恋人の聖地レシピ
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私だけの人になって…
そう願った私の恋は彼の思わぬ告白で
叶った
嬉しくて、幸せで、私は彼のおかげで色んな感情を感じた
だけど…そんな幸せな私は…今は…
もう…いない…。
いるのは…嫉妬と妬み…そんな真っ黒い感情しかない私……。
「――ナミさぁ~ん、ロビンちゃぁ~ん、おやつとお茶をお持ちしました。」
「ありがとうサンジくん」
目をハートにして仲間であるナミとロビンにティータイムのデザートと紅茶を運ぶコックのサンジ…
「…はぁ…」
「どうした?ニーナ…」
「え?…」
「…今…タメ息ついたろ?」
「っ!?」
誰にも見られてないと油断してつい出たタメ息…それをゾロに見られた?…
「う、ううん…何でもないよ」
「……そうか…なら…いいが…」
「オイ!!…マリモ!!…俺のニーナちゃんに気安く話しかけてんじゃねぇ…」
「…サンジ…」
「ニーナちゃん…マリモヤローに何もされなかったかい?」
「うん…大丈夫だよ…ゾロは何もしてないから…」
「ケッ…やってろ…」
ゾロは呆れてキッチンへとおやつを食べに行った
そう…ナミやロビンにメロリンコック…それは私の彼氏だっりするのだ…
女性に紳士的で優しいサンジ…それに惹かれて好きになった…だけど彼氏になったらその彼の美徳が私を苦しめた
もちろん私にもすごく優しいサンジ
仲間のナミやロビンは大好きだ…サンジだって特別あの二人に優しい訳じゃない…
だから気にすることはないのかもしれない
だけど…割りきれない私の心…
「何かあった?…」
「え…」
「最近…よくぼんやりしてる…」
「あ、…そ、そう?…」
「ニーナちゃんの彼氏は俺なんだから…一人で抱え込まないで何でもいいなよ」
「…うん、ありがとうサンジ」
ちゃんと私の事を見てくれてる…さすがサンジ
そう私を幸せな気分にさせては、落とすのが彼の悪い所だったりもする…
久しぶりに私たちは街に降りた
それぞれみんな自分の欲しいものを求め街へ…
船番はゾロ
「…一人じゃ暇でしょ?…私も居ようか?」
「はぁ…いいよ別に…昼寝するしお前が暇になるぞ…コックとデートでもしてろ」
「もう…ゾロったら…人がせっかく…」
「早く行けよ…コックいっちまうぞ」
ゾロはそう言うといつもの場所でゴロリと横になり私に背を向けた
「仕方ない…行くか…」
本当は…街でサンジと居たくないのが本心…
綺麗なお姉様を見ると見境なしにメロリンしちゃう…それがたまらない。
でも…デートしたいと思うのも…確か…
私は彼の姿を探して街を歩いていた
すると、見覚えのある黒いスーツ
「あ、…サン…っ…ジ…」
私の目に飛び込んできた恋人と見知らぬ女…
彼女はサンジの腕に抱き付いて身体をピッタリとくっ付け歩いてる
心が闇に染まっていく…
どんどん…どんどんどんどん・・・・・
ゾロside
俺は…人生で初めてを経験している
初めての恋
初めての失恋
初めての未練
初めての妬み
「…はぁ…何が…居ようか?…だ」
初めて…の相手はニーナ
好きになっても望は無い…分かっていながら惹かれるのが止められず、ドツボにハマった…
特別綺麗だとか、そんな感じじゃないが
よく笑い、辛い事があっても愚痴の類いは言わない好感がもてる女。
だが…ニーナはコックがかっさらって行きやがった…女にだらしないあいつにとられるのは我慢ならねぇが……あいつが好きなら仕方ない。
あいつが幸せなら我慢もするさ
あいつが…ニーナが幸せならな
「…ん…」
甲板に人影…
「…ニーナ?…」
あいつ…サンジの野郎と一緒なんじゃ…
「ニーナ帰ってきたのか?」
「……ゾロ…」
「っ!?」
いつも笑顔のニーナ
その瞳は輝いてキラキラしていた
だがその瞳に今見てとれるのは光を失ったかのような虚ろな目…
そして…ポロポロと落ちる雫
「何があった!?」
「………っ…」
「………サンジ…か?」
いつもあんなに笑顔でいるお前が
そんなに泣くのは…多分…あいつの事
