お菓子大好き丸井くん
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今日は今までで一番最悪な日だ。きっとそうに違いない。たまたま帰り道を変えて普段あまり通らない公園の前を過ぎようとしたとき目に入ったのは、とても鮮やかな赤色の髪の毛。なんでこんなところにいるんだろうと疑問を抱きながらも声を掛けようとしてやめたのは、彼の座るベンチの向こう側に髪の長い女の子がいたから。しかもあろうことか、キスなんかしていた。この公園はわたしも彼と来たことは何回かある。そんな場所で堂々と浮気するなんてありえない。頭の中が一気に真っ白になって、しばらくその場から動くことができなかった。
*
「別れたいの」
「は?何でだよぃ、いきなり」
「別に…ブン太にわたしは合わないと思っただけだよ」
昼休みの廊下でブン太に向かって吐き出した言葉。これが昨日一日中考えてやっと出した結論。そうだよ。もともとわたしとブン太なんて合うわけないんだ。性格も見た目も、なにもかも。だいたいあんなところでキスするってことは、バレたっていいと思ったんでしょう?そんな軽い気持ちに対して真剣に悩むのも馬鹿馬鹿しいと思ったからきっとこれが最適なんだ。これは本心だ。ちなみに廊下で言ってやろうと思ったのはただどこかに呼び出して話すような内容ではないと思ったから。昨日の一件でわたしは相当グレてしまったらしい。
「…じゃあね」
「おい、待てよっ…」
わたしの腕を掴んだブン太の腕を振り払ってわたしは自分の教室に戻るべく早足で人込みの中をくぐり抜けていった。歩きながらずっと見つめていた地面が次第に歪んでいく。なに、なんで泣いてるの、わたし。こんなに情けない顔を見られたくなくて、さっきよりも足の速度を速めた。人のいないところに行きたい。そんな単純な考えがわたしを外へと向かわせた。
「はあっ…」
誰もいない屋上に安心して溢れてきた涙を力強く拭った。泣くな、泣いちゃ負けだ。あいつなんかいなくたって大丈夫なんだから。こんな気持ちの中、雲が一つもない快晴が憎く想えた。
そんなことを考えながらぼうっとしていると、屋上のドアが開いてわたしを呼ぶ声が聞こえておもわず肩が震えた。あんなに一方的に言ったのにまさか来てくれるなんて思ってなかったから。だけど彼に対する怒りはどこへも行きやしないから、屋上から出て行こうと彼の横を通り過ぎようとした。
「待てよ!」
そのとき身体全体に感じたのは彼の体温だった。後ろからきつく抱き寄せられて、身動きが取れなくなる。やっと泣き止めそうだったというのに、こんなことをされたらまた涙腺が弱まっちゃうじゃんか。
「離してよ…っ」
「…せっかく捕まえたのに離すかよ」
どれだけもがいてもさらに強い力で抱きしめ返されてびくともしなかったから、仕方なく力を抜いた。しばらく沈黙が流れて、引き止めたくせになんなんだと思っていると耳元から彼の声が聞こえた。
「なあ」
「…なに?」
「何で怒ってんの?」
本当に分かっていないのか、何の悪気もないブン太の声色のせいでいい加減に頭に来た。思いっきり睨み付けて言いたいことを言ってやりたいのに、彼の腕の中じゃ何も出来ない。本当に覚えてないの?それとも最後までごまかし続けようとしてるのか。どっちにしろ彼女としては腹立たしい以外の何でもない。
「…仕返しする」
「は…?」
「ブン太昨日女の子とキスしてたでしょ」
「キス…?」
ブン太はわたしの言葉を聞いて、しばらくうーんと喉を鳴らして考え込みだした。ここまで言って思い出さないってことはもしかしたら昨日のは見間違いだったのかなと思え始めていたのに、彼の次の言葉でわたしはまた地獄に落とされた。
「ああ、昨日の…お前見てたのかよぃ」
あろうことか彼は自分のしたことをあっさりと認めてしまった。開き直りもいいところ。それでも彼はわたしを離してくれなかったからその場を離れることさえできない。わたしにどうしろって言うの。
