ひまわりを照らす太陽へ
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野球一筋な隆也君にアプローチするべく、野球のお守りを作って渡そうと決めた私は、学校に材料と裁縫道具を持って来ていた。スマホでお守りの縫い方を調べたは良いものの、裁縫が苦手な私には到底一人で作れる気がしない。
昼ご飯を食べ終えてからスマホとにらめっこしていると、前の席の浜田君が目に入ってくる。そういえば彼はこの間まで、野球部の横断幕を縫っていた。これはひょっとしたら、裁縫を教えて貰えたりするのでは?そう思った私は彼へ話しかけることにした。
「あ、あの、浜田君、ちょっと良いかな?」
「苗字さん。どうしたの?」
「え、えっと、実はこれが作りたいんだけど、縫い方が分からなくて……教えて貰うことってできたりしないかな?」
スマホに写る野球のユニフォームの形をしたお守りを見せる。スクロールして手順を見せると、浜田君はにっこりと明るく笑った。
「オレで良ければいくらでも教えるよ!」
「ありがとう、凄く助かる……!実は今日、材料持ってきてるんだ」
「それじゃあ早速取りかかろうか」
浜田君って話しやすくて良い人だなあ。そう思いながら、あらかじめ出来るところまで進めておいたお守りと、裁縫道具を鞄の中から取り出す。
「苗字さんは野球部に彼氏が居るんだ?」
「ううん、片想いなの。仲の良い幼馴染なんだけど……もしかして引かれちゃうかな?」
「仲の良い幼馴染ならアリでしょ!いやー絶対に喜んで貰えると思うぜ」
うんうんと大きく頷く浜田君。男の人の貴重な意見が貰えて、少し安心した。鞄から取り出したお守りを見せる。
「えっとね、背番号のところをチェーンステッチで刺繍したいんだ」
「まずはチャコペンで番号を書いて……って、そしたら好きな人分かっちゃうから、縫い方だけ教えようか?」
「言いふらしたりしないだろうから、書いちゃうよ」
そう言いながら、2の文字を書くと、浜田くんが「えっ」と声を上げた。どうしたんだろう。首を傾げていると、彼は慌てた様子でコソコソと話しかけてくる。
「苗字さんの好きな人って、阿部?」
「うん。そうだよ」
「阿部かぁ……」
隆也君と恋愛が結びつかないのか、浜田君は難しそうな顔をする。
「あ、いや、仲良いんだもんな。それならきっと大丈夫だよ。それよりチェーンステッチ!まずは糸を六本取りして、玉結びして裏から針を通して……」
それから浜田君は丁寧に分かりやすく縫い方を説明してくれた。説明を聞いても分からない所は、実際にやって見せて貰う。スマホで手順を見ただけでは、よく分からなかったので凄く助かる。
「うん。上手だよ!」
「えへへ。浜田君の教え方が上手なおかげだね」
褒められて嬉しくなり顔が綻ぶ。縫い進めているうちに時間が過ぎて、昼休憩が終了する五分前になった。
「教えてくれてありがとう」
「また分からないことがあったらいつでも教えるよ」
浜田君はそう言って、自分の席に戻って行った。
***
部活を終えて外を歩いていると、グラウンドに浜田君の姿を見つけた。彼に今日のお礼がしたいな。そうだ、自販機で飲み物を買って渡そう。ついでにこの間写真のモデルになってくれた野球部にも、差し入れしよう。そう思った私は、早速自販機へと向かった。
色んな飲み物を沢山買って、スクールバッグに入れていく。重くなったそれを何とか持ち上げてグラウンドへと向かうと、どうやら野球部もこれから帰るらしくグラウンドの整備をしていた。ベンチに座る篠岡さんの元に駆け寄ると、彼女はこちらを向いて首を傾げる。
「あ、あの、この間は撮影許可を出してくださって、ありがとうございました。それで、お礼に差し入れを持ってきたんですけど……」
鞄からペットボトルを取り出して、ベンチに並べていく。
「わっ、ありがとうございます!」
篠岡さんが驚いた顏をして、それからにっこりと笑った。
「監督、写真部の苗字さんから差し入れです!」
「あら、ありがとう!皆、集合ー!」
監督の号令で野球部の人達がぞろぞろと集まってくる。その中には浜田君の姿もあった。彼は野球部員ではないけれど、よく手伝いに来ていると隆也君から聞いたことがある。
「写真部からの差し入れです!皆でお礼言いましょう」
「あざっす!」
部員達が大きな声で一斉にお礼を言って、ペットボトルを持ってワイワイと盛り上がる。そんな中、私は鞄からコーラを取り出して、浜田君の元へと向かった。
「これ、浜田君に」
「えっ、オレも良いの?」
「今日縫い方教えてくれたお礼に!」
「ありがとう!」
コーラを受け取った浜田君は、お礼を言いながら嬉しそうに笑った。ちゃんとお礼ができて良かったと安心していると、急に後ろから腕を引かれる。驚いて振り向くと、仏頂面の隆也君がこちらを見下ろしていた。
「名前、浜田とどういう関係?」
「えっ、えっと……」
お守り作りのことは、完成するまで内緒にしておきたい。私が言い淀んでいると、浜田君の方が先に口を開いた。
「ただのクラスメイトだよ」
