愛シキ人
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「なぜ、こんなところまで?」
「…貴方に…伯符に会いたくて…」
「え…」
新奈が…俺に?
趙雲に…想いが戻ると…
俺は不安だった。
結果的には政略結婚ではなかったとしても
心にはあの男への恋心は消えたわけじゃ
無かったはず…
自分の為に最前線にまで赴き
わざわざ自分の手で取り返しに来たんだ
そんな事…されたら…
「伯符…?」
「…再び…お前に触れれるなんて…
無いかもしれないと…思っていた…」
「私は…貴方の妻です…」
「新奈…」
「趙雲を嫌いではないです…でも…私が愛しているのは…伯符だけ…」
「俺も…愛しているのはお前だけだ!!」
再び…新奈をこの腕に抱ける
なんて…
俺はその腕の中の存在を確かめるように
新奈を抱き締めた。
「…孫策…再会の喜びを邪魔するのは
忍びないが…ここは呉と蜀の間…趙雲が来ないとも限らない…」
「周瑜……そうだな…行くぞ新奈」
「はい…」
「何処に行くのですか?…新奈様」
「っ!?…子…龍…」
白馬に跨がり竜胆を片手に暗闇から
出てきた。
孫策は新奈を自分の背中に隠した
「…新奈様…帰りましょう…殿も心配しています…」
「子龍…」
「私たちの婚儀を楽しみにして要らしてますよ…」
「婚儀…だと?」
「ごめんなさい…私は伯符と帰ります…」
「なぜ…」
「……」
「新奈は俺の妻だ…俺と帰るのが道理だ…」
「なんだと…っ」
伯符 は周瑜に目配せすると
周瑜は私を伯符から離した。
「子龍…引いてください…」
「新奈様…それはできません…」
戦えば…どちらかは死ぬ…
「伯符っ…」
「待ってろ新奈…お前は…俺のものだ…誰にもわたさねぇ」
そして二人の死闘ははじまった…
二人とも一歩もひかない攻防戦…
個々の能力は互角…。
「周瑜…孫権どの…私が、伯符の所に
嫁いだのが…間違いだったのでしょうか?」
「新奈様……」
「姉上…」
「あの時…子龍に受け入れてもらえなくても…国に留まって居れば…伯符が…こんな事に巻き込まれなかった…」
「新奈様…例えこの戦いで孫策が命を失おうとも…貴女を妻に迎えたことをあいつは後悔なとしないでしょう」
「周瑜…」
「貴女だけを求め…愛した孫策は
呉で新奈さまと過ごした日々を
何事にも代えがたい時間だったと思っているはずです」
「伯符…」
「はぁ…はぁ…」
「どうした…はぁ…息が上がってるぜ…趙雲将軍?…はぁ…」
「お前こそ…」
チッ…さすが蜀の五虎大将の一人…そして
新奈が惚れた男…。
腕は確かだな…
「はぁ…新奈は必ず蜀の地に連れ帰る…私の妻として生きるのだ」
「子龍…」
「はっ!!…笑わせる…新奈の想いを無下にして…俺の所に嫁ぐのを黙って見てた男が今更…俺の新奈に触れるなっ!!」
「くっ…」
「新奈は…もう死ぬまで俺のものだ…っ…誰にも…誰にも渡さんっ!!」
「私は…っ…彼女をなんとしても取り戻すっ!!」
その時、子龍が伯符の武器を弾き飛ばした
「っ!!…くっ…」
「はぁ…っ…これで…終わりだ!!」
子龍の竜胆が伯符目掛けて降り下ろされた
「っ!?…新奈…様…」
超雲が孫策に降り下ろした竜胆…
だが孫策の前に身を呈した新奈
超雲の竜胆がピタリと止まる。
「…伯符を斬るなら…私も一緒に斬りなさい…」
「新奈っ…何言ってる!!…」
「新奈様…」
「貴方と私は…もう同じ道は歩けないのです…私が貴方に想いを告げた時…それを子龍…貴方は受け入れてくれなかった…あの時が私達が供に生きられる…唯一の機会だったのです…」
「………新奈様…」
「子龍は…大切な人です…それは否定しようのない事実です…ですが…」
新奈は孫策を胸に抱き
「新奈っ///」
「愛しいと想う人は伯符だけ…この人の深い愛が…敵国である呉でも私に幸せな時間をくれたのです…私を呉の人間にしてくれたのです」
「…新奈」
「っ…この男と供に死を選ぶと?」
「はい…私は伯符の妻としてこの命果てます」
「…わかりました…」
「っ!!やめろ…超雲っ!!」
振り上げられた竜胆は…虚しくその場に
ガシャンッと落ちた…
「子龍……」
「…私に…貴女さまが…斬れるわけがないでしょ…っ」
「……子龍っ…」
「…お行きください…」
「え…」
「兵も間も無く来るでしょう…そうなると…」
「子龍…ありがとう…そして、ごめんなさい」
「――――本当に良かったのか?」
孫策は馬に股がり新奈とふたり
走らせていた
「伯符…私が…お嫌いですか?子龍と供に蜀に留まった方が…良かったと?」
「そんなわけねぇ!!…だが…もう…蜀には
戻れねぇぞ…」
「元より私は貴方の妻になった時から
蜀に戻る事は頭にはありません」
「新奈、お前ほどいい女は世界中探してもいねぇ…」
「伯符、それは誉めすぎですよ…私など
何処にでもいてるただの女です」
いや…新奈お前はただ一人の
俺の大切な女だ…
「伯符?」
「もう…何があっても離さねぇから」
今度こそ…
ふたりのどちらかが
死を向かえるその時まで
離しはしない。
*
☆END☆
*2016.12.16*