「……話したくないなら…無理には言わねぇが…今なら俺とお前だけだ…他に聞く奴はいねぇ…」
「……誰にも…言わないで…」
「…あぁ…」
そして…ぽつりぽつりと話始めるニーナ
「……サンジが…女の人と…腕を組んで…歩いていたの…」
「…あいつ…何してんだか…」
ニーナの手前…冷静に聞いてるが
内心…サンジを殴りつけてやりたい
「…でも…まぁ…なんだ…あいつの事だ…困ってるのを見て見ぬふりは出来ねぇから…」
「今日が初めてじゃ…ないの…」
「え…」
今…なんて言った?…
「付き合い初めて…もう…何度も見てるの…多分…浮気…っ…」
「っ…あのヤロ…っなんで…すぐあいつを問い詰めねぇんだ!!」
「…イヤ…っだけど…私の所に帰って来てくれるなら…我慢…私が我慢すれば…っ」
「…ニーナ…」
「私が…我慢してれば…」
「…それで…幸せか?…」
俺が大切に想ってきたニーナ
こいつが幸せなら俺は…俺のモノにならなくても…とずっと思ってきた…。
なのに、いつからなのか心を殺してあいつのとなりで笑顔で居たなんて
「…私……」
肩を震わしポロポロと泣くニーナ
こんな傷付いたニーナを抱き寄せない…そんな選択肢は俺にはなく。
少し力を入れたら折れそうな華奢な身体を引いて腕の中に閉じ込めた
「…ゾ…ロ…」
「……まだ…我慢…するかのかよ…」
「……それは…」
「こんなに傷付けられて…それでも…あいつがすきなのか?…」
『俺ならお前を傷付けない』
そう言葉が出そうなるのを飲み込んだ
今言った所で冷静に判断出来ねぇだろうし…気を揉むだけだ…今は言えねぇ…。
「コラァ!!…マリモヤロー…何してやがるっ」
「っ…サンジ…?」
サンジはゾロに抱き締められてた私を引っ張り自分の腕の中に閉じ込めた
「サンジ…っ!?」
微かに香る香水…きっと…あの女の人の…
「気安く何してやがる」
「…………てめぇには言われたくねぇな…」
「なんだと…ニーナちゃんもダメじゃん…あんなエロ剣士に…」
「ゾロは泣いてた私を慰めてくれただけ」
「泣いてた?」
私の言葉に意味が解っていないと言う顔をするサンジ…
どうして…そんな顔が…出来るの!?
私の心が折れた瞬間だった
「ゾロはいつも優しい…私の事をいつも気にかけてくれて…」
「ニーナ」
「ニーナちゃん…俺だって…」
「サンジは私以外にも優しいし…女の子なら誰でもいいんだよ!!」
「そ、そんなわけないじゃないか…俺は君の彼氏なんだ…」
「…じゃ…なぜ…街に降りるたび…女の人と宿に入ってくの?」
「っ!?…ニーナちゃん…」
驚いたサンジの顔…私が気付いてると…バレていると夢にも思ってなかったのだろう
「ニーナ…」
倒れそうな私を察してくれたのか
ゾロが支えてくれた。
「…あ、あれは…ただの」
「『ただの浮気』?…そう言いたいの?」
「っ…」
「…サンジは素敵な人よ…だからモテるのもわかる…元々…女性に優しいし大好きなのも知ってる…」
「ニーナちゃんっ…」
「でも…もう…サンジと居るのは…ムリ…だよ」
「っ!?そんなっ…」
私が口にした別れの言葉に反応し駆け寄ろうとしたがそれをゾロが制してくれた
「…………」
「…………」
無言で睨みあう二人
そんな張り詰めた空気の中可愛い声が入ってきた
「ただいまぁ~」
「あ、チョッパーお帰り~」
「ニーナ♪見てくれ…珍しい薬の原料見つけたんだ……どうした?…ニーナ」
チョッパーは、リュックから色々と出してニーナに見せてるとニーナの顔はみるみるうちに真っ青になり…苦しそうにした
「…っ…」
「ニーナっ!?…サンジニーナが…」
チョッパーはサンジを呼んだ
その声からただ事じゃないと思ったその場に居たサンジとゾロは慌てて駆け寄った
「ニーナちゃんっ!?」
「ニーナっ…おいチョッパー…どうしたんだ!?」
「わからない…とにかく…俺診るからサンジ部屋に運んでくれ」
「わかった」
サンジはニーナに触れようとした手を
彼女によって払われた
「…ニーナちゃん…っ…」
「…俺が運ぶ」
ゾロはニーナを抱き上げてチョッパーと共に部屋に消えた
「……俺は…なんて事を…っ…」
少ししてゾロだけ部屋から出てきたが
