愛華 ~零~
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「幸村」
そう拙者を呼ぶのは大名桜乃どのの
一人娘の新奈姫さま
華も恥じらう美しさ…そう例えられる程の
麗しい姫さま。
父上である桜乃殿は立派な方で
お館様も一目置いているほど
でもそれは織田も上杉も同じ
ただ違うのは伊達どの
伊達政宗どのは姫さまと幼少から仲良く
いわば幼馴染み。
「幸村…なんだか難しいお顔…」
「あ、申し訳ござらぬ…」
「フフフ…また戦の事でも考えていたのでしょ?…」
「そんな事は」
拙者とは釣り合わないのはわかっているのだが…惹かれて心奪われてしまったてから
他のおなごは全く目に入らなくなり
恋煩い真っ只中。
「…戦は嫌いです…幸村や政宗…多くの友人が傷つくのですから」
「姫様…」
心優しい姫様
色恋に疎い拙者ですら欲しいと熱望
してしまうほどの方。
そんな姫様を狙うは拙者だけでは勿論ない
「新奈…こんな所で何してる?」
「政宗、貴方こそどうしたのですか?
私は幸村とお茶をしていたのですよ」
「ふーん…幸村とお茶ね…」
伊達どのはその鋭い視線を拙者へ向けた
戦場で合間見える時とはまた違う視線を
「政宗も飲む?」
「ん?そうだな」
そう言うと政宗どのはあろうことか
姫のお茶をその手から奪い飲み干した
「お前が淹れたのか?」
「フフフさすが政宗ね…当たりです」
その会話や二人の雰囲気で感じる
共に過ごした時間の長さ。
元親どのや前田どのとも話すお姿を見たことがあるが
伊達どのと話す時ように心揺さぶる笑顔ではない。
姫様は…やはり伊達どのをお慕いしているのだろうか
「新奈姫、少し拙者と散歩などしてくださらぬか?」
「お散歩ですか?…はい」
どうか…拙者を好きになってはくださらぬか…そんな願いをしてしまう。
「悪かったな真田…こいつは俺と約束があってな…連れて帰る」
「え?政宗!?」
「伊達殿!?」
止めるより早く伊達殿は姫様を抱きかかえ
馬に乗せて走り去った。
そしてしばらくして
桜乃の姫と伊達政宗が婚儀を行うと
知らせが入った。
*
☆END☆
*2017.8.4 *