02 武田さんちのお約束
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「破廉恥でござるぅぅぅぅ!!!」
うるせえぇぇぇえええ!!!
02 武田さんちのお約束
「──も、申し訳ござらぬ斎藤殿!!」
「あはは……
いいよ、真田君」
先ほどからずっと頭を下げまくっている真田幸村君
ござる口調が面白い子だ……
ちなみに、なぜこうなっているかというと
私が落としたシャーペンを拾おうとしたら、通りかかった真田君が拾ってくれたのだった……という、ここまではいいのだが
手がちょっと(ほんとにちょっと)当たってしまい、冒頭の叫びに戻る
「それのどこが破廉恥だったんだ」
「某は、その……
おっ、女子に触れると反射的に……」
そしてかすがにため息をつかれる真田君
なぜか垂れた耳と尻尾が見える……
「聞いていた以上に初なんだな、お前……」
「知ってたの、かすが?」
「あいつから聞いていた」
「あいつって?」
「言いたくない」
かすがが「チッ」と舌打ちをする
名前を言いたくないって相当だぞ……
そんなに嫌わなくても……
「真田に聞けば分かる
そいつに聞け
私は耳をふさいでおくから」
そう言ってかすがが本当に耳をふさいだ
そんなに嫌いなんだ……
「真田君、誰か分かる?」
「佐助のことでござろうか?」
「かすが、佐助君のこと?」
「その名を私に聞かせるなっ!!」
当たりか
「しかし、かすが殿は佐助の許婚では」
「誰と誰が許婚だと!?」
「違うのでござるか?」
「当たり前だ!!
誰があんな男なんかと結婚するものか!!」
言い草ひでえ……
いやまぁ、確かに嫌いな人と許嫁って噂されたらこうなるよね、うん
私はあったことのない佐助君なる人に合掌した
「真田君とその佐助君って人ってどういう関係?」
「佐助は某の幼馴染でござる!」
「教育係の間違いだろう」
「きょ……!?」
「へえー!
幼馴染で教育係かあ!
なんかお金持ちのお坊ちゃまみたいだね!」
「佐助は教育係ではござらぬ!」
「似たような状況だろう
それから夕歌、こいつは実際に金持ちのボンボンだぞ」
マジっすか
「真田君……って、どこかのいいとこの息子さん?」
「ああ、武田のな」
「武田って、眼鏡の?」
「んなわけないでしょ」
唐突に別の声が耳に入ってきた
「佐助!」
しかも噂の佐助君だった
「何の用だ貴様っ!」
「そんな睨まなくてもいいじゃん!
だーんな、ハイ、弁当忘れてったでしょ?」
「なんと!?
すまぬ佐助!」
「いいっていいって
ま、つぎは気を付けてよ?
じゃあ俺様教室戻るから
じゃーね、かすが!」
「うるさい!
さっさと消えろ!」
かすがに怒鳴られ、佐助君が笑ったまま手を振って教室に戻っていく
すごいな、かすがの言葉を物ともしてなかった
「なんか、かすがが言うほど嫌な人じゃないけど……」
「私は嫌いだ!!」
「でも真田君の教育係なのは頷けるかも
どことなくお母さんみたいな雰囲気あるし」
「教育係ではござりませぬ!
佐助は佐助でござる!
母ではありませぬぞ!」
「いや分かってるから」
冗談が通じない子だな……
まぁ純情で真っ直ぐってことだから、好感が持てるけど
「おーっす」
「あ、おはよう成実」
「おはよう
っと……お前、春日山の──」
「夕歌の友人だ」
教室に入ってきた成実とかすがは、どうやら初めて会話をするらしい
成実を遮ったかすがに、成実はそれ以上言うことはなかった
「そっか
それから幸村、お前も久しぶりだな」
「うむ、お久しぶりでござる!
昨日は某が急いでおったゆえ、ご挨拶が遅れ申した
某、成実殿と同じく机を並べられることを嬉しく思っておりまする!」
「あはは、俺も見知った顔が同じクラスにいてちょっとホッとした
これからよろしくな、幸村!」
「知り合いだったんだね、二人とも」
「まぁな、昔っからちょこちょこ会ってたっつーか」
「なぁ」と成実が真田君に同意を求めると、真田君も「うむ!」と頷いていた
そっかぁ、じゃあ本当に初対面は私だけなのか……
「かすがと成実は初対面なんだね?」
「実際に会うのは初めてだよな?」
「まぁな」
「良かったー!
みんな知り合いだったら私の肩身が狭かった!」
まぁ、真田君含めた三人の顔面偏差値が恐ろしいことになっているので、そっちの意味では肩身が狭いんですけどね
「あ、そうだそうだ
せっかくだし連絡先交換しようよ
ていうか友達になってください!!」
「そういや交換してなかったな
幸村はやり方分かるか?」
「む……某とて、これしき……!」
三人で真田君を待っていたけれど、待てども待てども一向に表示できそうになかったので、しびれを切らした成実が真田君のスマホを強奪した
うるせえぇぇぇえええ!!!
