23 文化祭!-2-
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文化祭まで一ヶ月となった今日
ようやく松葉杖から解放された
ちなみにいうと……
剣道の新人戦は、うちの学校が全国制覇しそうらしいです
うちの学校の剣道部ってチートの集まりなのか……
23 文化祭!!-2-
カツカツとチョークの音が教室内に響く
「──ここでメネラウスの定理を用いてだな……」
シャーペンで図形をなぞって比の式を作っていく
さっさと解き終わった私は、コロコロとシャーペンを転がした
風の冷たさに身体が震える
秋の深まりを感じるなぁと思いながら、窓際の子に頼んで窓を閉めてもらった
駅が近いこの学院は、遠くから電車が走る音も聞こえてくる
「さすがだな斎藤
この難問が解けたのはお前だけだ」
「あはは、どうも……」
むしろ解けなかったらこの学院にいられなくなる
私にとっては解けて当然でなければならないのだ
ふと壁際を見ると、立てかけてある竹刀
それは成実のものだけど
「はぁ……」
ため息をつくと、後ろからつつかれた
「いった……
何すんの、成実」
「何すんのじゃねーよ
朝から重い溜息つきやがって
テンション下がるじゃねえか」
頬杖をついて呆れ顔でそう言われて、私も口を尖らせる
「いいじゃん別に
だってまだ剣道出来ないんだもん
ため息だって出るに決まってるじゃん」
「つくなっつの
もうちょっとの辛抱だろーが」
「……あと一ヶ月かかるんだって」
そう言ってやれば、成実は口を閉ざした
「そこからまた感覚を取り戻して、元の強さに戻るのに3ヶ月くらい
……半年はかかるんだよ」
「あ、いや……
ごめん……」
表情を暗くした成実の鼻を引っ張る
「んぁっ!?」
「なーにしょげ込んでるわけ?
別に成実のせいじゃないんだしさ」
「けどよ……」
「いいの、いずれは再開できるんだから」
これ以上話をすると、先生から注意を受けそうだったからやめておく
ついでに言うと成実もこの難問は解けていた
そうだった、こう見えて成実って勉強できるんだった
「言っとくけど、成実が責任感じることとか一つもないからね?」
「……さっさと治せよ」
低く囁くように言われた声がどこか政宗先輩っぽくて
やっぱ似てるなあ……と思うと笑いが込み上げてきた
う、やっぱりまだ痛い
「何笑ってんだよ」
「何も……」
そう呟くと、今度はシャーペンのノックの方で小突かれた
* * *
さて、放課後が到来
ここ最近助っ人で出入りしている美術部に行こうと思って、バッグを肩にかけた
忘れ物がないか、少ししゃがんで机の中を確認
「うん、忘れ物なし」
そう言って立ち上がった時
「えっ、わっ!」
いきなり目隠しされた
「だーれでしょ?」
この声は……
「佐助先輩!」
「ぶっぶー!
残念だったね夕歌ちゃん」
「え、どう聞いたって佐助先輩……」
後ろを振り返ると
「答えは風魔でした!」
「あー!
それはズルいです!!」
つまり、目隠しは小太郎先輩、聞いてきたのは佐助先輩、と言うことだ
「あはは、怒った顔も可愛いー」
「からかってるんですか?」
「ごめんってば
生徒会の集まりがあるから呼びに来たの
そしたらちょっとからかいたくなっちゃった」
どういうことだろう、ていうかそんな理由でからかわないでほしい
「生徒会の集まりがあるんですか」
「うん
文化祭の展示をどうするか話し合いたいって、竜の旦那がね」
「展示……?
生徒会も何かするんですか?」
「まあ保護者受けがいいものしか作ってないけどね、毎年」
大人の事情をあっさりとバラしてくれてありがとうございます
まあ生徒会が作るものなんて、どこの高校もそんなものだとは思うが
「でも今年はどうなるか分かんないよ?