サンジとは目も言葉も交わさず
時間だけが過ぎた
30分ほどしてチョッパーだけが出てきた。
それに駆け寄るサンジとゾロ
「…チョッパー…ニーナは?」
「………病気じゃない…」
「本当か?チョッパー…ニーナちゃんは…」
「でも…あまりムリは良くない…」
「「え?」」
「……ニーナのお腹には赤ちゃんがいる」
「「っ!?赤ちゃん?」」
「……ニーナちゃんの…お腹に…赤ちゃん…俺の…」
「………」
「…サンジ…ゾロ…ニーナには誰にも言わないでくれと頼まれた」
「え?…」
それからしばらくたったある日
その日はニーナが船番だった
「はぁ…」
妊娠がわかってから多くなった
ニーナのタメ息…。
「…最近タメ息ばかりだな…」
「ゾロっ!?…」
「…ほら…毛布…体冷やすな」
「……ありがとう…」
私の妊娠を知っているのチョッパーと
ゾロと…サンジ。
後の仲間は知らない…だから船番も回ってくる…。
「…ゾロ?…」
ゾロは隣にドカッと座るとお酒を飲みはじめた
「…ホットミルク…奴から…」
「……ありがとう…」
あれから口をきかなくなった私とサンジ…
サンジはいつも私に話しかけて来るが…私が一方的に無視をしてる状態。
「………生まねぇのか?」
「…っ……」
「…ニーナ」
「……迷ってるの…」
「…奴は?…なんて?」
「……夫婦になって赤ちゃんを育てようって……でも…私…サンジの事信じられない」
「……産みたいのか?」
「…産みたい…けど…っ…怖いし、不安だし…」
「…サンジと別れるなら…俺と育てるか?」
「……は?…」
「…俺はお前が好きだ…サンジの野郎と付き合う前からな…」
「ゾ、ゾロ…」
チュッ…
目の前が暗くなったと思ったら
唇に触れる暖かいもの
…それはゾロの唇
そして少し唇を離し
「お前が産む子供なら父親になれる…」
ゾロの突然の告白。
「…んっ…っ…」
再び重なるゾロの唇
少し開いた所から舌が入ってきて私の
舌と絡めあう。
「…ふっ…っ…ゾ…ロっ…」
ゾロにされる口付けは…サンジとは違う…
私…私…っ
「……ゾロ…」
ニーナはポロポロと涙を出し泣き出した
「っニーナ?!」
「…ゾロ…私…」
「ニーナちゃん!!」
「サンジ…」
「俺…バカだったよ…君を傷付けて…
大切なのに…っ」
「…サンジ…っ」
「…もう…君を傷付けるような事はしない…絶対…だから…」
「…サンジの事…好き…大好きなの…
でも…サンジが他の人と…そう考えるだけで、私は…真っ黒い嫌な人間になっていくの…嫉妬して、妬んで…醜く…なるの…」
「…ニーナちゃん…」
「…でもね…それでも…私はサンジじゃないと…」
「え…」
ニーナはサンジに抱き付き
「…お願い…もう他の人に触れないで…」
「約束する…もう2度と…君を傷付けるような事はしないと」
ゾロの告白はとても嬉しかった…
あんなに求められて嬉しく思わない女の子は
きっといない…でも…
キスをされたとき…サンジじゃない事が
ひどく私の心を動揺させた…そして
気付いた私の想い…サンジじゃないと
私はダメだということ…。
ゾロは私の涙を見てそれが分かったのだろう…いつの間にか居なかった。
「…ニーナ…」
え…今…呼び捨て…した?
「キス…していい?」
「…え///」
「ゾロにされてたでしょ?…消毒しないと」
そう言うとサンジは優しく唇を重ねた
それは角度をかえ深くなってゆく。
「…ニーナ愛してる」
次の日
「「「「えぇ~ニーナが妊娠?!」」」
「…は、はい///」
驚きながらもみんな祝福してくれた
それは凄く嬉しかった
「…ゾロ…」
みんなと少し離れた所に座っていたゾロ
「良かったな…」
「…あの…」
「…幸せにしてもらえ…」
ゾロは頭をひとなでしてこっそりと
「また、何かあれば言いに来い…その時はもう…遠慮しねぇから」
と言ってにこりと笑ってその場を去った
「ニーナっ」
「サンジ…」
「ダメだよ…俺から離れちゃ」
「…はぁい」
ナ「なんだか…サンジくんの過保護ぶり…ひどくなってない?」
ロ「フフフ…取られまいと必死ね」
サンジを見てみんなが思うのでした。
*
☆END☆
*2016.11.8*