浜田君の答えに、隆也君は眉を顰める。あからさまに不機嫌だけど、どうしたんだろう。もしかして隆也君、嫉妬したのかな……?いや、まさか。ぐるぐる考えてみたけれど、答えは見付からなかった。
昼ご飯を食べ終えてからスマホとにらめっこしていると、前の席の浜田君が目に入ってくる。そういえば彼はこの間まで、野球部の横断幕を縫っていた。これはひょっとしたら、裁縫を教えて貰えたりするのでは?そう思った私は彼へ話しかけることにした。
「あ、あの、浜田君、ちょっと良いかな?」
「苗字さん。どうしたの?」
「え、えっと、実はこれが作りたいんだけど、縫い方が分からなくて……教えて貰うことってできたりしないかな?」
スマホに写る野球のユニフォームの形をしたお守りを見せる。スクロールして手順を見せると、浜田君はにっこりと明るく笑った。
「オレで良ければいくらでも教えるよ!」
「ありがとう、凄く助かる……!実は今日、材料持ってきてるんだ」
「それじゃあ早速取りかかろうか」
浜田君って話しやすくて良い人だなあ。そう思いながら、あらかじめ出来るところまで進めておいたお守りと、裁縫道具を鞄の中から取り出す。
「苗字さんは野球部に彼氏が居るんだ?」
「ううん、片想いなの。仲の良い幼馴染なんだけど……もしかして引かれちゃうかな?」
「仲の良い幼馴染ならアリでしょ!いやー絶対に喜んで貰えると思うぜ」
うんうんと大きく頷く浜田君。男の人の貴重な意見が貰えて、少し安心した。鞄から取り出したお守りを見せる。
「えっとね、背番号のところをチェーンステッチで刺繍したいんだ」
「まずはチャコペンで番号を書いて……って、そしたら好きな人分かっちゃうから、縫い方だけ教えようか?」
「言いふらしたりしないだろうから、書いちゃうよ」
そう言いながら、2の文字を書くと、浜田くんが「えっ」と声を上げた。どうしたんだろう。首を傾げていると、彼は慌てた様子でコソコソと話しかけてくる。
「苗字さんの好きな人って、阿部?」
「うん。そうだよ」
「阿部かぁ……」
隆也君と恋愛が結びつかないのか、浜田君は難しそうな顔をする。
「あ、いや、仲良いんだもんな。それならきっと大丈夫だよ。それよりチェーンステッチ!まずは糸を六本取りして、玉結びして裏から針を通して……」
それから浜田君は丁寧に分かりやすく縫い方を説明してくれた。説明を聞いても分からない所は、実際にやって見せて貰う。スマホで手順を見ただけでは、よく分からなかったので凄く助かる。
「うん。上手だよ!」
「えへへ。浜田君の教え方が上手なおかげだね」
褒められて嬉しくなり顔が綻ぶ。縫い進めているうちに時間が過ぎて、昼休憩が終了する五分前になった。
「教えてくれてありがとう」
「また分からないことがあったらいつでも教えるよ」
浜田君はそう言って、自分の席に戻って行った。
***
部活を終えて外を歩いていると、グラウンドに浜田君の姿を見つけた。彼に今日のお礼がしたいな。そうだ、自販機で飲み物を買って渡そう。ついでにこの間写真のモデルになってくれた野球部にも、差し入れしよう。そう思った私は、早速自販機へと向かった。
色んな飲み物を沢山買って、スクールバッグに入れていく。重くなったそれを何とか持ち上げてグラウンドへと向かうと、どうやら野球部もこれから帰るらしくグラウンドの整備をしていた。ベンチに座る篠岡さんの元に駆け寄ると、彼女はこちらを向いて首を傾げる。
「あ、あの、この間は撮影許可を出してくださって、ありがとうございました。それで、お礼に差し入れを持ってきたんですけど……」
鞄からペットボトルを取り出して、ベンチに並べていく。
「わっ、ありがとうございます!」
篠岡さんが驚いた顏をして、それからにっこりと笑った。
「監督、写真部の苗字さんから差し入れです!」
「あら、ありがとう!皆、集合ー!」
監督の号令で野球部の人達がぞろぞろと集まってくる。その中には浜田君の姿もあった。彼は野球部員ではないけれど、よく手伝いに来ていると隆也君から聞いたことがある。
「写真部からの差し入れです!皆でお礼言いましょう」
「あざっす!」
部員達が大きな声で一斉にお礼を言って、ペットボトルを持ってワイワイと盛り上がる。そんな中、私は鞄からコーラを取り出して、浜田君の元へと向かった。
「これ、浜田君に」
「えっ、オレも良いの?」
「今日縫い方教えてくれたお礼に!」
「ありがとう!」
コーラを受け取った浜田君は、お礼を言いながら嬉しそうに笑った。ちゃんとお礼ができて良かったと安心していると、急に後ろから腕を引かれる。驚いて振り向くと、仏頂面の隆也君がこちらを見下ろしていた。
「名前、浜田とどういう関係?」
「えっ、えっと……」
お守り作りのことは、完成するまで内緒にしておきたい。私が言い淀んでいると、浜田君の方が先に口を開いた。
「ただのクラスメイトだよ」
浜田君の答えに、隆也君は眉を顰める。あからさまに不機嫌だけど、どうしたんだろう。もしかして隆也君、嫉妬したのかな……?いや、まさか。ぐるぐる考えてみたけれど、答えは見付からなかった。