02 武田さんちのお約束
「──も、申し訳ござらぬ斎藤殿!!」
「あはは……
いいよ、真田君」
先ほどからずっと頭を下げまくっている真田幸村君
ござる口調が面白い子だ……
ちなみに、なぜこうなっているかというと
私が落としたシャーペンを拾おうとしたら、通りかかった真田君が拾ってくれたのだった……という、ここまではいいのだが
手がちょっと(ほんとにちょっと)当たってしまい、冒頭の叫びに戻る
「それのどこが破廉恥だったんだ」
「某は、その……
おっ、女子に触れると反射的に……」
そしてかすがにため息をつかれる真田君
なぜか垂れた耳と尻尾が見える……
「聞いていた以上に初なんだな、お前……」
「知ってたの、かすが?」
「あいつから聞いていた」
「あいつって?」
「言いたくない」
かすがが「チッ」と舌打ちをする
名前を言いたくないって相当だぞ……
そんなに嫌わなくても……
「真田に聞けば分かる
そいつに聞け
私は耳をふさいでおくから」
そう言ってかすがが本当に耳をふさいだ
そんなに嫌いなんだ……
「真田君、誰か分かる?」
「佐助のことでござろうか?」
「かすが、佐助君のこと?」
「その名を私に聞かせるなっ!!」
当たりか
「しかし、かすが殿は佐助の許婚では」
「誰と誰が許婚だと!?」
「違うのでござるか?」
「当たり前だ!!
誰があんな男なんかと結婚するものか!!」
言い草ひでえ……
いやまぁ、確かに嫌いな人と許嫁って噂されたらこうなるよね、うん
私はあったことのない佐助君なる人に合掌した
「真田君とその佐助君って人ってどういう関係?」
「佐助は某の幼馴染でござる!」
「教育係の間違いだろう」
「きょ……!?」
「へえー!
幼馴染で教育係かあ!
なんかお金持ちのお坊ちゃまみたいだね!」
「佐助は教育係ではござらぬ!」
「似たような状況だろう
それから夕歌、こいつは実際に金持ちのボンボンだぞ」
マジっすか
「真田君……って、どこかのいいとこの息子さん?」
「ああ、武田のな」
「武田って、眼鏡の?」
「んなわけないでしょ」
唐突に別の声が耳に入ってきた
「佐助!」
しかも噂の佐助君だった
「何の用だ貴様っ!」
「そんな睨まなくてもいいじゃん!
だーんな、ハイ、弁当忘れてったでしょ?」
「なんと!?
すまぬ佐助!」
「いいっていいって
ま、つぎは気を付けてよ?
じゃあ俺様教室戻るから
じゃーね、かすが!」
「うるさい!
さっさと消えろ!」
かすがに怒鳴られ、佐助君が笑ったまま手を振って教室に戻っていく
すごいな、かすがの言葉を物ともしてなかった
「なんか、かすがが言うほど嫌な人じゃないけど……」
「私は嫌いだ!!」
「でも真田君の教育係なのは頷けるかも
どことなくお母さんみたいな雰囲気あるし」
「教育係ではござりませぬ!
佐助は佐助でござる!
母ではありませぬぞ!」
「いや分かってるから」
冗談が通じない子だな……
まぁ純情で真っ直ぐってことだから、好感が持てるけど
「おーっす」
「あ、おはよう成実」
「おはよう
っと……お前、春日山の──」
「夕歌の友人だ」
教室に入ってきた成実とかすがは、どうやら初めて会話をするらしい
成実を遮ったかすがに、成実はそれ以上言うことはなかった
「そっか
それから幸村、お前も久しぶりだな」
「うむ、お久しぶりでござる!
昨日は某が急いでおったゆえ、ご挨拶が遅れ申した
某、成実殿と同じく机を並べられることを嬉しく思っておりまする!」
「あはは、俺も見知った顔が同じクラスにいてちょっとホッとした
これからよろしくな、幸村!」
「知り合いだったんだね、二人とも」
「まぁな、昔っからちょこちょこ会ってたっつーか」
「なぁ」と成実が真田君に同意を求めると、真田君も「うむ!」と頷いていた
そっかぁ、じゃあ本当に初対面は私だけなのか……
「かすがと成実は初対面なんだね?」
「実際に会うのは初めてだよな?」
「まぁな」
「良かったー!
みんな知り合いだったら私の肩身が狭かった!」
まぁ、真田君含めた三人の顔面偏差値が恐ろしいことになっているので、そっちの意味では肩身が狭いんですけどね
「あ、そうだそうだ
せっかくだし連絡先交換しようよ
ていうか友達になってください!!」
「そういや交換してなかったな
幸村はやり方分かるか?」
「む……某とて、これしき……!」
三人で真田君を待っていたけれど、待てども待てども一向に表示できそうになかったので、しびれを切らした成実が真田君のスマホを強奪した
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