その名すら愛しくて
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「…ん…」
朝…なのか昼なのか…
目を覚ましたときにはわからない
時計すらないこの部屋で…どのくらいの時間が流れどれ程の月日を過ごしたのか
私には全く
日の光を浴び…朝か昼かを考える。
ブラックに連れ去られ
この部屋で供に過ごすようになって
私は下界との繋がりを絶たれた
女の体とは恨めしいモノで…
あんなに嫌っていたのに
みんなの所に帰りたいと願っていたのに
ブラックから受ける快楽に堕ちて
従順になっていく…。
目が覚めるとブラックは居ないことも多い
人間を抹殺するため街に行ってるのだろう
だが…私が出ていこうとすると必ず
帰ってくるのだ
「何処へ行くつもりだニーナ」
「ブラック…っン…」
いきなり塞がれる唇
息さえも出来ないくらいの激しい口付け
「はぁ…あれだけ俺が愛してやってるのに…まだあんな奴等の所へ帰りたいのか?」
そしてすぐに下着の中に入ってくる
ブラックの手
「キスだけで感じる体になって…俺無しでは居れないぞ…」
「…ン…っあぁ…」
「今日もたっぷり体に教えてやる
俺の愛情を…」
再び始まる愛欲の時間
そして…当然の如く私の体に異変が始まる。
最近…ニーナの様子がおかしい
何かを考え込んでる
それに顔色も良くない
もしかして…それほどにこの俺が嫌なのか?
一目見て気に入り
ニーナの気持ちなど考える事なく
連れ去り、ここに閉じ込めた
毎日その体に俺の想いをぶつけ
俺以外の事を考える暇さて無くそうとした。
「…ニーナ。」
「…ブラック…」
テラスに出ていた彼女の体を背から抱き締めた。
体をこわばせるが抵抗はしなかった。
そして俺は手をお腹の方に回した
「…ん!?」
手には生命の温もり…
まさか…
「ニーナ…子が出来たのか?」
「っ!?」
瞬間離れる体。
「お願い…殺さないで…この子を…」
「ニーナ…」
「お願いブラック…」
「…俺は…お前を愛している…子をそんな女と出来た子を殺すわけないだろう」
その言葉にニーナは真っ直ぐ俺を見る。
初めて会った時のようにその瞳に
俺を映した。
ずっと…ここに来てからずっと
ニーナは俺を見なかった…。
現実から逃げるように…
「…ブラック…」
「…俺はお前の名すら愛しい…頼むから
俺を見てくれ…俺を…」
「…もう…ずっと…ここに居る…
子供と貴方とずっと…だから…人を殺さないで…」
「……殺していない…」
「え…」
「お前をここに連れてきて以来…人をこの手にはかけていない…汚れた手で…お前は抱けない…。」
「ブラック…」
「それほどに…ニーナを愛していると言う事だ…わかったか?」
瞳に涙を溜め、抱き付く愛しい女
この腕の中にあるモノだけを守れるなら
もう…世界などどうでもいい…
人間が自ら滅びの道に進もうと
俺の大切なものを傷付けなければ
それでいい…。
*
☆END☆
*2017.12.7 *