君と俺の愛の奇跡
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―――結婚――――
それは俺が夢見た事
大変なのはわかってるつもりだ
他人だった二人が同じ屋根の下
同じ姓を名乗って生きる事。
育った環境も違う者同士一緒に生きるのは
大変だと思う
でもそれよりもこの人と居たい
誰よりも愛しい
そう思うからこそ結婚するんだ…
俺…井上薫にはその愛しい人は
ニーナただ一人
笹「ねぇ~ニーナ今日予定ある?」
帰り支度をしていたニーナに笹本さんが話しかけた。
「あ、いえ…特には…」
ちらりと俺をみる彼女…。
本当はこの後俺の家来る予定なのだが
俺とニーナが付き合ってる事は秘密にしているから断りの理由を言えずにいる。
「何…まさかこの後デートとか?」
実はそうっスよ~…と心の中で呟く
「いえ…」
「じゃぁ行こう…ニーナ連れてくとみんな絶対喜ぶと思うし」
「そんな事はないと思いますけど…」
あ~…俺も合コンにニーナが来たら
テンション上がるなぁ~それに絶対
狙う……ってこんな悠長な事思ってる場合じゃない…
「あの…笹も」
「笹本…今日はニーナを休ませてやれ」
俺が出すはずの助け船を尾形さんが出した
「今日はハードだったからな」
今日は尾形さんと二人である政治家の
護衛だったニーナ。
「はい…わかりました」
尾形さんに言われるとさすがの笹本さんも
諦めるしかない
「じゃぁ…俺とメシでも行こうよニーナちゃん「パンッ!!」イッテ…何するんスか笹本さん」
「さっきの係長の言った事聞いてなかったのかよ…」
「メシくらい良いじゃないっスか」
「私が諦めたんだからお前もダメなんだよ」
「なんスかそれ…」
無茶苦茶だが俺には有り難い
「じゃぁ…俺は帰ります。お疲れ様ッス」
「「お疲れ~」」
「私も帰りますね。お疲れ様でした」
「「お疲れ」」
「ニーナゆっくり休むんだぞ」
「は、はい…」
あれは…俺に宛てたメッセージ…
『あまりニーナに無理をさせるな』という。
尾形さんもニーナには何かと世話や
気を回しすぎなんだよね…。
エレベーターに乗ると同期の田中が先にいた。
「あ、一郎くん久し振り」
「ニーナ久し振り…今日はもう帰るの?」
「そうだよ~一郎君も?」
「あぁ珍しくね…なんだよお前は」
それは後ろから二人を見ていた俺に振り向き言った言葉だった
「別に」
「いつもにまして不貞腐れてる顔だな」
「フフフ」
「何笑ってんだよニーナ」
「別に~」
「久し振りにご飯でも食べない?」
「っな…」
「あ…ごめんね一郎君…今日はダメなの」
ニーナは顔の前で手を合わせながら
言った。
「そっかぁ…残念、じゃぁまた今度」
「うん…またね」
同期の田中と楽しそうに話した後
やっと俺に目線を向けた。
「怖い顔~薫」
そう言いながら俺の頬をつつく
「止めろよ…」
「一郎君の事そんなに嫌い?」
俺は黙ってニーナの前をスタスタ歩いた
「薫ったら…待ってよ…」
同期で何故かニーナはあいつと仲が良かった。田中が女子と喋るのはニーナだけで当時からよくご飯や遊びにと行ってるようだった。
「…またって…行くのか?」
「へ?」
「あいつと…メシ…」
「…薫…行かないよ…一郎君とご飯とかもう…薫と付き合うようになって1度も行ってないし」
「ふーん…そっか…」
「機嫌良くなった?」
「べ、別に俺は…」
機嫌が良くなった…と言うより
ニーナの言葉を信用出来る事が嬉しかった。
別段、メシくらい同僚と言う立場なら
可笑しくないし…ましてや浮気じゃない
でも…ニーナが俺以外の奴と楽しそうにしてるのが我慢出来ない。
嫉妬と独占欲が俺の中からどんどん出てきて…どうしようもなくなる
「…ごめん…ニーナ。」
「え?…何が?…」
家に着きエプロンをして食事の支度をしている彼女を後ろから抱き締めた。
「…薫?…」
「…メシ…」
「…メシ?…もう少し待って…すぐ出来るから」
俺が晩ご飯の催促をしたと勘違いして慌てるニーナ。
「…違うよ…田中と行きたいんだろ?
昔から仲良かったし…」
「…あ…その事か…いいよ薫、私別に行きたいとか思ってないし。一郎君には悪いけど…。」
「ニーナ。」
「私ね…薫がとても好き…あなたが抱えてる事も全て」
「…ん…嬉しいよ」
彼女には…俺が子供の頃に経験したあの事件の事も俺に起きた異常な力も全て…付き合う時に話した。
別に話さなくてもいいことだと思ってたのだが…どうしてか彼女には知って欲しいと強く思った。
俺の事を、話してもニーナなら受け入れてくれると…変な自信があった。
案の定ニーナは俺が話す事をじっと聞き、驚きながらも話が終るとソッと俺を抱き締めてくれたのだった。
「…ヤキモチ…妬いてくれたんでしょ?」
「…まぁ…」
「嬉しい…警察学校では薫…必要以上は話さなかったし、好かれてるなんて思って無かったんだよ」
「…それは…」
「それなのに再会してた時の変わりよう
ちょっと以外だった」
「…ずっと好きだったんだよ…再会したらそりゃぁ躍起にもなるだろ…それに…」
「それに?」
「…結婚したいと思ってたし」
「っ!?…え…」
「俺には家族がいない…なってくれないか?…家族に」
「……………」
返事がない…やっぱ…早かったか?
それか俺とは結婚まで考えてない?
「私…で…いいの?…」
かろうじて聞こえた声。
それは嬉しい返事。
「ん…ニーナがいい…」
抱き締めてた腕に力を込めた。
すぐ結婚は仕事や色んな事があるから
無理だろうけど…。
真剣にニーナとの事を考えてると
彼女に示したい。
「指輪…指にはさすがに出来ないだろ?
ネックレスに通して…首にかけてて」
「うん。」
「でも…今は…指にしてて」
彼女の為に買った誕生石をあしらった指輪
それを左手の薬指に通して
「婚約指輪だから…これからは恋人じゃ無くて…婚約者ね俺たち」
頬をピンクに染めて恥ずかしそうに笑いながらコクリと頭を縦に降る彼女が可愛すぎて…
「…ンッ…っ…かお…る…」
「ごめん…我慢できなくて…」
彼女の唇を堪能した。
でもそれだけではすみそうになくて
「……ねぇ…メシは後にしない?」
女神のような俺の婚約者はたぶん
俺の願いを叶えてくれる
*
☆END☆
*2017.8.17 *