「何でキスしてたの?…わけわかんないんだけど」
「告白されて断ったらキスしてくれたら諦めるって言われたから…別にキスくらい大したことないかなって」
ああどうしよう。彼の言ってる事が理解出来なくなってきた。キスが大したことない?だいたいキスしてくれたら諦めるって、おかしいでしょ。やばい、ますます腹が立ってきた。
「わたしも仁王と浮気する」
「…は?」
「仁王ならきっと面白がって喜んで引き受けてくれるもん」
「んなことしたらお前が一番嫌いなことすっからな」
「…何?」
何をする気だと思いながらもブン太の次の言葉を待っていると、わたしを抱きしめていた手はいつのまにか脇腹へと移動していた。嫌な予感がしたのと同時に、ブン太はわたしの最も弱い脇腹をくすぐりはじめたのだ。
「妙技・くすぐり地獄!」
「っや、あははは!や、やめっ、ひゃははははっ」
「ど?天才的?」
「っ……」
「…はな?」
くすぐったさに負けて大声で笑っていたのに、何かが切れたかのように急に涙が溢れた。泣くつもりなんてなかったのに。
「こ、なの、あんなのに比べたら、全然嫌いじゃな、も…」
「…泣くなよぃ。悪かったって、まじで…」
ブン太に背を向けて泣いていたのに、いつのまにか目の前にいたブン太にまた抱きしめられた。こんなに近くにいて抱かれてたって、まだ不安になる。他の女の子とのキスなんて見たくなかった。わたしってこんなに独占欲強かったんだな、って思い知らされる。
「別れるとか言うなよ」
「……」
「気持ちがないキスなんか大したことないと思ってたけど…お前がするとなると嫌だからもう絶対しない」
「…絶対?」
わたしが小さい声でそう言うと、ブン太はさっきよりも強くわたしを抱きしめてからうん、と言った。
「次したら許さないから」
「うん。もう絶対しねえけどな」
簡単にブン太を突き放そうとした自分が情けなく感じた。彼の胸から聞こえる心音にさえ愛おしさを覚える。他の女の子じゃなくてわたしとキスして、なんて言えないから、はやくわたしの気持ちに気付いて欲しいよ。
彼がほかのだれかとキスしてたって余裕を持てるくらい自分になりたい。
…そんなこと、彼をすきでいる限り無理だろうけど。
┈┈┈┈┈┈┈┈
丸井誕生日企画
*
「別れたいの」
「は?何でだよぃ、いきなり」
「別に…ブン太にわたしは合わないと思っただけだよ」
昼休みの廊下でブン太に向かって吐き出した言葉。これが昨日一日中考えてやっと出した結論。そうだよ。もともとわたしとブン太なんて合うわけないんだ。性格も見た目も、なにもかも。だいたいあんなところでキスするってことは、バレたっていいと思ったんでしょう?そんな軽い気持ちに対して真剣に悩むのも馬鹿馬鹿しいと思ったからきっとこれが最適なんだ。これは本心だ。ちなみに廊下で言ってやろうと思ったのはただどこかに呼び出して話すような内容ではないと思ったから。昨日の一件でわたしは相当グレてしまったらしい。
「…じゃあね」
「おい、待てよっ…」
わたしの腕を掴んだブン太の腕を振り払ってわたしは自分の教室に戻るべく早足で人込みの中をくぐり抜けていった。歩きながらずっと見つめていた地面が次第に歪んでいく。なに、なんで泣いてるの、わたし。こんなに情けない顔を見られたくなくて、さっきよりも足の速度を速めた。人のいないところに行きたい。そんな単純な考えがわたしを外へと向かわせた。
「はあっ…」
誰もいない屋上に安心して溢れてきた涙を力強く拭った。泣くな、泣いちゃ負けだ。あいつなんかいなくたって大丈夫なんだから。こんな気持ちの中、雲が一つもない快晴が憎く想えた。
そんなことを考えながらぼうっとしていると、屋上のドアが開いてわたしを呼ぶ声が聞こえておもわず肩が震えた。あんなに一方的に言ったのにまさか来てくれるなんて思ってなかったから。だけど彼に対する怒りはどこへも行きやしないから、屋上から出て行こうと彼の横を通り過ぎようとした。
