ブレイクスルー
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生まれて約15年、ここまで固い決意をしたのは初めてかもしれない。今日こそ丸井くんの中の「わたし=お菓子」っていう方程式をぶっ壊してやるんだから!とは言ったもののそう簡単にいくとは思えない。だって丸井くんにお菓子ちょーだいって言われたらわたしは鼻の下を伸ばしてはいどうぞってあげちゃうわけで。しかも今日もちゃんとお菓子持ってきちゃってるし。廊下で柳生と柳と話をしているときに視界に入ってきたのは赤い髪の毛。き、来た!
「はなー、と二人、おはよ!」
「お、おはよう」
「随分とひどい扱いだな、俺と柳生は」
「まあ察しろって」
そうだよ柳と柳生。わたしはこの子に機嫌を取られているんだよ。なんという悲しい現実。多分わたしがお菓子あげなくなったらもう声も掛けてくれないんだろうなあ。そんなことを考えていると、いつもの様に丸井くんがわたしに両手を揃えて差し出した。
「お菓子ちょうだい」
「き、今日は持ってきてないの」
「えー、それ嘘だろぃ。だってお前から甘い匂いぷんぷんする」
そう言ってわたしの制服をくんくん嗅ぎ回る丸井くん。な、なんだこのかわいい生き物は…!生まれてきて初めて見た、こんな萌え要素たっぷりな子は。そこらの萌え系アイドルより萌え萌えだよ、ちくしょう!鞄の中で眠っているお菓子をあげてしまいそうな気持ちを必死に抑えながら深呼吸すると、握り拳を作りました。
「お菓子お菓子って…」
「ん?どした?」
「わ、わたしは、お菓子じゃないもん!」
ついに言いたかったことが言えた!よくやった、わたし!だけど。あらためて考えてみるとなんなのこの台詞は。なんだか自分が可哀相に思えてきたところで丸井くんに目を向けると、なぜかとろんとした瞳でわたしを見据えていた。
「あー、なんか」
「……え」
「そう言われるとそう見えてきたじゃねえか」
「は、はい?」
丸井くんはこっちに向かって歩いてくると、わたしの両肩を掴んで、耳に口を近づけてきた。耳元から丸井くんの甘ったるい声が聞こえる。わー!何なのこの展開。少女漫画の中でしか起こらないんじゃないのこの現象は!どうしたらいいのか分からずに、口をぱくぱくさせていると、丸井くん越しに柳と柳生が笑っているのが目に入った。いやいや二人して面白がらないでよ。わたしは今生きるか死ぬかの問題だというのに!
「食っていい?」
「ちょ、柳も柳生もい…、あ、あれ」
というよりみんないるのに!と言葉にならなかったものは心の中で叫んでいたものの、次に耳元で聞こえてきたのは丸井くんの規則的な寝息。え、寝息?寝ちゃったの、丸井くん。わたしの予想は的中したらしく、丸井くんはわたしの肩を枕代わりにしてすやすやと眠りに就いていた。
「えーと、え?」
「昨日の練習は普段の倍の練習量だったからな」
「疲れているのでしょう」
状況を理解出来ていないわたしに、柳と柳生がご丁寧にも説明してくれた。もうちょっと空気読んで下さい、丸井くんの眠気よ。そして君たちもそんなに落ち着いて解説しないで。なんか惨めじゃない、わたしの立場。
「柳生、わたしほんとに人間として気に入られてる?」
「多分、…いやきっと、いえ、確実にありえないでしょう」
「やめてその予想から確信に変わったみたいな言い方」
次に丸井くんが目が覚ましたときには、「すっげー美味い菓子食ってる夢見た!」と嬉しそうに話していたのでした。ご覧の通り、わたしとあんな感じの甘いことがあったという事実は頭の中にかけらも残っていないように見える。
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あなたが幸せならもうそれでいいです
「はなー、と二人、おはよ!」
「お、おはよう」
「随分とひどい扱いだな、俺と柳生は」
「まあ察しろって」
そうだよ柳と柳生。わたしはこの子に機嫌を取られているんだよ。なんという悲しい現実。多分わたしがお菓子あげなくなったらもう声も掛けてくれないんだろうなあ。そんなことを考えていると、いつもの様に丸井くんがわたしに両手を揃えて差し出した。
「お菓子ちょうだい」
「き、今日は持ってきてないの」
「えー、それ嘘だろぃ。だってお前から甘い匂いぷんぷんする」
そう言ってわたしの制服をくんくん嗅ぎ回る丸井くん。な、なんだこのかわいい生き物は…!生まれてきて初めて見た、こんな萌え要素たっぷりな子は。そこらの萌え系アイドルより萌え萌えだよ、ちくしょう!鞄の中で眠っているお菓子をあげてしまいそうな気持ちを必死に抑えながら深呼吸すると、握り拳を作りました。
「お菓子お菓子って…」
「ん?どした?」
「わ、わたしは、お菓子じゃないもん!」
ついに言いたかったことが言えた!よくやった、わたし!だけど。あらためて考えてみるとなんなのこの台詞は。なんだか自分が可哀相に思えてきたところで丸井くんに目を向けると、なぜかとろんとした瞳でわたしを見据えていた。
「あー、なんか」
「……え」
「そう言われるとそう見えてきたじゃねえか」
「は、はい?」
丸井くんはこっちに向かって歩いてくると、わたしの両肩を掴んで、耳に口を近づけてきた。耳元から丸井くんの甘ったるい声が聞こえる。わー!何なのこの展開。少女漫画の中でしか起こらないんじゃないのこの現象は!どうしたらいいのか分からずに、口をぱくぱくさせていると、丸井くん越しに柳と柳生が笑っているのが目に入った。いやいや二人して面白がらないでよ。わたしは今生きるか死ぬかの問題だというのに!
「食っていい?」
「ちょ、柳も柳生もい…、あ、あれ」
というよりみんないるのに!と言葉にならなかったものは心の中で叫んでいたものの、次に耳元で聞こえてきたのは丸井くんの規則的な寝息。え、寝息?寝ちゃったの、丸井くん。わたしの予想は的中したらしく、丸井くんはわたしの肩を枕代わりにしてすやすやと眠りに就いていた。
「えーと、え?」
「昨日の練習は普段の倍の練習量だったからな」
「疲れているのでしょう」
状況を理解出来ていないわたしに、柳と柳生がご丁寧にも説明してくれた。もうちょっと空気読んで下さい、丸井くんの眠気よ。そして君たちもそんなに落ち着いて解説しないで。なんか惨めじゃない、わたしの立場。
「柳生、わたしほんとに人間として気に入られてる?」
「多分、…いやきっと、いえ、確実にありえないでしょう」
「やめてその予想から確信に変わったみたいな言い方」
次に丸井くんが目が覚ましたときには、「すっげー美味い菓子食ってる夢見た!」と嬉しそうに話していたのでした。ご覧の通り、わたしとあんな感じの甘いことがあったという事実は頭の中にかけらも残っていないように見える。
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