天使の如く
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―人間0計画―
それは私がやるべき事…
「……さすがにこんな山奥には人間は居ないか…」
ふらりと入った山奥…。
のどかで人の手が加えられてない森
美しいな…そんな事を思っていたとき
きゃぁぁぁーっ
と声がした
「人間か?…」
私は声がした方に足をむけた。
すると崖から足を滑らせたのか
女が落ちてきた…。
「っ!?…」
「…え…」
自分の腕の中に女がいた…
驚くことに…自分から手を差しのべた
「…あの…」
地上に降りてもしばらくそのまま
動けなかった…。
「お前は…何者だ?」
「え…私は…この山奥に住んでる…んですけど…」
「名は?」
「ニーナ…です…あなたは?」
「私は…ブラック…」
これが…私と天使のように美しいニーナとの出逢い
人間を憎み消そうとしていた私に
突然降って湧いた恋心…。
「私が…人間に恋するなど…っ」
そう思うがいざニーナを見ると
じゃけには出来ず。
「…ニーナ」
「ブラック…来てくれたの?」
「…会いたくて…っ」
「嬉しい…」
ニーナは育ててくれた祖父以外に
人は見たことがなく、私の事は普通の
人間だと思っている。
下界と繋がりがないニーナ。
だから…容姿だけではなく心も清らかなのだ
「―――ブラック…最近何処に行っている…」
「………」
「…まぁいい…戯れも程々にな。」
「………っ」
戯れ?…いや違う…私は戯れでニーナ
と居てるわけじゃない…っ
「ニーナ…」
何時ものように玄関で名を呼ぶが返事はなく…だが、部屋の中には気配がある。
「っ!?」
ドアを開けると…そこにはザマスの姿。
「ザマス…どうしてここに…」
「ブラック…」
「…この女が…お前の心を乱してるのか?…」
「ザマス…ニーナを傷つけるな」
「…まさか…傷など付けませんよ」
「は?」
「こんな美しい人間…傷をつけるわけありません…」
ザマスはニーナの手を取り、甲に
口付けをした。
「あ、あの…ブラックのお友だち…ですか?」
「…そうですね」
「ザマス…お前…っ」
何を考えてる?…
それからザマスもニーナの元へ来るようになった…
「ザマス…お前なぜニーナの所に…?」
「…ブラックと同じだと…思いますよ」
「なっ!!…」
「彼女は…不思議な人間です…
その理由が何なのか…わかりました」
「理由?…」
「彼女は神に加護を受けた人間です。」
「神の加護?」
ザマスは私の手を取るとシュッと
傷を付けた
「お、おいザマス」
「ニーナ、ブラックが怪我を…」
「え?! 大変…見せて」
慌てて駆け寄るニーナ
「これくらい…」
「すぐ治してあげる」
え…治す?
ニーナはザマスが付けた傷の場所に
手のひらを重ねた…
するとそこから淡いひかりが漏れた
「っ!?…」
ザマスはそれを見ながら微笑んだ
「ほら…これで大丈夫だよブラック」
「あ、ありがとう…」
「わかりましたか?ブラック」
なるほど…ニーナは神から
祝福を受けて産まれたのか…
私が引かれたのは美しかっただけでは
なかったのだな
「ニーナ…」
「ブラック?」
白いキレイな肌をしたその頬を指で
撫でると
少し赤くなる彼女
神である私が…ときめくなど…
だが…そんな事…惚れてしまった今となれば無駄なあがきと言うやつで…。
「私と来ないか?」
「…え…」
「私の側にいてほしいニーナ」
ニーナは頬んで目に涙をためて
抱き付いてきた。
「私も…ブラックといたい…」
「ニーナっ」
抱き締めようとした瞬間…パッと離れる
そしてザマスに向き直ると
「これで…ザマスさんとも一緒ですね」
と言ってザマスににこにこ笑いかけた。
「ですねニーナ、良かったです」
「ニーナ?…」
「ブラック…彼女に恋心をわからせるのは…少し先になりそうですよ」
「……っ…」
少女のようなニーナ
俗世に繋がりを持たないがゆえに
人が抱く恋には全くの無知…。
まぁいいさ…時間はまだある
ゆっくり私の色に染めていくのも
悪くはない
「私にもチャンスはありますね」
とザマスの一言
・・・・・前言撤回。
「ニーナ…チュッ」
「っ!?…ブラッ…ク?」
ゆっくりなんてしてられない
ニーナを見つけたのは私だ
天使のような…いや
私にとって天使
誰にも渡さないさ
*
☆END☆
* 2016.12.15 *