空狐になろうとも
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「――今日からこと病院のドクターとして働くとになった玉藻京介くんだ」
「よろしくお願いします」
「……………玉…藻先生?」
彼女が〇〇病院のナースということで
少しでも側に居るため同じ病院の同じ科で働く事にした
「キャ~ちょっと…かっこよくない」
「はぁ…(狐の妖怪だけどね)」
「彼女とかいるのかな?」
「どうなんでしょう(人間の彼女はいて無いんじゃないかな)」
「何歳くらい?」
「……(400年は軽く生きてるよね)」
私を見てキャキャ言ってる女は初めから
眼中にない。
私が手に入れたいのはただ一人
ニーナ だけ
「ニーナ こらから宜しくお願いしますね」
「え…あ、はい…こちらこそ…(呼び捨てにした…)」
「私のことは京介 と呼んでください」
「え…京介?…どうして」
「あなたはいずれ私のモノになるからですよ…」
「・・・え?」
病院勤務1日目に人目も憚らず
そう宣言した彼
そのせいで彼にハートマークを飛ばしていたナース達は敵意剥き出しに私をみた
「玉藻先生…お食事でも行きませんか?」
1人のナースが言ってきた
この女…前にも誘ってきたな…
全く面倒くさいですね…何度も何度も
「すみませんね…ニーナと約束してるので」
「付き合ってる訳じゃないですよね…」
「…そうですが…何か?」
「………」
「彼女はいずれ私の恋人になるんです。
この私が惚れたんですから…諦めません」
「可哀想ですね玉藻先生」
「可哀想?」
「彼女は素手に違うドクターとお付き合いしてますよ」
何だって…
これだけ私が想いを告げているのに…
他の人間となんて…
「…だから…ね玉藻先生…私が慰めて…」
「人間の分際で…私に触れるな」
「っ!!」
玉藻のその迫力に恐怖を感じたナースは
逃げるように帰った。
「…ニーナ…」
「おはようございます。」
「おはようございます。玉藻先生」
玉藻は挨拶するとニーナに触れる事無く通り過ぎた。
「(あれ?…今日はあっさりしてる?)…」
違和感は感じたがそれほど深くは考えなかった。
だが彼の態度は今までのそれとは違って
目も合わせない、笑いかけてもこない
仕事での会話以外の会話は無くなった…
それが1週間、2週間と続いた
そして3週間が過ぎようとした日
「待って下さい玉藻先生…」
「……なんでしょうか?」
帰る所の彼を呼び止めた。
「…やっぱり、目も合わせてくれないんですね…」
「え?…っ!?ニーナ?」
ニーナはポロポロと涙を流していた
「私…玉藻先生に…何かしましたか?」
「ニーナっ…」
「どうして…急に…冷たく…っ…」
「……仕方無いでしょ…妖弧でありながら人間である貴女を愛してしまった…その気持ちは簡単には変えられない…忘れるためにも貴女のためにも…こうするしか」
「私を…愛してるって…」
「そうですよ…一目惚れです…こうして貴女に冷たくしてるのに、愛しさは募るばかりで…私だってどうしたらいいのか分からないんですよ…」
鳴介が『悪いやつじゃない』と言ったその言葉は疑っていなかった…幼い頃から知ってる彼は人を見謝るような人間じゃないから…でも…こんな妖弧は私しか知らないだろう…。
何かを我慢するように自分の額に手をあて
グシャリと前髪を握る姿…その切なそうな顔を。
私は彼が可愛くて、愛しくて…おもわず
抱きついてしまった
「っ!?…ニーナ?」
「…抱き締め返して…くれないの?」
「良いんですか?…そんな事して…」
私は返事をする代わりに腕に力を込めた
彼もその意味がわかったのだろう
力を込めた私の腕から抜け出し抱き締め返してくれた
「……もう…引き返しませんよ…貴女を奪いますから」
「………奪う?…誰から?」
「お付き合いしてる男からですよ…」
「………お付き合い…誰が?」
「ニーナですよ!!」
「私…お付き合いしてる人…居ないけど」
「は?」
*
*