甘い嘘
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「…なぁピアーズたまには付き合えよ」
「止めとく、どうせナンパ目的だろ?俺はそんなの嫌いだ」
同僚の誘いも今では迷惑の何者でもない、ナンパや合コンそんな誘いばかり
「お前は本当に真面目だなぁ
クリス隊長といい勝負」
「…なんとでも、俺はナンパの類いは嫌いだ。そんなもんにホイホイついてくる女もな」
「クリス隊長にはニーナがいるからいいけどよ、お前はフリーだろうが、ナンパくらい出来なくてどうするんだよ」
「っ?!」
「確かにその通りだよな、でもクリス隊長の彼女じゃなきゃ狙うのになぁ」
「マジそれな、!」
ニーナと言うのは
新奈
B.S.A.A創立当初からクリス隊長と
一緒
聞けばS.T.A.R.S.の頃から同僚
歳は大分下だが優秀で
特に格闘はクリス隊長より上って話だ
日本人で空手家の父親の影響で
空手はもちろん柔道やら合気道
あらゆる格闘術を体得してるらしい
見た目は可愛らしくて
笑顔の素敵な女性
でもその見た目に騙されて
油断すると宙を舞う事になる。
だがそのギャップが人気だったりする
クリス隊長が大切にするのもわかる
だから…俺の想いが成就する事はない
コンコン
「ピアーズいるかしら?」
「あ、はい」
「クリスが呼んでるんだけど…帰るねところだった?」
「大丈夫、すぐ行く」
「そっ、じゃぁ後はよろしくね」
そう言うと彼女は帰っていった。
その後ろ姿を俺は見つめることしか
出来ない。
触れる事は許されない。
ドアを数回ノックする
すると帰ってくる隊長の声
「入れ」
「失礼します。何でしょうか?」
「すまんな、呼びだしたりして」
「いえ、で…」
「ん…ちょっと相談があってな」
「はぁ…相談…ですか?」
隊長にしては歯切れが悪い
何か都合の悪い事なのか?
「あのな、ニーナの事なんだが」
「っ?!」
その名を聞いただけで
心臓が跳ねる。
重症だな…まったく、人のものなのに
「…ピアーズ?」
「あ、はい…で?」
「明日な彼女と映画を観る約束だったんだが、どうしても行けなくて…悪いが代わりに行ってくれないか」
「………はっ?!あ、す、すみません」
「いや、俺が変な事頼んでるからな」
「隊長の都合のいい日にすれば…」
「その映画、明日までだそうだ
ずっと前から連れていく約束してたんだが、なかなかお互い休みが合わなくて」
「そうなんですか…だからって…俺じゃニーナは」
「ニーナには俺から言っておくから、頼めないか?」
「俺は…大丈夫です」
クリス隊長の代わり
頭では分かっていても
ニーナと2人で映画…そう思うと
嬉しくて…踊りだしたいくらいだ
俺は嬉しくて、その晩はなかなか
寝付けず有ろう事か
遅刻した。
「本当にごめん!」
「………」
「遅刻するなんて…本当申し訳ない」
俺が遅刻したせいで
映画は見れず。
ニーナはずっとうつ向いて
話をしてくれなかった
「ニーナ…」
「…嫌だったなら、クリスから頼まれたときに断ってくれたら良かったのに」
「え、違うっ!そうじゃない」
「遅刻するなんて…映画見れなかったよりショックだわ」
「ごめん…白状すると…その
頼まれた、クリス隊長の代わりにだとしてもニーナと映画を観ると思ったら…嬉しくて…寝付けなくて…」
「ピアーズ…?」
「…ずっと想ってきた…ニーナとだから…」
「……」
「困らせるつもりはない…ニーナにはクリス隊長がいるのはわかってるから」
「え?」
「…本当は…言うつもりもなかったし…すまない。」
「…ピアーズは…クリスが好きなんじゃないの?」
「・・・・・・・・・・は?」
ちょっとまて…
クリス隊長をなんだって?
好き?
は?
「好きって…その…恋愛対象としてって事か?」
「違うの?」
「な、なんで俺がクリス隊長を?
俺はそっちじゃないっ!
確かに男として尊敬してるし憧れはある…だからといって、恋愛感情で好きとかは全くない」
「…そうなの?…みんなが『ピアーズは合コンやナンパはしないし女と親しげに話もしない…だからあいつは…』って話してて…」
あいつら…なんて事を
「俺の好きなのはニーナだ
好きな女がいてナンパなんて出来る男じゃない」
「ピアーズ…」
「他の女と話す時間があるなら…
少しでも…ニーナと…話したい」
フラれるってわかってるのに
何言ってんだ…俺は…
「…私…クリスの頼みだから嫌々来るんだと思ってた…」
「え?」
「遅刻も…嫌だから…」
「ニーナだからっ?!」
え?
俺の首に回るニーナの腕
鼻を擽る彼女のお気に入りのコロン
「…え、ニーナ?」
「…抱きしめ返してはくれないの?」
「…いい…のか?」
「…ぎゅ…って…して…ピアーズ」
俺は少し震えながら
彼女の体を腕の中にしまった
「…ニーナ…好きだ…」
「私も…好き」
*
*
◆END◆
❋2020・1・20❋
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