中編・短編【長編ヒロイン】
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
俺の名前はジャーマ
風邪使いの末裔
主を見付け、主を守る
それが俺達種族の理
だがその主はなく
俺はこの世界中を転々として
自由気まま生きている
生まれたときから独り
種族の理など俺には関係ない
そんな奴に出会った事もないし
本当にそんな奴が居てるのか?
そんな事を考えていたある日
森の中で1人の女に出会った
それがニーナだった
「----あんたこんな森の中で
何してんだよ…それも1人で」
「…人に会うのは久しぶり…迷ったの?」
ニーナは優しく笑ってそう言った
「あ、あんたこそ…迷ったのかよ」
「いいえ、」
そう言いながら
笑顔だったがその目は悲しみだけが
宿ったものだった。
涙は流してなくても
その瞳は今にも涙が出てきてもおかしくないくらいだ
「迷ったなら道教えましょうか?」
「あ。いや…」
すぐに森を抜けるつもりだったが
妙に気になった。
「……何?」
「え、あ、すまねぇ」
俺は数日ニーナと名乗るこの女と
一緒にいた。
「俺もあちこち島やら町やら村やら行ったけど、お前みたいなそんな色の髪の毛の奴見たことねぇなぁって」
「……でしょうね…」
「え…」
顔はすげぇ美人なのに多分
めっちゃ強い。
隙はねぇし覇気が使える
謎の多い女だ
俺の興味は尽きる事はなく
出会って1ヶ月がたっていた
「………ジャーマ…あなたいつまで
ここに居るの?」
「いつまで?…う~ん」
「…クスクス、変な人ね。」
「な、変な人ってなんだよ」
「私に興味あるの?…いいよ、教えてあげる」
そう切り出したニーナの話は
俺の想像なんて遥かに越えた生まれと
育った環境
「『桜族』…俺も聞いたことがある」
「そう…この世界は敵ばかり」
「ニーナ…」
「人々の私を追いかける顔は本当に恐ろしいわ…欲望剥き出しのあの顔わ」
親を殺され、隠れて生きる
それがニーナの生き方
そんな…孤独で悲しい生き方なんて
耐えられねぇよ俺だったら
もっと楽しくもっと自由に
生きる権利は誰にでもあるはずだ
「これからもそんか生き方するのか?」
「…そうね…人の目につかない方が
何よりの得策…」
「俺が守ってやるよ」
「え?…」
俺はこいつと出逢う為にずっと旅してたんだ。
こいつが…ニーナが俺の
「ジャーマ…同情してくれるの有難いけど、こんな私にも大切に思ってくれる人もいるの…」
「だから?…俺は決めたんだ」
「決めた?…何を?」
「俺の主をニーナにだ」
「主?…え?…」
ジャーマはナイフで右の人差し指を切った。そこからでる血
ニーナの前で跪き左の手のひらに
血で見た事もないマークを書いた
それはスーッと消えた
「えっ?!」
「永遠に貴女は俺の主」
「ジャーマ…あの…今の…」
「ニーナの従者となると言う契りの儀式だ…これで俺は離れていてもあんたが何処にいても分かる」
「儀式…って…」
「俺は強いぞ…」
こうして俺は『桜族』のニーナを
主とした。
*
☆END☆
*2019.11.16*
1/1ページ