少しの勇気
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「――じゃ…行ってくるねチビ」
「ニャァ~」
私はチビ…愛猫に手を振り仕事に出掛けた
私が働いてるのは『ポアロ』という
喫茶店
「おはようございます」
「あ、おはようございます。広美さん」
返事してくれたのは一緒に働く安室さん
「あ、…おはよう…ございます…」
いつも通り梓さんだと思い
挨拶したら…今日は安室さんだった事に
少しびっくり…。
「すみません…僕で…」
「あっ…いえ……き、着替えて来ますね」
「はい。」
彼は笑顔で言ってくれるが…私は
その笑顔に笑顔を返す事が少し苦手。
「……気…悪くするよね…あんな態度じゃ…はあ…」
わかってはいても…かなかな難しい
安室さんは紳士的でとても親切だ
私があんな態度取っていても変わらず
優しくあいさつしてくれる
接客も私が男の人を苦手なのを
気づいてい、男性客は彼が接客してくれる
「――――ニーナさんハンバーグ定食お願いします」
「は、はい」
お昼になるとありがたいことに
私が作る定食…特にハンバーグを目当てに
お店に足を運んでくださるお客様が
けっこういてる。
紅茶も評判よく
休憩には梓さんや安室さんからもお願いされる。
「お姉さ~ん…僕もハンバーグ」
「コナンくん、いらっしゃい」
「こんにちは、ニーナさん」
「蘭ちゃんもいらっしゃい♪」
「やぁ…コナンくん、蘭さん」
楽しそうに話す安室さん…
蘭ちゃんが少し羨ましい…あの人と
あんなに自然に話せるのが…。
私には…無理だから…。
「あっ!!」
ボーっとしていたから
油が跳ね手にかかってしまった。
「大丈夫ですか?!」
慌てて駆け寄ってくる安室さん
そして私の手を流水にあててくれた
「良かったですかね…そんなに赤くはなってないです」
「あ、はい…あ、ありがとうござい…ます」
いきなりの事で安室さんが私の手を握っていることに気が付かず…。
「す、すみません…」
と安室さんから言われるしまつ
「え…あ、いえ…」
ダメだな…私…こんな優しい人に
気を使わせてばかりで…。
--------------
僕は今、『アポロ』と言う喫茶店で
働いてる…そこで同じく働く
ニーナと言う女性が気になっている。
男性恐怖症の節があり
激しく拒絶はしないが、僕が挨拶したり
側に近付くと緊張したように固くなる
だから、店でも男性客は極力僕が対応している。
男性恐怖症の殆どは…幼い頃の
父親からの虐待が原因…。
梓さんから聞いた彼女の両親は既に
他界したと言う
今は彼女が苦しんでるわけではないようで
少し安心していた…
そんな矢先
「―――――え…ニーナさんが
お休み?」
「ええ…だから、
安室さんお店大変だけどよろしくね」
彼女は風邪をひいたらしく休んだ。
そして次の日も
「…はぁ…熱…下がらないなぁ…」
体温計を見てグチるも、熱が下がるわけではなく…仕方なくベットに潜り込む
目を瞑るとすぐに意識を手放した
次に目が覚めたのはインターホンが
なったから
熱のせいで足元がふわふわとしながも
玄関に行きドアを開ける
「…はい…どちら…さ…ま…」
「こんにちは…体調どうですか?」
目の前には安室さんが立っていた
「あ、安室さん…?!」
「迷惑かとも思ったのですが…心配で…」
「え……あ…どうぞ…入って下さい」
不思議な事に…私は何の抵抗もなく
彼を部屋にあげた。
「熱があるようですね…顔が赤いです」
「あ…なかなか下がらなくて…」
少し歩くと熱でふらふらな私は
よろけた。
「ニーナさんっ…大丈夫ですか?」
私を支えてくれる安室さん
あんなにビクビクしていた彼なのに
不思議な事に怖いと感じる事もなく
自然体でいれた。
熱のせいで体調が良くないから…
そこまで頭がついていかないのか…。
「すみません…安室さん…」
「いえ…薬も買ってきたので飲んで下さい」
そう言と彼は手際よくお粥を作ってくれた
それは玉子が入った優しい味のお粥だった
「ごちそうさまでした。…とても美味しかったです…」
「良かったです」
「……今日は…怖がらないんですね」
「え…あ…元々…安室さんは…怖くないです」
「ニーナさん…?」
「…その…反射的と言いますか…トラウマなので…」
「トラウマ…?」
「はい……私は幼い頃…父に…暴力的に扱われてたと言いますか…それが原因で…」
「…そうだったんですか…それは…辛かったですね…」
今日の私はどうかしてる…
こんな事…安室さんに…話して。
「今日は…風邪であなたが弱ってるせいで警戒心が薄れて…不謹慎ですが…嬉しいです」
「え?」
「僕はあなたに好意的な感情を持っているので…」
好…意的?
「…好きだと言う事ですよ」
にこりと笑うと彼は思いがけない告白をされた私をよそに
頭を軽く撫でると『帰りますね』と
帰って行った。
トラウマがある私を怖がらせまいと
彼の気遣いが伺えた。
急に彼からの告白を…私は嬉しく思っていた
「…もしかして…好き?…なの…」
初めて気が付く自分の心…。
「…私…安室さんが…」
ベットに潜り込み丸くなって
自分の恋心を否定しようとするも…
熱のせいなのと薬が聞いてきたのか
眠ってしまった。
*
*