ひまわりを照らす太陽へ
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フードコートでご飯を食べたり、お互いの気になるお店を覗いたりしていると、あっという間に時間が過ぎて、気が付いたら夕方になっていた。
「なあ名前。この近くにフラワーパークがあるんだけど、そこに行かねえか?」
「フラワーパーク?行きたい!」
花が大好きな私にとっては最高の提案だ。二つ返事で了承すると、隆也君がフラワーパークまで道案内をしてくれることになった。二人でショッピングモールを出る。空はオレンジ色に染まって、太陽が西へ歩みを進めていた。
「隆也君、花に興味無さそうだったのに、フラワーパークで良かったの?」
不思議に思いながら聞くと、隆也君は気まずそうに頭を掻く。
「お前が花好きだから喜ぶと思って」
私のために誘ってくれたんだ。そう思うと頬が緩んでしまう。もしかして私のこと意識してくれてるのかな。そうだったら嬉しいな。なんてことを考えていると、フラワーパークの看板が目に入ってくる。どうやらこの時期はひまわりが咲いているらしい。
「ひまわりだって。イヤリングとお揃いだ」
「そうだな」
他愛ない話をしていると、フラワーパークに辿り着いた。園内に入って入場料を払ってから、二人で肩を並べて散策する。目に映る全てがひまわりでとても美しい。
「わぁ……すごく綺麗……!」
一面のひまわりに圧倒されていると、周りにカップルが多いことに気が付いた。みんな手を繋いで歩いていて羨ましい。私も隆也君と手を繋いで歩きたいな。
「あ、あの……!」
「ん、なに?」
「手、繋ぎたいな……ダメ?」
勇気を出してお願いしてみると、隆也君はピタリと固まってしまった。ダメだったかな。やっぱり言わなきゃよかったかな。不安に思って顔色を伺うと、彼の顏が真っ赤に染まっていく。
「ほら、繋ぐんだろ」
暫くして隆也君が手を差し出してきた。これって手を繋いでもいいってことだよね?ドキドキしながら彼の手を握ると、指を絡め取られて握り直された。いわゆる恋人繋ぎに、心臓がバクバクと高鳴る。
「あ、あの……私ね。こうして隆也君と手を繋いでデートが出来て幸せだよ。ずっと隆也君のこと……見てたから……」
ずっと好きだったから。その言葉を飲み込んで手のひらから伝わる熱を握り返した。ダメだ。隆也君のことが好きなのに、あと一歩が踏み出せない。
「オレも。名前と一緒に居れて幸せだよ」
彼の優しい声が私の胸を満たしていく。好き。隆也君が大好き。この想いを伝えたら、彼はどんな顔をするんだろう。
「た、隆也君……!」
「何?」
「す……す、すごく、綺麗だね」
「だな」
沈黙。しばらくひまわり畑を静かに歩いていると、隆也君が急に立ち止まった。
「名前」
「は、はい」
急に呼ばれて心臓が跳ねた。彼は口を開こうとしては止めて、言いにくそうにしている。どうしたんだろう。続く言葉を待っていると、彼は私の目を真っすぐに見て深呼吸をした。
「オレ、名前のことが好きだ」
時間が止まった。思考も、息も、何もかも。しばらくしてから言葉の意味を理解する。好き。隆也君が私を好きだって言った?どうしよう。嬉しすぎて泣きそうだ。早く返事をしなきゃ。そう思っているのに、言葉がつっかえて出てこない。代わりに涙がぽろぽろと溢れてきた。
「うわっ、え、大丈夫か?」
彼は慌てた様子で私の顔を覗き込む。泣き止まないと隆也君が困っちゃうのに。止まって欲しいと思っても、涙はとめどなく溢れて頬を濡らしていくばかりだ。
「わ、わたしも……隆也君のことが好き!ずっと前から大好き……!」
涙が夕陽に照らされてキラキラと輝きながら落ちていく。隆也君が手で私の涙を拭ってくれて、それから優しく引き寄せられる。隆也君の香りに包まれる中で、背中に手が回り強く抱きしめられた。
「名前のこと絶対大事にする。だから付き合ってほしい」
「はい……!」
返事をすると、視線が交わる。そのままどちらからともなく唇が重なった。初めてのキスは涙でしょっぱい味がしたけれど、幸せがいっぱいで口角が上がる。そんな私を見た隆也君は、太陽のように明るく笑った。
fin.