「待てよ!」
そのとき身体全体に感じたのは彼の体温だった。後ろからきつく抱き寄せられて、身動きが取れなくなる。やっと泣き止めそうだったというのに、こんなことをされたらまた涙腺が弱まっちゃうじゃんか。
「離してよ…っ」
「…せっかく捕まえたのに離すかよ」
どれだけもがいてもさらに強い力で抱きしめ返されてびくともしなかったから、仕方なく力を抜いた。しばらく沈黙が流れて、引き止めたくせになんなんだと思っていると耳元から彼の声が聞こえた。
「なあ」
「…なに?」
「何で怒ってんの?」
本当に分かっていないのか、何の悪気もないブン太の声色のせいでいい加減に頭に来た。思いっきり睨み付けて言いたいことを言ってやりたいのに、彼の腕の中じゃ何も出来ない。本当に覚えてないの?それとも最後までごまかし続けようとしてるのか。どっちにしろ彼女としては腹立たしい以外の何でもない。
「…仕返しする」
「は…?」
「ブン太昨日女の子とキスしてたでしょ」
「キス…?」
ブン太はわたしの言葉を聞いて、しばらくうーんと喉を鳴らして考え込みだした。ここまで言って思い出さないってことはもしかしたら昨日のは見間違いだったのかなと思え始めていたのに、彼の次の言葉でわたしはまた地獄に落とされた。
「ああ、昨日の…お前見てたのかよぃ」
あろうことか彼は自分のしたことをあっさりと認めてしまった。開き直りもいいところ。それでも彼はわたしを離してくれなかったからその場を離れることさえできない。わたしにどうしろって言うの。
「何でキスしてたの?…わけわかんないんだけど」
「告白されて断ったらキスしてくれたら諦めるって言われたから…別にキスくらい大したことないかなって」
ああどうしよう。彼の言ってる事が理解出来なくなってきた。キスが大したことない?だいたいキスしてくれたら諦めるって、おかしいでしょ。やばい、ますます腹が立ってきた。
「わたしも仁王と浮気する」
「…は?」
「仁王ならきっと面白がって喜んで引き受けてくれるもん」
「んなことしたらお前が一番嫌いなことすっからな」
「…何?」
何をする気だと思いながらもブン太の次の言葉を待っていると、わたしを抱きしめていた手はいつのまにか脇腹へと移動していた。嫌な予感がしたのと同時に、ブン太はわたしの最も弱い脇腹をくすぐりはじめたのだ。
「妙技・くすぐり地獄!」
「っや、あははは!や、やめっ、ひゃははははっ」
「ど?天才的?」
「っ……」
「…はな?」
くすぐったさに負けて大声で笑っていたのに、何かが切れたかのように急に涙が溢れた。泣くつもりなんてなかったのに。
「こ、なの、あんなのに比べたら、全然嫌いじゃな、も…」
「…泣くなよぃ。悪かったって、まじで…」
ブン太に背を向けて泣いていたのに、いつのまにか目の前にいたブン太にまた抱きしめられた。こんなに近くにいて抱かれてたって、まだ不安になる。他の女の子とのキスなんて見たくなかった。わたしってこんなに独占欲強かったんだな、って思い知らされる。
「別れるとか言うなよ」
「……」
「気持ちがないキスなんか大したことないと思ってたけど…お前がするとなると嫌だからもう絶対しない」
「…絶対?」
わたしが小さい声でそう言うと、ブン太はさっきよりも強くわたしを抱きしめてからうん、と言った。
「次したら許さないから」
「うん。もう絶対しねえけどな」
簡単にブン太を突き放そうとした自分が情けなく感じた。彼の胸から聞こえる心音にさえ愛おしさを覚える。他の女の子じゃなくてわたしとキスして、なんて言えないから、はやくわたしの気持ちに気付いて欲しいよ。
彼がほかのだれかとキスしてたって余裕を持てるくらい自分になりたい。
…そんなこと、彼をすきでいる限り無理だろうけど。
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丸井誕生日企画
