恋するキャッチャー
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
初めてその人を見たのは
憧れで俺にとって目標的な人
クリス先輩と楽しそうに話してる姿だった
「彼女…かな?」
そう思うくらいクリス先輩も彼女も近い存在な雰囲気だった
でもマネージャーの彼女は誰に対しても
優しく明るく接する人で
すぐにクリス先輩の片想いなのだとわかった。
でもそれはクリス先輩だけじゃなく…
哲さんと純さんもその一人
「…なんだかんだ…モテるんだよな…」
俺は高嶺の華と思いながらも…好きになった…
だけど…彼女は誰にでも優しく接するのに
何故か俺だけには素っ気なく…冷たかった。
嫌われてる
たまらなかった
そう思うと是が非でも…少しでも俺を
見てほしくてある日…。
「…話って?」
俺は先輩を呼び出した。
「…目も合わせてくれないんスね…」
「え?…」
「俺の事…嫌いなのは…わかってる…けど…俺は先輩が好きだ」
「…え…御幸…」
「…ハ…ハハハ…嬉しくもねぇよな…
目も合わせないくらい嫌ってる俺から好かれても…でも、嫌われてるってわかってても…先輩が他の男に話しかけたりしてるの見ると…スゲェ…腹立って…」
「………」
「あ、クソ…俺何言って…」
「嫌ってない…」
「はぁ?…嫌ってるだろ…どう見たって…わっ!?…先ッン…っ」
え…俺…先輩と…キスしてる?
………スゲ…柔らかい…っ…
「…はあ…」
「先…輩…あの…」
「嫌ってない…信じて…くれた?」
「え、はぁ…まぁ…」
「好き…なの…」
……今…好きって…言わなかったか?
「先輩…?」
「…御幸が好きで…普通に話せなかったの…ごめんなさい…誤解…させて…」
「…マジ…かよ…」
俺は一気に力が抜けてその場に座り込んでしまった
「み、御幸?!…大丈夫?」
「俺…スゲェ悩んでたのに…」
「ごめんなさい……っ!?きゃっ」
俺よりもずっとずっと華奢な体を
腕の中に閉じ込めた
「あ、あの…御幸…///」
「今日から…俺のね…先輩」
一瞬大きな目はさらに大きくなったが
すぐにその目は優しくなり俺を見つめて
「はい」
と一言を言ってくれた。
それからは俺達が付き合ってると言う事は
あっと言う間に広まった。
「―――御幸…ちょっといいか」
それはクリス先輩からの呼び出しだった
「あ、はい…」
予想はしていた。
ニーナ先輩をあんなにいとおしそうにいつも見つめてる彼の事だ
横から先輩を奪った俺に文句が言いたいに
決まってる…だからって何か言われたからといって彼女と別れたりなんてしないけど
「クリス先輩…」
「…ニーナと付き合ってるって…本当か?」
「はい…(ニーナ…か)」
「…そうか…」
そう言うとクリス先輩は何も言わなくなり
暫く沈黙が続いた。
そして…
「…大切にしてやってくれ…」
「え…」
「泣かせるような事はやめてくれよ」
クリス先輩は少し寂しそうに笑うと
ポンっと俺の肩を叩くとその場を去ろうとした…
「それだけですか…」
つい口からでた言葉…。
だって…仕方無いだろ…あんな風に
見てるのに恨み言ひとつ言わないなんて…
俺なら言わずにはいられない
「…それだけ…とは?」
「ニーナ先輩が好きですよねクリス先輩…なのに…」
「………はあ」
先輩はひとつため息を吐くと俺を睨み付けた
「じゃぁ…返してくれるのか?…」
「えっ」
「俺が何かお前に言えばニーナを返してくれるのか?」
「そ、それは…」
「あいつと俺は幼馴染みでずっと小さい頃から好きだった…」
「幼馴染み?…」
仲良くて…距離が近かったのは幼馴染みだったから?!
「今…お前と付き合っていてもいいさ」
「は?」
「…俺は…あいつと一緒に生きていきたいんだ…意味…わかると思うが」
一緒に生きていきたいって…将来…結婚するって事か?…
「目先の色恋沙汰じゃく…将来俺の隣に居てくれればいい」
そう言うとクリス先輩は行ってしまった。
「なんだよ…将来って…」
俺とニーナ先輩が付き合って
1ヶ月ほど過ぎた。
だが相変わらずクリス先輩とは距離が近い…
知らない人が見たら恋人同士に見えるほどだ。幼馴染みの二人だから仕方無いのかもしれないが彼氏としてはこの上なく不愉快だ。
「…先輩!」
つい呼んでしまった…特に用事もないのに…
「じゃね侑…無理はダメよ」
「あぁ…分かってる」
彼女はクリス先輩に手を振り俺の方へ
駆け寄ってくる
「どうしたの?御幸…」
「………」
「御幸?」
「俺の名前は一也なんだけど」
キョトンとする彼女。
「彼氏の名前くらい…呼んでくれよ…」
「…御幸……わかった…これからは、一也って呼ぶから…私の事もニーナって…呼んで?」
「え…///」
「彼女なんだから…先輩じゃ…ないでしょ?…」
「う、うん…わかった…」
俺は彼女の腕を引っ張た…いきなりの事で
体勢を崩すが俺はその体を支えるように
抱き締めた
「一也?…」
控えめに彼女から発せられた俺の名前
名前を呼ばれるだけで心臓がドクリとする
なんて…かなりヤバイ
俺は彼女の耳に唇を近付け…
「ずっと好きだニーナ…」
「っ?!///」
俺の言葉を聞くと彼女の腕が背中に回った
「私も好きよ…一也」
ニーナは瞳を潤ませて少し頬を染め
俺を見つめた…そんな顔を見せられて
俺は吸い寄せられるようにニーナの
唇に自分の唇を重ねた。
「…ん…っ…一也…」
「スゲー好き…」
そして再び彼女の唇へ…
クリス先輩がどう思ってようといいさ…
俺だってニーナを離さなければ
いいだけの事。
誰にもやるもんか。
亮「…アレ…何?…御幸の奴見せ付けちゃって」
純「あの野郎!」
哲「良いのか?」
クリス「その内返してもらうさ」
少しばかり前途多難な御幸の恋は
始まったばかり。
*
☆END☆
*2017.6.10 *