ダイヤモンドの輝き
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
カラン
と名札を裏返し帰り支度の特命係の
警部 杉下 右京。
「では…お疲れ様」
「あ、右京さん花の里行きません?」
そう右京を誘ったのは部下の冠城 亘
「いえ…今日はけっこう、他に寄る所があるので。冠城くん…一人で行って下さい」
「一人で?…ですか?…今日はニーナちゃんは非番で居ないし…」
『ニーナちゃん』と冠城が言ったのは
特命係の捜査官の一人
『柊 ニーナ』の事で
冠城は密かに想いを寄せていたりするのであった
「…今日はおとなしく帰りますか」
冠城は右京の後を追うように特命係を出た。
―― 次の日 ――
「おはようございます。」
と特命係に入って来た冠城
「おはようございます。」
右京の挨拶も無視し部屋を見渡し
「あれ?…彼女はまだですか?」
「ええ~、まだですねぇ~」
「珍しいですね…彼女いつも右京さんより早いのに」
「後、5分程したら来ると思いますよ…毎年この日はそうですから」
右京は紅茶をのみながら言った。
「毎年…ですか?」
「はい、毎年」
右京の言う通り5分程した時彼女が来た。
「おはようございます。右京さん 冠城さん」
「おはよ…ニーナちゃん?!何、その荷物…」
ニーナは両手に抱えきれないほどの
プレゼントを持っていた。
「あはは…皆さん相変わらず優しくて…」
「本当に君は人気者ですね~」
「あ、あの…右京さん?ニーナちゃん…一体これは…」
「おや?…冠城くん知らないのですか?」
「知らない…何をですか?」
「今日は彼女…ニーナさんの誕生日です」
「ええ!?…誕生日?」
「は、はい…」
「荷物が増えて申し訳ありませんが…コレは僕からの贈り物です」
「す、すみません…右京さん…ありがとうございます」
ニーナは頭を深く下げ受け取ると
「あ…いつもの右京さんが飲んでる紅茶のセイロンですか?」
「流石ですね…昨日やっと入荷したと連絡を貰って貴女の誕生日に間に合ったと胸を、撫で下ろしながら取りに行ったんですよ」
「嬉しいです♪」
ニーナは本当に嬉しそうに右京からの
プレゼントを胸に抱き笑顔で言った。
「右京さん…今日彼女の誕生日って事どうして教えてくれなかったんですか」
冠城はニーナに聞こえないようにコソッと右京に言った。
「君の事だから知ってるものと思ってましたが…」
「っ!?…」
「今年もたくさんですね~ニーナさん」
机に置かれたプレゼントに目を向けて
右京が言った
「そうですね…わざわざプレゼントくださるなんて皆さんマメですよね」
「ふふふ、それは貴女だからてはないですか?」
「私だから?」
「ヒマか?」
お決まりのフレーズで特命にきたのは
隣の角田課長。そしてその手には
「はい♪ニーナちゃん…プレゼント」
「わぁ♪ありがとうございます角田課長」
「角田課長まで?!」
「そんな高いモンじゃないけど」
「角田課長ったら…お気持ちだけで嬉しいです。」
「相変わらずいい子だねぇ~…ところで彼氏からはもう貰ったのかい?」
「彼氏っ?!」
「角田課長、彼氏なんて…」
『いません』
そう言うとした彼女の言葉は訪れた男によって発せられなかった。
「僕からは
今夜渡すのでご心配なく角田課長」
「神戸さん?!」
「おはようニーナ。」
神戸はニーナの腰に手を回し
「誕生日おめでとう…今日ディナーを予約したから付き合ってくれる?」
「ありがとうございます…でも…ディナーなんて…」
「ちょっ、ちょっと待って…ニーナちゃんの彼氏って…」
「初めまして、ニーナの彼氏の 神戸 尊です」
「もう!…違うでしょ…神戸さん」
「そっ…違う違う…俺が彼氏だよな」
そう言いながらニーナの首に
ダイヤのトップが付いたネックレス素早くを着けた男…
「カイト!?…」
甲斐 亨である