「なあ名前。この近くにフラワーパークがあるんだけど、そこに行かねえか?」
「フラワーパーク?行きたい!」
花が大好きな私にとっては最高の提案だ。二つ返事で了承すると、隆也君がフラワーパークまで道案内をしてくれることになった。二人でショッピングモールを出る。空はオレンジ色に染まって、太陽が西へ歩みを進めていた。
「隆也君、花に興味無さそうだったのに、フラワーパークで良かったの?」
不思議に思いながら聞くと、隆也君は気まずそうに頭を掻く。
「お前が花好きだから喜ぶと思って」
私のために誘ってくれたんだ。そう思うと頬が緩んでしまう。もしかして私のこと意識してくれてるのかな。そうだったら嬉しいな。なんてことを考えていると、フラワーパークの看板が目に入ってくる。どうやらこの時期はひまわりが咲いているらしい。
「ひまわりだって。イヤリングとお揃いだ」
「そうだな」
他愛ない話をしていると、フラワーパークに辿り着いた。園内に入って入場料を払ってから、二人で肩を並べて散策する。目に映る全てがひまわりでとても美しい。
「わぁ……すごく綺麗……!」
一面のひまわりに圧倒されていると、周りにカップルが多いことに気が付いた。みんな手を繋いで歩いていて羨ましい。私も隆也君と手を繋いで歩きたいな。
「あ、あの……!」
「ん、なに?」
「手、繋ぎたいな……ダメ?」
勇気を出してお願いしてみると、隆也君はピタリと固まってしまった。ダメだったかな。やっぱり言わなきゃよかったかな。不安に思って顔色を伺うと、彼の顏が真っ赤に染まっていく。
「ほら、繋ぐんだろ」
暫くして隆也君が手を差し出してきた。これって手を繋いでもいいってことだよね?ドキドキしながら彼の手を握ると、指を絡め取られて握り直された。いわゆる恋人繋ぎに、心臓がバクバクと高鳴る。
「あ、あの……私ね。こうして隆也君と手を繋いでデートが出来て幸せだよ。ずっと隆也君のこと……見てたから……」
ずっと好きだったから。その言葉を飲み込んで手のひらから伝わる熱を握り返した。ダメだ。隆也君のことが好きなのに、あと一歩が踏み出せない。
「オレも。名前と一緒に居れて幸せだよ」
彼の優しい声が私の胸を満たしていく。好き。隆也君が大好き。この想いを伝えたら、彼はどんな顔をするんだろう。
「た、隆也君……!」
「何?」
「す……す、すごく、綺麗だね」
「だな」
沈黙。しばらくひまわり畑を静かに歩いていると、隆也君が急に立ち止まった。
「名前」
「は、はい」
急に呼ばれて心臓が跳ねた。彼は口を開こうとしては止めて、言いにくそうにしている。どうしたんだろう。続く言葉を待っていると、彼は私の目を真っすぐに見て深呼吸をした。
「オレ、名前のことが好きだ」
時間が止まった。思考も、息も、何もかも。しばらくしてから言葉の意味を理解する。好き。隆也君が私を好きだって言った?どうしよう。嬉しすぎて泣きそうだ。早く返事をしなきゃ。そう思っているのに、言葉がつっかえて出てこない。代わりに涙がぽろぽろと溢れてきた。
「うわっ、え、大丈夫か?」
彼は慌てた様子で私の顔を覗き込む。泣き止まないと隆也君が困っちゃうのに。止まって欲しいと思っても、涙はとめどなく溢れて頬を濡らしていくばかりだ。
「わ、わたしも……隆也君のことが好き!ずっと前から大好き……!」
涙が夕陽に照らされてキラキラと輝きながら落ちていく。隆也君が手で私の涙を拭ってくれて、それから優しく引き寄せられる。隆也君の香りに包まれる中で、背中に手が回り強く抱きしめられた。
「名前のこと絶対大事にする。だから付き合ってほしい」
「はい……!」
返事をすると、視線が交わる。そのままどちらからともなく唇が重なった。初めてのキスは涙でしょっぱい味がしたけれど、幸せがいっぱいで口角が上がる。そんな私を見た隆也君は、太陽のように明るく笑った。
fin.
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