なんたって生徒会長はあの伊達政宗だから」
「政宗先輩って有名なんですか?」
「んー、有名っちゃあ有名かな?」
賛同するように小太郎先輩がこくりと頷いた
「高校二年にして次期社長の座をつかみ取ってるからね、あの人
まっ、それには右目の旦那とか成ちゃんとか鬼庭の旦那が尽力してたからなわけだけど」
そろそろ何者なのか分からなくなってきた、成実と綱元先輩……
ただの従兄弟とお目付け役じゃないよね絶対
「成実ってでも……
クラスの中でも特別頭がいいわけじゃないですけど……
まあこのクラスにいる時点で周りよりは頭いいんでしょうけど」
うん、クラスの真ん中ちょい上くらいだもん
「成ちゃんってああ見えて頭の回転と先を読む能力はすごいんだよね」
「え、そうなんですか!?」
「まあ綱元は……
言わなくても分かるかな
アイツの得意分野は精神攻撃だから」
「知ってます」
うまく本性隠してるよね綱元先輩って……
器用な人だ……
「っと、そろそろ行かないと竜の旦那が怒るかも」
佐助先輩の言葉を合図に、小太郎先輩がヒョイと私を抱き上げた
いわゆる、お姫様抱っこ
「小太郎先輩!!?」
「あ、バッグは俺様が持ってくから心配いらないよ?」
「そういう問題じゃなっ……!」
反論するより早く小太郎先輩は廊下を走り出した
ギネス越えのスピードだった気がする
っていうかギネスが鼻で笑えるくらい速かった
それについてきてる佐助先輩も軽く人間を超越してると思う
かすがといい先輩達といい、何者なんだろうか
ようやく松葉杖から解放された
ちなみにいうと……
剣道の新人戦は、うちの学校が全国制覇しそうらしいです
うちの学校の剣道部ってチートの集まりなのか……
23 文化祭!!-2-
カツカツとチョークの音が教室内に響く
「──ここでメネラウスの定理を用いてだな……」
シャーペンで図形をなぞって比の式を作っていく
さっさと解き終わった私は、コロコロとシャーペンを転がした
風の冷たさに身体が震える
秋の深まりを感じるなぁと思いながら、窓際の子に頼んで窓を閉めてもらった
駅が近いこの学院は、遠くから電車が走る音も聞こえてくる
「さすがだな斎藤
この難問が解けたのはお前だけだ」
「あはは、どうも……」
むしろ解けなかったらこの学院にいられなくなる
私にとっては解けて当然でなければならないのだ
ふと壁際を見ると、立てかけてある竹刀
それは成実のものだけど
「はぁ……」
ため息をつくと、後ろからつつかれた
「いった……
何すんの、成実」
「何すんのじゃねーよ
朝から重い溜息つきやがって
テンション下がるじゃねえか」
頬杖をついて呆れ顔でそう言われて、私も口を尖らせる
「いいじゃん別に
だってまだ剣道出来ないんだもん
ため息だって出るに決まってるじゃん」
「つくなっつの
もうちょっとの辛抱だろーが」
「……あと一ヶ月かかるんだって」
そう言ってやれば、成実は口を閉ざした
「そこからまた感覚を取り戻して、元の強さに戻るのに3ヶ月くらい
……半年はかかるんだよ」
「あ、いや……
ごめん……」
表情を暗くした成実の鼻を引っ張る
「んぁっ!?」
「なーにしょげ込んでるわけ?
別に成実のせいじゃないんだしさ」
「けどよ……」
「いいの、いずれは再開できるんだから」
これ以上話をすると、先生から注意を受けそうだったからやめておく
ついでに言うと成実もこの難問は解けていた
そうだった、こう見えて成実って勉強できるんだった
「言っとくけど、成実が責任感じることとか一つもないからね?」
「……さっさと治せよ」
低く囁くように言われた声がどこか政宗先輩っぽくて
やっぱ似てるなあ……と思うと笑いが込み上げてきた
う、やっぱりまだ痛い
「何笑ってんだよ」
「何も……」
そう呟くと、今度はシャーペンのノックの方で小突かれた
* * *
さて、放課後が到来
ここ最近助っ人で出入りしている美術部に行こうと思って、バッグを肩にかけた
忘れ物がないか、少ししゃがんで机の中を確認
「うん、忘れ物なし」
そう言って立ち上がった時
「えっ、わっ!」
いきなり目隠しされた
「だーれでしょ?」
この声は……
「佐助先輩!」
「ぶっぶー!
残念だったね夕歌ちゃん」
「え、どう聞いたって佐助先輩……」
後ろを振り返ると
「答えは風魔でした!」
「あー!
それはズルいです!!」
つまり、目隠しは小太郎先輩、聞いてきたのは佐助先輩、と言うことだ
「あはは、怒った顔も可愛いー」
「からかってるんですか?」
「ごめんってば
生徒会の集まりがあるから呼びに来たの
そしたらちょっとからかいたくなっちゃった」
どういうことだろう、ていうかそんな理由でからかわないでほしい
「生徒会の集まりがあるんですか」
「うん
文化祭の展示をどうするか話し合いたいって、竜の旦那がね」
「展示……?
生徒会も何かするんですか?」
「まあ保護者受けがいいものしか作ってないけどね、毎年」
大人の事情をあっさりとバラしてくれてありがとうございます
まあ生徒会が作るものなんて、どこの高校もそんなものだとは思うが
「でも今年はどうなるか分かんないよ?
なんたって生徒会長はあの伊達政宗だから」
「政宗先輩って有名なんですか?」
「んー、有名っちゃあ有名かな?」
賛同するように小太郎先輩がこくりと頷いた
「高校二年にして次期社長の座をつかみ取ってるからね、あの人
まっ、それには右目の旦那とか成ちゃんとか鬼庭の旦那が尽力してたからなわけだけど」
そろそろ何者なのか分からなくなってきた、成実と綱元先輩……
ただの従兄弟とお目付け役じゃないよね絶対
「成実ってでも……
クラスの中でも特別頭がいいわけじゃないですけど……
まあこのクラスにいる時点で周りよりは頭いいんでしょうけど」
うん、クラスの真ん中ちょい上くらいだもん
「成ちゃんってああ見えて頭の回転と先を読む能力はすごいんだよね」
「え、そうなんですか!?」
「まあ綱元は……
言わなくても分かるかな
アイツの得意分野は精神攻撃だから」
「知ってます」
うまく本性隠してるよね綱元先輩って……
器用な人だ……
「っと、そろそろ行かないと竜の旦那が怒るかも」
佐助先輩の言葉を合図に、小太郎先輩がヒョイと私を抱き上げた
いわゆる、お姫様抱っこ
「小太郎先輩!!?」
「あ、バッグは俺様が持ってくから心配いらないよ?」
「そういう問題じゃなっ……!」
反論するより早く小太郎先輩は廊下を走り出した
ギネス越えのスピードだった気がする
っていうかギネスが鼻で笑えるくらい速かった
それについてきてる佐助先輩も軽く人間を超越してると思う
かすがといい先輩達といい、何者なんだろうか
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