心臓の鼓動が止まっても
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「カカロットー!」
「な、なんだよベジータ大声出して
びっくりするじゃねぇか」
「…ニーナはどこだ」
「はぁ?…オラが知るわけねぇだろ
あまりにもベジータが復縁をひつこく言うからどっか行ったんじゃねぇか?」
「チッ…ニーナのヤツ逃げやがったな」
「諦めろよ、ベジータ…」
「カカロットは黙ってろ」
「だってよ~」
この俺がわざわざ来てやってるのに
あの女…
昔からそうだ…昔から…
俺は…あの女が好きだ
なのにニーナは
俺以外のヤツとも仲がいい
「あ、ねぇーちゃんだ」
「何?!…」
「ブロリーと一緒だな」
「ニーナ」
ニーナはブロリーにお姫様抱っこされて帰った来た
「ありがとうブロリー、もう大丈夫よ」
「ダメだ、ニーナは大事だ
だから家まで送る」
「オイ、お前
俺の女をお姫様抱っことはいい度胸だな」
「ベジータ…」
「…ニーナはベジータのじゃない」
「何だとブロリー」
「ベジータやめて、…ブロリーありがとう。本当に大丈夫だから下ろして」
「…わかった」
「で?…何?ベジータ」
「ニーナ…」
冷たい声
本来ニーナは優しい女だ
なのに
俺には冷たい
ニーナはカカロットの姉
下級戦士だが
天才型で戦闘能力はかなり高い
エリートと呼ばれる俺達と
対等に渡り合える程だ
その他にニーナの天才的な才能は
男を虜にする事。
見た目は確かに美しい
だかそれだけではなく
あるフェロモンを自在に出せる
それは神の力の如く
男を惚れされるフェロモン。
ニーナはその力を嫌っていて
滅多に出さないが
俺は無意識にそのフェロモンは
漏れていると思っている。
「ねぇちゃんお帰り」
「カカロットっただいまぁ」
弟のカカロットを見ると
俺の事などほったらかしに小走りで
カカロットめがけ飛び込む
「おっと…あぶねぇよねぇちゃん」
「フフ、カカロットがちゃんと受け止めてくれるって信じてるし」
「大事なねぇちゃんに怪我はさせらんねぇしな」
ニーナはカカロットに甘い
弟思いでカカロットをいじめようなら
そいつは半殺しに合う。
カカロットもそんな姉を尊敬して
大好きだと見てとれる
「…で?…ベジータ何しにきたの?」
「話は分かってるだろ」
「はぁ…また?…何度も言うけど、
ベジータと復縁するつもりはない」
「何故だ…俺のどこが気に入らないっ!あんなにお前を大事にしてただろ!!」
「……そうね…大事にしてくれた」
「なら何故…」
「……貴方を好きじゃ無くなったから」
「嘘だ!本当の事を言えニーナ」
「…もう話すことはないのさようなら」
そう言うとニーナは家の中に入っていった
「……何故なんだ…ニーナ」
「……なぁねぇちゃん…ベジータの事嫌いなんて嘘だろ…好きなんだろ?」
「…嫌いよ…」
「…じゃぁなんで…そんなに泣いてるんだ?」
「…っ…うっ…ヒクッ…」
「…落ち着いたか?」
「…フフ、少しね…」
「なんで…ベジータと別れたりしたんだ?」
「…………」
「…三ヶ月前の惑星制圧からだよな…
ねぇちゃんがベジータと距離おき始めたの」
「…可愛い顔してちゃんと見てるのね」
「そりゃぁ~大好きなねぇちゃんの事だかんな」
「カカロットったら……貴方が言うとおりあの惑星制圧の時ベジータが瀕死になったの」
「そうだった、そうだった…珍しくズタボロだったなあいつ」
それは
私のせいだった
その惑星の制圧は少し手こずった
ものの、予定通りの時間でほとんど
終わっていた
だけど惑星の王族の王子が1人と数人の側近が残っていた
私はその王子の罠にはまり捕まった
そいつはあろう事か私を気に入り
一緒逃げると言い出し
脱出用の船に乗り込もうとした
当然ベジータは、私を助けに来てくれた
その王子は私とベジータが恋人だと知ると激しく嫉妬した
それをベジータは見逃さず
相手を刺激した
その結果、王子は私を殺して自分も死ぬと言い出して爆弾を爆発させようとした。
ベジータはその王子を殺して爆発を止めようとしたけどもう遅くて
爆発してしまった
さすがに星を1つ消すだけの破壊力の爆弾、私も覚悟した
でも………
「でも?」
「…私を助けるため、ベジータは私の盾になって爆破の衝撃からまもってくれた」
「えっ?!…あのベジータが?」
「…辛うじて息はあった、私はポットを飛ばして帰ってきた」
「ねぇちゃん…」
「メディカルマシーンに入ってる彼を見てて、怖くなった…」
「怖くなった?」
「…今回は助かった…でも次は?
この宇宙は広い…私やベジータの手に負えない奴だってきっといる…そんな相手に出くわして…私のせいでベジータを失ったりしたら…私は…生きていけない…」
「…だから俺から離れるって?」
「ベジータっ?!」
「す、すまねぇねぇちゃん…」
「…カカロット…あなた…ベジータを」
「…見てられなくて…ベジータの事
好きなのに我慢してるねぇちゃんが…」
姉を思っての行動
カカロットは俺をこっそり部屋の外に待たせた
そして知ったあいつの本心
確かにあの時は
頭で考えるより
体が先に動いてあいつをかばっていた
それで俺は認識した
誰よりも
自分の命よりも
俺はニーナが大切なんだと
昔からあいつ…ニーナとは一緒だった
訓練やらナッパにイタズラやら
同じ時を過ごした。
ケンカもして女の癖にと毛嫌いしてる
時もあった、でも会わなければ
ずっとニーナの事が気になって
一緒にいない事が酷く悲しかった
『ああ…好きなんだな』
そう思って俺は無意識にニーナに
優しくしていた
恋人になり
俺のニーナに対する想いは
大きくなるばかり
命を投げ出せるくらい
「…ベジータ…」
「…俺が死んだら、お前も死ね」
「え?」
「ニーナが死んだら俺も死んでやる」
「ベジータ……」
「ずっと一緒にいたんだ
離れてる方が変だ、だからあの世にも一緒に行くだけだ」
「………」
「分かったか」
「あ、…」
細い腕をひっぱり
腕の中にニーナを取り戻した
「…お前は…俺の側にいろ」
コクリと頷くニーナを
力いっぱい抱き締めた。
*
☆END☆
*2019.6.2*