朝露草
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俺は今…あまり会いたくない男と並んで座っている。
テレビの番組で対談の話が俺に来た。
気は進まなかったが…出ることにした。
ア「――東選手はご婚約されたとか」
急にふられるあいつの話。
東「はい」
ア「相手はチームメイトの喜多村投手の妹さんとか?」
三「………」
東「ええ…まあ…」
三「チョー可愛いんですよ…彼女」
ア「三嶋選手もご存じなんですか?」
三「もちろん。美少女で高校生の時から有名でしたから」
東「………」
ア「そうなんですか?…じゃぁ、高校生の時からのお付き合いなんですか?」
東「そうです」
三「俺も好きだったのに…まんまと持ってかれたんだよな~」
ア「三島選手も…ですか?どんな方が気になりますね~天才と怪物を惚れさせた女性なんて」
東「普通の女です…」
三「………」
ア「ははは…そうですか…あ、でも栄養士とマッサージ師の免許をお持ちだとか」
三「ニーナちゃんスゲェ~」
東「スポーツマッサージです…俺の為に…取ってくれたんです」
三「へぇ…いいなぁ…彼女にしてもらえるなんて…今度俺も頼もうかな」
東「っ!?…」
三「彼女優しいから…頼めばしてくれるだろうね」
東「お前になんて会わせるわけないだろう…(まだ諦めてねぇのかよ)」
三「どうして?…(諦めが悪くてね)」
東「この前写真撮られたモデルにでもしてもらえ(人の女に手をだすな!)」
三「あれは彼女でも何でもないさ…ただの友達。(人の女でも手を出したくなるくらいいい娘だからね)」
ア「あ、あの…」
東「三島…」
三「だいたい…俺が先に告白したのに」
東「先にしようが後にしようが…選ぶのはニーナだ…」
三「東…」
ア「は、はいそろそろお時間ですね。今日は東選手と三島選手に来ていただきました…ありがとう御座いました。シーズンお二人とも頑張って下さいね。…それでは皆さんさようなら~」
「…プッ…ハハハ…何これ?」
「……うるさい…」
「アナウンサーの人困ってたよ雄平」
俺と三島の対談の放送を見てニーナは
ケラケラと笑って楽しそうにした
「でも…雄平…何時もにまして機嫌が悪い…テレビなのに」
「仕方無いだろ…三島が…っ!?…ニーナ…」
ニーナはいきなり俺の膝の上に座り
抱き付いてきた
「栄養士だってマッサージだって…雄平の為に何かしたくて頑張ったの」
「あぁ…知ってる…すごく感謝してるし…嬉しいよ」
「だったら…三島くんの挑発に乗っちゃダメ…雄平が彼に劣ってるとは思ってないけど…私の雄平は野球界ーの素敵なバッターなんだから」
「おいおい…野球界ーって…」
「私が選んだ人なんだから…それくらいで居てくれなきゃ」
「フッ…お前は俺にやる気を起こさせる天才だな…(だが…三島の場合…挑発じゃなくて…妬みだな)」
「…雄平…キス…して?」
「珍しいな…お前から言うなんて…」
「ダメ?…」
「いいや…大歓迎だ……ほら、目閉じろ…開けたままがお好みか?…俺は構わないが」
俺が言うとニーナはその潤んだ目を
ソッと閉じた。
珍しく彼女からのアプローチ…自分で思うより嬉しいようで…はじめから深く長い口付けになり…。
「…ん…雄……平…っ…はぁ…っ」
「悪い…キスだけじゃ止まらない…」
俺は彼女の体を抱き上げベッドへと
向かった。
そして空が明るくなりはじめた頃に
意識を飛ばしたニーナを
抱き締めながら…
学生の頃を思い出しながら眠りについた。
今も変わらず俺の隣に居てくれる
愛しい女。
一生離すもんか…と、決めて
手に入れたニーナ
その姿をしっかり確かめ意識を手離した。
「…ニーナ…愛してる……」
彼女の耳にそう残して…。
*
☆END☆
*2017.4.4 *