君だけに届く想い
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「おはよう~翔ちゃん」
「おはようニーナ…あれ?吉田は?」
「ちづ姉はもうすぐ来ると思うよ…忘れ物したって取りに帰ったの」
私は吉田ニーナ
姉の千鶴とは双子
『翔ちゃん』と言うのは風早翔太くんの事。
爽やかイケメンの好青年。
所謂、幼馴染みって奴だ
そしてもう一人…
「あ、龍おはよう」
「ん…はよ…」
『真田 龍』
彼も幼馴染み…そして私の好きな人…でも
彼は…私の姉を…想っている
「………」
じっと私をみる龍。
「な、何?…龍」
「一人で来たの?」
「え…途中までちづ姉と来たけど…」
「ふーん…」
ホラね…龍はいつもちづ姉の事ばかり聞く…
「すぐ来るよ…心配しなくても…」
「…別に心配してない…」
「ふーん…あ、爽ちゃん♪おはよう~」
「あ、ニーナちゃん…おはよう」
爽ちゃんはちづ姉と仲良くなった新しいお友達…だから私ともお友達…そして
翔ちゃんの愛しい彼女でもある。
「(いいな…爽ちゃんは…好きな人と両想いで…私は…最初から片想いプラス叶わない恋…)はぁ…」
「…………」
「…翔ちゃんと爽ちゃんはゆっくりラブラブしながら来てね~私先いくから~」
「え…や…ニーナちゃん///」
「……翔太…俺も先行く…」
「え?…ああ…」
「おはよう♪ニーナちゃん」
「あ、おはよう~三浦くん」
「…健人でいいって言ってるのに」
「ああ~…そうだったね…健人くん♪」
三浦健人くんは女の子大好き 優しい男の子
「可愛いなぁ~ニーナちゃん…」
「またぁ~…そんな事ばかり」
「本当だよ…付き合って欲しいくらい」
彼は私の両手を握り間近で言った
ち、近い…
「わ、私なんか…健人くんには…釣り合わないよ…」
「俺…わりかし本気なんだけど…」
「え…」
一瞬、真面目な顔をした健人くん
つい…赤くなってしまいそう…
「邪魔」
「っ!?」
「真田…邪魔なのはお前だよ…
もう少しでニーナちゃんを落とせそうだったのに」
「もう…健人くんいい加減にしてね…ごめんね龍、邪魔だったね」
「…ニーナ お前…」
「ん?…何」
龍が何か言いたげな表情で見つめるも
言葉は聞けず…それは
「ニーナっ…見っけ~!」
「ちづ姉…っ…」
姉の千鶴が飛び込んでニーナに
抱き付いた。
「…千鶴…」
「あ?…龍、何してんだ?」
「別に…」
「あ~…龍、お前ニーナに変なちょっかい出してたんじゃねぇだろうな…」
「ち、ちづ姉…何いって…っ」
「千鶴…うるさい」
「なっ!?」
ハハハ…龍、機嫌悪くなった…
そりゃぁ…ねぇ…好きな相手に言われれば
気分も悪くなるよね…
……諦めるためにも…
早くくっついてくれないかな?…
「―――え?…日曜に買い物付き合え?」
「うん…いい?ちづ姉…」
「いいに決まってんじゃん♪」
「ありがとう♪…じゃぁ…10時に駅で…」
「は?…一緒に出ればいいじゃん…どうしてわざわざ…」
「わ、私…少し寄りたいとこあるから…
外で…待ち合わせで…」
「ふーん…別にいいけど…」
私は二人をくっ付けようと
日曜にデートのセッティングを目論んだ
後は…龍だ
「ん…」
ポケットに入れていた携帯がブルッた
ディスプレイを見ると…
「ニーナ……はい…」
〔あっ…龍…今大丈夫?〕
「大丈夫だ」
〔良かった…あのね日曜ヒマ?〕
「日曜…たぶん」
〔じゃ♪…デート…してほしいんだけどいい?…10時に駅…じゃぁね…〕
