緋い糸のその先に
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「おはよう~丈助」
「はよっ…」
「丈助、ニーナちゃん行ってらっしゃい」
「行ってきます~おばさま」
俺は東方丈助、隣で一緒に歩いているのは
俺の最愛の彼女のニーナ。
「おはようニーナ」
「あ、おはよう億泰くん」
ニーナにとって挨拶を笑顔でするのは
特別な事でもないのだが…
どうしても我慢出来ない俺。
「ほら…早く行くぞ」
彼女の手を握ると億泰から離すように
その場からはなれた。
「丈助?…どうしたの?」
「ん?…なんでも」
他の男となんて喋るな…なんて
女々しい事言えるわけがねぇ…
好きでどうしようもないけど
それをなかなか素直に言えない事が
最近の俺の悩み…。
どうして悩み始めたかと言うと
「やぁ、おはようニーナ」
「あ、おはよう露伴先生」
「先生なんて…『露伴』でいいよ…ニーナは特別だから」
岸辺露伴…杜王町に越してきた漫画家
俺は漫画は読まないから知らないが
人気漫画家らしい…こういちが言っていた。
その漫画家の露伴はあろうことか俺のニーナを気に入ったらしく
隣に俺が居るのもお構い無しにニーナを口説く有り様
「オイコラ…こいつにあまり近付くな」
「……………ニーナ、学校まで付き合うよ。鞄かして持ってあげるから」
ちらりと俺を見て…またニーナに向きなおした。
「…え…でも…」
「いいから…ほら…」
露伴は半ば強引にニーナの鞄を
奪って学校へと向かいだした。
「あの野郎っ…」
毎朝こんな調子だった。
「あの野郎ニーナちゃんが何も言わないのを良いことにどんどん強引になってじゃねぇか」
憶泰がさっきのを見ていたのか俺に言った。
「露伴の奴に取られるぞ丈助…いつコロっといくか分からねぇんだしよ」
「はぁ?…ニーナはそんな女じゃねぇよ…」
「でもよ…優しくねぇ男より優しい男の方に女ってやつは弱いらしいぞ」
「…優しくなくて悪かった…」
あいつの事はよく知ってる…
ホイホイ別の男に乗り換えるような女じゃない…けど…憶泰の言葉が耳から離れない…
確かに俺は優しい男じゃない…
あいつにろくに『好き』だとか『愛してる』とか言わない
「付き合う時に言ったくらいか…」
「何を?」
「っ?!ニーナ?…いつの間に…」
「何かぼんやりしてたね…何度も呼んだよ」
「そ、そうか…悪かった…」
「もう~…早く行こう♪」
ニーナは俺の手を握り教室へと引っ張った
放課後になり一緒に帰ってると
「あっ…承太郎さんだ」
ニーナは前を歩く承太郎さんを
見付けた
「承太郎さん」
「ん…ニーナ、今帰りか?」
「はい♪」
ニーナの後ろを歩く俺と目が合うと
「丈助も一緒か…」
なんだよ…俺が一緒じゃダメなのかよ
どいつもこきつも…ニーナは
俺のなのに!!
「また…何かあったんですか?」
「いや、ただの散歩だ」
承太郎さんとニーナは俺の事は
お構いなしに喋っていた
「…おい…行くぞ~」
みっともねぇ…嫉妬なんてよ…
でも…でも…
「丈助?…待って…失礼しますね承太郎さん」
「ああ」
「待ってよ……ねぇ」
「……………」
「丈助…待って…」
俺はニーナの言葉を無視して
スタスタと先を歩いた
「丈助…どうして怒ってるの?」
「っ…クソ…わかんねぇのかよ!!」
「じょ…丈助…?」
「学校でも男に告白されるわ…露伴には迫られるわ…おまけに承太郎さんと楽しく話してるわ…俺の身にもなりやがれ!!」
「………丈助…もしかして…ヤキモチ?」
「っ!?…ばっ…ちげぇ///」
「…」
「はぁ…そうだよ!!…かっこ悪りぃ
いちいち嫉妬なんてよ…でもな…嫌なもんは嫌なんだよ…お前は俺のだろ…」
「丈助…///」
「好きな女が他の男と仲良くなんてよ
見たくねぇに決まってるだろ」
「…ごめんね…丈助」
「…やだね…許してやんねぇ…」
「え…そんな」
本当は…俺も悪い…
格好ばかり気にして
ニーナにちゃんと「好き」だとか
言ってやらなかった。
でもそれは間違いなんだよな…大切だからこそ口に出さないと…
「ニーナ…」
「何?っ!?」
軽く触れるニーナの魅惑的な口びる
「丈助…///」
「今はコレで我慢しててやる」
「今は?」
腰を折りニーナの耳に口元を下ろす
そして呟くように
「覚悟しろよ…今日は俺ンちに泊まりだ」
「え!?///」
「…たっぷり…囁いてやるよ」
「え?…?」
俺はニーナを見た瞬間感じたんだ
こいつは俺の女だって
赤い糸…運命…その類いのやつだ
だからそれらを誰かに切られないように
手繰り寄せとかねぇとな
*
☆END☆
*2017.6.2 *