重なる愛
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「…オイ…なんだこの掃除の仕方は」
「え…」
「やり直しだ!!…」
「ちょっとリヴァイ…何度やり直しさせるつもりだい?」
ハンジが毎度の事の用に理不尽だと言わんばかりに言う。
「はぁ?…俺が納得するまでだ…お前は巨人とでも遊んでろ!!」
「機嫌の悪いこと…」
機嫌が悪い?
当たり前だろが…
家に妻を残し…調査兵団の宿舎に留まって何日経ってると思ってやがる。
「…ニーナ…もう臨月だっけ?」
「いや…産まれるのはもう少し先だ」
「そっか…」
ニーナ…
エレンの妹で元調査兵団の兵士。
そして俺が愛した女。
兵士としてあいつは頑張っていた
人一倍訓練をしていたし
何事にも真摯に向き合っていた…だが
結婚を期に止めさせた。
兵士でいれば一緒に居られた
だが危険も付きまとう。
壁外にでれば尚更だ…
壁外調査で失った部下や仲間には
悪いと思っているが…
まだ安全な家で俺を待っていて欲しかった。
「エルヴィン…家へ帰りたいんだが」
「リヴァイ…そうだな…」
「特に今は…あいつの体が心配だ」
「わかった…何とか帰れるようにしよう」
忙しのはわかっている…
色々とあちらこちらに探りを入れられているしな…だが…あいつの事だ
寂しがっているに違いねぇ…
寂しい思いや我慢をさせるために
結婚したわけじゃねぇんだ。
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「ニーナ…頼まれた物買ってきたぞ」
「ありがとうエレン」
ドサリとテーブルに頼んだ食料や雑貨を
置いてくれる兄のエレン。
私は大きなお腹を擦りながら動く。
「座ってろ…俺がしてやるから」
「ごめん…助かる」
「兵長は…また帰ってこれねぇみたいだな」
「うん…」
調査兵団のリヴァイ兵長。
人類最強の男と言われる人は
私の恋人だったが…数年前に夫にかわった。
両想いと知ったあの時は信じられない思いで歓びとともに不安も同じくらいあった
でも彼は私をお嫁さんにしてくれた。
調査兵団を止めろと言われたときは
些かケンカになったけど
心配性な彼に折れたのと…私が調査兵団に居ることで
彼が集中出来ない事を恐れた私は結婚を期にスッパリ止めたのだ。
それに私には彼との間に赤ちゃんが出来た。
元気に動く赤ちゃん
リヴァイもよくお腹を撫でてくれる。
いとおしそうに…優しく。
「はあ…」
「ニーナ…エライ大きなタメ息だな」
「…あ、…」
「兵長に会えなくて寂しいのか?」
「…あまりわがまま…言えないけど…やっぱり、寂しくて…凄く会いたい…」
「………う~ん…じゃ今から会いに行くか?…少しぐらいなら大丈夫だろ?」
妹に甘いエレン。
それは…山のように積まれた書類を確認し
整理して一休みしようと紅茶を入れた時だった。
「…ちょっと…リヴァイ!!」
ハンジの慌てる声。
「チッ…あの変態女…なんだ」
ドアを開けると…そこにいたのは
「ニーナっ?!」
家に居てるはずの妻の姿。
「リヴァイ…」
「お前…」
隣に目を向けるとエレンの姿もあった
「…エレン…お前が連れてきたのか?」
「は、はい…」
なんて事しやがる…
「エレンてめぇ…ニーナが今、身重だとわからねぇのか!?なぜ連れてきたっ!何かあったらどうするんだ!!」
「リヴァイ…エレンは私がリヴァイに会えなくて寂しいって言ったから…だから」
「っ…ニーナ…」
エレンの軽はずみな行動に怒りが押さえられず詰め寄る俺をニーナが止めた。
エレンに怒りを覚えるも…元はと言えば
帰れずにいた俺の責任でもある。
「チッ…」
「…ごめんなさい…邪魔して…」
別にニーナには怒っちゃねぇが
ワガママ言ってしまったと後悔でもしてるんだろう…。
「邪魔だとか思ってねぇ…俺こそ悪かったな…不安な時に側に居てやれねぇで」
「リヴァイ……ううん…」
「ホラ…」
両手を広げて受け入れてやると
大きなお腹がさきに俺に当たる。
「体…大丈夫か?」
「うん…少し張るけど痛みとか無いから大丈夫」
「そうか…オイ!エレン」
「は、はい」
「次こんな事しやがったら…削ぐからな」
「はいっ!すみませんでした」
俺はニーナをソファに座らせた
「待ってろ紅茶を淹れてやる…飲んだら一緒に帰ろう」
「え?…帰れるの?」
「帰る…後はエルヴィンに任せとけばいい」
そう言って彼女の好きな茶葉を取った時だった。
「ニーナ?!」
エレンの声が聞こえた
「どうしたん?!」
目をやるとソファでうずくまるニーナの姿。
全身の血がサァと引くのがわかった
「ニーナっ…どうした?!」
苦痛に歪む顔。
流れるようにでる汗
そして震える手…その手で俺の腕に掴まる
「…リヴァ…イ……っ…お腹…痛い…っ」
「エレン!…医者を呼べ!!」
「は、はい」
「赤ちゃん…っリヴァイ…助けて…っ」
「大丈夫だ…すぐ医者がくる…っ」
早く…早く…っ頼むから早く来てくれ…。
「……リヴァイ…ニーナは?」
「今…医者が中に…」
あの後すぐに医者はやって来た。
俺は外に出され急遽出産が始まった。
そして廊下に響き渡るあいつの悲鳴のような声。
その声を聞くたび…心臓が引き裂かれるほど苦しくなる…
心配でおかしくなりそうだ。
「…っ!?…止まった?」
思った瞬間ニーナの声ではなく
赤ん坊の泣く声が聞こえてきた。
「…産まれた…のか?」
*
*