恋模様の花冠
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理想なんて結局は手の届かないもの。だからつい夢を見てしまうけれど、醒めることはとても難しいのだ。わたしはいつ醒めるのだろうか。彼にまた会える日までは無理なことだと自覚はしてるつもりだけれど。
「ま、丸井くん!昨日の試合お疲れ様でした!」
「んあ?どーも」
「じゃ、じゃあ!また会う日まで!」
結局、決勝戦の次の日に蔵たちに協力してもらって立海の選手たちが泊まっているというホテルの下で、丸井くんたちが出てくるのを待っていた。そしてその時がやってきたというのに、言いたいことの一つも言えなかった。お疲れ様でした。なんて、そんなことだけを言いたかったわけじゃない。また会う日まで、って、なに?絶対、あいつ誰?とか思われてるんだ。彼からしたらわたしなんてただのファンの一人でしかないんだから。そんなわたしの苦い思い出から、どれくらい経つんだろう。あの炎天下の下で彼に出会って、それとは打って変わって寒い冬を乗り越えて。そして春がやってきた。そんな半年間を、彼がどうやって過ごしたかなんてわたしは知らない。
「と、いうことで今年の目標も去年と同じ。関西大会優勝は前提として、全国大会は絶対に決勝までは勝ち進んでね。そして決勝のD1の試合は最低でもタイブレークまでいって下さい。以上、目指せ準優勝!」
マネージャーとしてちゃんと目標を考えてるわたしはきっとすごく偉い。ノートを片手に今年の目標を言い終えると、金ちゃんを除いたレギュラーたちはすごいしかめっつらでわたしを見据えた。その中でも特に謙也はわたしをにらみつけるかのような勢いです。
「ちょお待て。ツッコミどこ満載やないかい」
「え、どこが?」
「何で、目指せ準優勝やねん。優勝とちゃうんかい」
うん。たしかにそこはツッコミたくなるとおもう。でもね、昨日よくよく考えてみたんだけど。
「丸井くんが負けちゃって、悲しい顔してるところ見たくないし…」
「俺らは良いんかい!」
謙也、さっきからずっと全力で叫んでるけど、疲れないのかな?さっきまで練習であんなに走りまわってたっていうのに。他のみんなは、言いたいことはみんな謙也が言ってくれてる、って感じでずっと口を結んでいた。かとおもえば、光がふうっと溜息を漏らして、頭をがしがしと掻いた。そろそろ来ますか、纏めのお言葉が。
「先輩とおったら疲れますわ」
そう言って光は一足先に部室の中へと入っていった。その後ろ姿が、全然憎たらしく思えなくて思わず頬が緩む。ほんとは光だってわたしのこと応援してくれてるって知ってるんだからね。
「はなはな、丸井て誰や?」
「金ちゃんはまだ知らないもんね。あのね、丸井くんはわたしの愛する人で、立海大附属中でね…」
「えー!遠距離かいな!はなもなかなかやりよるなあ!」
「騙されんな、金ちゃん。妄想やモーソー」
こんなことを言って毎日笑い飛ばしてるけど、ほんとは寂しいと感じるときもあったりする。丸井くんに会いたくて、毎日彼のことを考えてるけれど、会えるはずもなくて、でもこの気持ちを誰にも言えなかった。いっそのこと忘れてしまえたら楽なのに、それが出来ないから困ったものなのだ。そんなことを考えていると、ぽん、と頭に手が置かれた。ぱっと顔をあげると、蔵が悲しそうに笑っていた。まるでわたしの悲しい気持ちが伝染しちゃったみたいに。
「全国に向けて頑張ろか」
そう言った蔵に、わたしは精一杯の笑顔をつくって、思いきり頷いてみせた。夏には彼に、会えるから。
少しづつ、記憶の中の彼が薄れていくように感じた。
「ま、丸井くん!昨日の試合お疲れ様でした!」
「んあ?どーも」
「じゃ、じゃあ!また会う日まで!」
結局、決勝戦の次の日に蔵たちに協力してもらって立海の選手たちが泊まっているというホテルの下で、丸井くんたちが出てくるのを待っていた。そしてその時がやってきたというのに、言いたいことの一つも言えなかった。お疲れ様でした。なんて、そんなことだけを言いたかったわけじゃない。また会う日まで、って、なに?絶対、あいつ誰?とか思われてるんだ。彼からしたらわたしなんてただのファンの一人でしかないんだから。そんなわたしの苦い思い出から、どれくらい経つんだろう。あの炎天下の下で彼に出会って、それとは打って変わって寒い冬を乗り越えて。そして春がやってきた。そんな半年間を、彼がどうやって過ごしたかなんてわたしは知らない。
「と、いうことで今年の目標も去年と同じ。関西大会優勝は前提として、全国大会は絶対に決勝までは勝ち進んでね。そして決勝のD1の試合は最低でもタイブレークまでいって下さい。以上、目指せ準優勝!」
マネージャーとしてちゃんと目標を考えてるわたしはきっとすごく偉い。ノートを片手に今年の目標を言い終えると、金ちゃんを除いたレギュラーたちはすごいしかめっつらでわたしを見据えた。その中でも特に謙也はわたしをにらみつけるかのような勢いです。
「ちょお待て。ツッコミどこ満載やないかい」
「え、どこが?」
「何で、目指せ準優勝やねん。優勝とちゃうんかい」
うん。たしかにそこはツッコミたくなるとおもう。でもね、昨日よくよく考えてみたんだけど。
「丸井くんが負けちゃって、悲しい顔してるところ見たくないし…」
「俺らは良いんかい!」
謙也、さっきからずっと全力で叫んでるけど、疲れないのかな?さっきまで練習であんなに走りまわってたっていうのに。他のみんなは、言いたいことはみんな謙也が言ってくれてる、って感じでずっと口を結んでいた。かとおもえば、光がふうっと溜息を漏らして、頭をがしがしと掻いた。そろそろ来ますか、纏めのお言葉が。
「先輩とおったら疲れますわ」
そう言って光は一足先に部室の中へと入っていった。その後ろ姿が、全然憎たらしく思えなくて思わず頬が緩む。ほんとは光だってわたしのこと応援してくれてるって知ってるんだからね。
「はなはな、丸井て誰や?」
「金ちゃんはまだ知らないもんね。あのね、丸井くんはわたしの愛する人で、立海大附属中でね…」
「えー!遠距離かいな!はなもなかなかやりよるなあ!」
「騙されんな、金ちゃん。妄想やモーソー」
こんなことを言って毎日笑い飛ばしてるけど、ほんとは寂しいと感じるときもあったりする。丸井くんに会いたくて、毎日彼のことを考えてるけれど、会えるはずもなくて、でもこの気持ちを誰にも言えなかった。いっそのこと忘れてしまえたら楽なのに、それが出来ないから困ったものなのだ。そんなことを考えていると、ぽん、と頭に手が置かれた。ぱっと顔をあげると、蔵が悲しそうに笑っていた。まるでわたしの悲しい気持ちが伝染しちゃったみたいに。
「全国に向けて頑張ろか」
そう言った蔵に、わたしは精一杯の笑顔をつくって、思いきり頷いてみせた。夏には彼に、会えるから。
少しづつ、記憶の中の彼が薄れていくように感じた。
