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ー冠城sideー
特命係は暇な部署
今は何か事件とかないから右京さんも
おとなしい。
部屋に閉じ籠ってるものなかなか
時間も進まない。
だから右京さんから彼女と外でお昼を
食べる許可を貰ってご機嫌で
特命係に帰ってきた
なのに部屋にチラリと見えた背中は
男の物で
それもそれは俺が最も見たくない
奴の背中
『神戸尊』
かつての右京さんの相棒
そして俺が好きで恋人にしたい
女性『ニーナちゃん』の恋人
『急いては事を仕損じる』
そんなことわざがあるように
彼女にはゆっくり距離を縮める方が
最善と思い珍しくスローな
アプローチをした俺
だが……
ゆっくり過ぎたのか
気が付いたら彼女は神戸さんと
付き合っていた。
彼女の素性は謎だ
どういう経緯で特命係に来たとか
両親の事とか全く聞かない
でも彼女はみんなに愛されてる。
彼女の存在は特命だけではなく
かなりの広範囲で影響しているのは
確かだ、だからずっと誰とも付き合っていなかった彼女が
神戸さんと付き合う事になり
みんな心配している
認めたくはないが
すらりとしたイケメンな神戸さん
心配なのは勿論女関係でニーナちゃんを傷付けないか
まぁ彼女より可愛いとか
愛しく想う女とか
居ないに等しいのだが
だからと言ってこのまま結婚
なんて事になったら一大事
その前に
と言うかあまり彼女が傷つく前に
別れて欲しいと願う
願う…のだけど
彼女は神戸さんしか
見ていない
少し誘惑や優しくされたからって
ホイホイ気持ちが変わったりしない
それが彼女
「じゃぁニーナ、杉下さんに
この書類渡しておいて」
「はい、責任を持ってお預かりします」
「……………」
「神戸さん?」
「チュ、楽しみにしてるよ、仕事が終わったら迎えに来るからね。」
「っ?!///」
「なっ?!」
さりげなく彼女のおでこにキスをして
去って行った…
見せ付けて…くそっ~
どうにかして
ニーナちゃんを奪いたい
「………ニーナっ」
「あ、神戸さん」
いつもの時間…定時になっても
出てこない…。
少し心配になって車から出た時に
彼女の姿を見つけた
「お待たせしてごめんなさい」
「うん、それは良いけど何かトラブル?」
「あ、いえ…」
トラブルではない何かがあったんだと
すぐにわかった。
それは僕に言いにくい事と言う事は
「…誰かに…誘われた?」
「あ、いえ…………はい…伊丹さんと
冠城さんに…」
やっぱり
本当に諦め悪い
「ちゃんと断りましたよ。」
「ニーナ…」
少しうるうるとした瞳
真っ赤な顔
そして
「…わ、私も楽しみしてるんです
……神戸さんと一緒に…居られるの…」
「っ?!///」
また
この子は
恥ずかしがりやなくせに
たまに直球に嬉しすぎる事を口にする
それなりに恋愛はしてきた
女性の扱いにも自信はある
でもこんなにドキドキさせられるのは
彼女が初めてで
どうすれはニーナがもっと
俺を好きになってくれるか。とか
他に目移りしないようにするには
どうするか。
そんな事を悩んだりする
「神戸さん?」
「ん…ニーナが僕と同じ気持ちでいてくれ、嬉しい」
そっと抱きしめると
彼女は遠慮がちに僕の背中に触れる
もう何度か肌も重ねた僕達
なのに彼女の奥ゆかしい所は変わらない
それが可愛くて、愛しくて
どうにかなりそうなのを
必死に押さえる。
「…行こうか」
「はい」
車に乗り込み
エンジンをかけながら
「一旦、ニーナのマンションに行くね」
「え?」
「今日はお泊まりね。だからお泊まりセット…」
「は、はい…///」
そんな会話をしていると
以前から思っていた事を彼女に
提案する事にした
「…ねぇニーナ」
「何ですか?」
「いつでも泊まれるように
何枚か着替え、置いとかない?」
「え?」
「それかお泊まりと言わず、身の回りの物一式持ってきて、一緒に暮らそうか?」
「……えー?!」
「…俺さ、ニーナをマンションに送り届けるの、嫌なんだよ」
「神戸さん…」
「切なくて、寂しくて…」
「わ、私も…寂しいです。」
「…嬉しいなぁニーナもそう思ってくらてるなんて…だからね一緒に暮らそうよ。同棲がいやなら」
「いやなら?」
「結婚しよ」
「け、結婚?!」
「そっ結婚」
心底びっくりしてる顔してるけどね
ニーナ
俺は君と付き合うとなった時から
結婚する人と決めてたんだよ
「俺と結婚は嫌?…そんな事までは考えてない?」
「…あ、いえ…ただいきなりで…」
「…そっか…ごめんね君の気持ち…無視してるね…」
「あ、ちがっ…神戸さんの気持ち嬉しいし私も結婚したいです」
「本当に?」
「はい…///」
分かってるの?
俺は今、プロポーズして
それに君はOKの返事したんだよ
「これからはもう恋人じゃないね」
「え?」
「婚約者だ」
お揃いの指輪を左手の薬指に
はめて
皆に見せ付けてやる
「結婚式はみんなに来てもらおうね」
すべての人間に僕達が
夫婦になったと
認識させよう。
もう君は
この神戸尊の奥さん
他の誰のモノにはならない
*
☆END☆
*2019.6.1*