「あっ…やっぱニーナには似合うなぁ…4月の誕生石ダイヤモンド」
「こんな高価モノ…要らないのに…」
「ニーナの誕生石だぜ…彼氏としては当然だろ?」
「ありがとう…でもカイトも違うでしょ彼氏じゃ…」
「えぇ~」
「ニーナちゃん…彼氏って…」
「いないですよ…二人もと…悪ふざけし過ぎ…冠城さん…信じちゃったでしょ…」
「違うんだ…(ホッ)」
「警部どの…誰が彼女のハートを射止めると思う?」
「さぁ…どうでしょう」
「冠城の奴も彼女の事…好きなんだろう…」
「みたいですねぇ…」
「まぁな…あのルックスに天然…ほっとけないタイプときたもんだ…それにあの笑顔は見てて癒される」
「確かにそうですねぇ」
角田と右京が話してる間も3人は何やら
言い合いしてるようで…
「神戸さんとカイトはそろそろ自分の部署に帰らないと…上司に怒られますよ…」
「そうですよ…お二人とも帰って下さい」
「僕は大丈夫…大河内さんが今度ニーナが一緒に飲みに行くのを了承してくれたら、今日の事は目を瞑ってくれるそうですから。」
「え…そのくらい…私は良いですけど…」
「俺だって…ニーナがうちでのディナーの招待をOKしたら、少々の事は話を通してくれるって…親父が」
「甲斐さんが!?…招待はお受けするけど…
カイト…わがまま言っちゃダメだよ…」
「ニーナちゃん…君って…」
「もうっ…ちゃんとお仕事してください
神戸さんもカイトも…」
「わかった…ニーナに怒られると…堪えるからな…」
「俺も…」
「フフフ…良かった…じゃ~お仕事頑張ってね」
「「はぁい」」
「あ、今日は車で来てるからディナーの後送ってあげるね…その荷物は電車ではむりでしょ?」
「そんなディナーなんて悪いです…」
「だよね~帰りは俺が送ってあげるから安心して」
「もう…カイトまで…」
「「彼氏の仕事でしょ」」
「二人とも彼氏じゃないでしょ…もう…右京さん助けてください」
ニーナに助けを求められた右京は
カップを机に置き
「君達…いい加減になさい。嫌われますよ」
右京の一言でピタリと止まる二人
「今日は彼女は約束があるので貴方達と帰れませんよ」
「えぇ~マジで?」
「それは残念…」
二人は諦めて特命係りを後にした。
「ありがとうございます右京さん」
「君からのお願いはついつい聞いてしまいますので」
「助かります♪…冠城さん…朝から騒々しくてごめんなさい…」
「あ、いや…大丈夫だけど…御免ね」
「は?」
「俺…知らなくて…何も用意してなくて…」
「そんな事…気にしなくていいですよ。
なんか…毎年の恒例行事みたいになってて…皆さん止めるにやめれないだけですよ」
「皆さん…って…誰?」
「えっと…右京さん、角田課長、米沢さんに陣川さん…大河内さんや甲斐さん…後は伊丹さんと芹沢さん…神戸さん、カイトです…」
「………」
「冠城さん?」
「あ、…凄いね…あの伊丹さんまで…」
「彼女はみんなから愛されてるんですよ」
「そんな…大袈裟です右京さん」
「そうですか?…あ、それと今日空いてるなら店に来てほしいそうですよ…幸子さんが」
「女将さんもか……まぁ彼女は女だし…ライバルではないか…うん…」
「冠城さん?」
「何もないよ」
「失礼します」
「おや…」
「青木くん、おはよう」
ひょっこり特命に顔を出す青木
「どうしたんですか?こんな朝早くから」
「今日はニーナさんのお誕生日とお聞きして…ささやかな贈り物を」
「えっ?…お前も!?」
「青木くんまで…」
「お誕生日おめでとうございますニーナさん、これはプレゼントです」
「ありがとう…わざわざごめんね」
「いいえ、こんな事御安いご用ですよ」
「…今年から…また増えましたね恒例行事に参加する人が」
「…こんなにライバルが要るなんてなぁ…」
一人出遅れた冠城 亘
ダイヤモンドのように輝く彼女を
射止めるのは
はてして誰なのか…。
*
☆END☆
*2017.4.7 *