「おい……」
デート?…
「これでよしっ!!…」
……諦められるよね…二人とも
好きなんだもん…幸せになってほしい
そして日曜
「――――なんで龍が居んの?」
「…それはこっちが聞きたい…」
お互い目を丸くして頭にはハテナマークが
飛ぶ…
「ニーナと買い物の約束してたんだ」
「…俺もニーナから誘われた…」
「…何考えてんだ?…ニーナ」
「…………千鶴…」
「何?」
「この際だからお前に言いたい事がある…」
「なんだよ…改まって…」
「はぁ…」
私は二人が会うのを確認して
その場を離れた。
「告白はしなくても…距離は確実に
近付くよね…」
龍はちづ姉の事好きなんだもん…
このチャンス…棒には降らない。
これで…私も次の恋ができるよね
「……彼氏欲しい…」
思わず出ていた独り言
「じゃぁ~俺とかどう?」
「っ!?…びっくりした。健人くんか…」
いきなりの声と肩に手を置かれ 凄くびっくりした。
「で?…返事は?」
「返事?…」
「彼氏…欲しいんでしょ?」
聞かれてた!!…
ボッと赤くなる顔
「(あ…可愛い…)」
「あ、ちがっ…///」
「…俺…ニーナちゃん好きだし」
「……」
「ニーナちゃん」
「…どうして…健人くんはそんな
簡単に好きとか言えるの?…龍みたいに一途っ…」
「龍?…真田?…」
「なんでもない…っ…」
「……ニーナちゃん…真田が好きなんだ…」
「ち、…違う…」
言ってみるも既に時遅し…
「……告白…しないの?」
「するわけないよ…龍はちづ姉が好きなんだもん…」
「え?…吉田?」
もう…龍を好きで居ても…どうにもならない……
「ニーナちゃん!?」
「あ…っ…」
ポロポロと出てくる涙…
止めようとすると余計出て…
「ご、ごめんなさい…っ」
「…大丈夫…我慢しなくていいから…」
「オイ…っ…何泣かせてる…」
「っ!?…」
「さ、真田!?…」
「ニーナ、大丈夫?」
龍は私の顔の位置まで自分の顔を下げて
私の涙を指で拭ってくれた…そして
その広い暖かい腕の中に閉じ込められた
「り、龍…!?///」
「俺…ニーナからデートに誘われて
喜んで行ったのに…そこに居たのは千鶴って…どういう事?」
「え…」
「俺の事からかったの?」
「ち、違う…っ…龍とちづ姉を…くっ付けようと…」
「…どうして俺が千鶴と?…俺が好きなのはニーナなのに」
ぎゅうっと抱き締められる
そんな中でもまだ夢をみてるようで…
「うそ…私…ずっと龍は…ちづ姉の事…」
「俺…ずっとニーナが好きだった…」
「嬉しい…私も…ずっとずっと好きだった」
「うん…」
「あ~あ…俺けっこうマジだったんだけどな…ニーナちゃんの事…」
まぁ…仕方ないか…あんなにお互い
一途なんて…
健人はその場をソッと後にした。
そして…
「こらぁ!!…龍…可愛い妹を泣かせたら
ただじゃ済まさねぇかんな…」
「ち、ちづ姉…」
「泣かせるわけない…千鶴、うるさい」
「なっ!?…」
「ニーナ おいで…」
龍はニーナを連れだって出ていった
「千鶴…うるさい…」
「ハハハ…心配性だね…龍が私を泣かせるなんて…」
「……いや…泣かせるかも…」
「…えっ!?」
龍は耳元で…
『ベッドの中なら哭かせる』
「っ!?///」
真っ赤になる私のおでこに優しく
口づけをしながら
笑顔の龍…。
ずっと好きだった龍になら…
私の想いが届いた貴方にだけ
すべて捧げます♪
*
☆END☆
*2016.12.8*