甘く切ない傷
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「―――――――――――オヤジー!!」
俺の人生…なかなか悪くなかった
息子たちよ……達者でな
ニーナ…ようやく
お前の所に行くぜ…
『ニューゲート…』
ニーナ…お前なのか?
何十年ぶりだぁ…
お前と出会ってから、ずいぶん経っちまったなぁ
あの頃は俺も若かった
あの日たまたまお前を見付けた
海賊同士の戦闘…
俺は相手の船に乗り込み勝利し
牢屋に入れられてるニーナを見付けた
「…た、助けてください…」
海賊である俺に助けを求めたお前は
美しく、取り巻く空気さえ輝いて見えた
その美しさ故
海賊に捕まり、ヒューマンショップに
売られようとしていた
家まで送り届けて欲しいと嘆願する
ニーナを放っては置けず
俺は仕方なく船に乗せた。
聞けばお前は貴族の娘
俺たちとは住む世界が違う
だが貴族特有の奢りや、傲慢といった
モノは持ってなく
優しく、厳しい女だった
「ニューゲート!またお酒ばかり
少しは食べなさい」
「ケッ、うるせぇな…俺の勝手だろうが」
俺の体を心配して何かと口うるさかったが…不思議とそれは心地よく
惹かれていくのを感じた
だが
お前を家に送り届ける間だけの関係
俺が手にいれていい女じゃねぇ
そう自分に言い聞かせていた時
思いもよらない事が起きた
「…ニューゲート…私、家に帰りたくない」
「ニーナ…お前何言って…」
「このまま連れていって…ニューゲート」
「…だが…」
「…貴方がイヤじゃなければ…お嫁さんにして…」
「は?」
「好き…」
夢でも見れるじゃねぇかと思うほど
飛び上がるほどニーナからの
告白は嬉しかった
「離さねぇからな」
「うん」
それから俺たちは共に過ごした
幸せだった。
だがその幸せは長くは続かなかった
海賊の戦闘は日常茶飯事
その日も俺たちは別の海賊たちと一戦交えいた
敵の海賊が一本の矢を放った
それはニーナに当たった。
その矢には解毒不可能な毒が塗られてあり、彼女は…………
「…ニューゲート…ごめんなさい、私…」
「…謝るな、お前を守れなかった
俺方こそ…」
「ううん、そうじゃ…ないの…」
ニーナは俺の手を自分のお腹に
置いた。
「……ニーナっ…まさか?!」
俺の問いにコクリと頷く
「ニューゲート…の、赤ちゃん…」
あぁっ!そんなっ!!
「守れ…なくて…ごめんなさい…うっ、…はぁ…」
「ニーナー!」
毒矢が刺さって3日後…
ニーナとお腹の子は天に召された
それから俺は伝説の海賊と云われるまでになった。
何十年も過ぎた
だが、お前を忘れる事だけは
出来なかった。
お前と過ごした日々は色褪せる事なく
俺の中に生きつづけた
そして、
今…俺は―――――――――――――――
ニーナ
お前の元に──────────
*
☆END☆
*2019.5.14*