出してあげた
「「いや、何もないです……」」
「そうですか、どうぞ、ごゆっくり」
そう言い残して裏に戻る
お盆を置いて一言
「もう表には出ないからね!」
「ああ、分かっている」
かすがが苦笑いをして、表へと料理を持っていく
「けど夕歌……
今んとこ指名率はお前がぶっちぎりなんだけど」
「それ、私が奥に引っ込んでからの分も入れてるでしょ
だってそんなに相手した記憶ないもん」
「断るこっちの身にもなれってんだよ……
……ん?」
表から非難の声が上がった
相手をしてるのは……幸村君だ
「えっと……まずくない?」
「うん、かなりまずいと思われるな……
幸村ってああいう状況が一番苦手だと思うし……」
「ちなみに何で揉めてると思う?」
「十中八九お前が接客しないこと」
「ですよねー」
仕方ない、私が出るしかないか……
そう決めて、ため息をつきつつ裏から出た
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