可愛い子には恋をさせよ
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タカちゃんに一番大切な人だと思っていることを伝えたら、急に言われても困ると返されてしまった。ずっと彼のことが好きだった私からしたら全然急じゃないし、なにより困らせるつもりで言ったわけじゃない。私が元希さんのことを好きなんだと誤解しているみたいだったから、自分の気持ちを知って欲しかっただけ。それなのに。
「フラれちゃった」
これ以上好きな人を困らせるわけにはいかない。これだけアピールしてもナシなら、これ以上何をしてもダメだ。初恋は叶わないと聞いたことがあるけれど、本当にその通りだった。私の八年間の片想いはこれで終わりなんだ。そう思うと目頭が熱くなってくる。
「おーい名前……ってタカヤいねーじゃん。あいつどこいったの?」
バッティングを終えた元希さんがベンチにやってきた。タカちゃんが居ないことに気付いて、キョロキョロと辺りを見回している。
「バッティングもせずに帰っちゃいましたよ」
「あ?そーなのか?ンで、お前は何で下向いてんの?」
「……フラれました」
「え!?」
元希さんの大きな声がバッティングセンター内に響き渡る。周りの人がなにごとかと見てくる中、元希さんは私の隣へ腰掛けて顔を覗き込んできた。
「な、泣くなって、ハンカチ、は持ってきてねェんだ……」
「あはは、泣いてませんよ」
格好つかない元希さんが面白くて笑うと、それまで慌てていた彼は安心したようにホッと一息ついた。
「んで、ホントにフラれたのか?」
「タカちゃんは私の一番大切な人だよって伝えたら、そんなこと急に言われても困るって言って帰っちゃいました」
「えー……タカヤは絶対名前のこと好きだと思ってたけど」
納得がいかないといった様子で元希さんは首を捻る。
「結局は幼馴染としてしか見られないんですよ。女の子として見てもらうために、頭の先から爪の先まで可愛くしてもダメで。どうしたら私のこと好きになってくれるのかな」
「はー。名前ってなんであいつのこと好きになったんだよ」
「顏」
「あ?」
「初めて見た時に思ったんです。あ、この人格好良いって。そしたら見事にドハマりしちゃった」
「ンで何年もアピールしてるわけね。懲りねェなあ」
元希さんは呆れたように笑ってから、私を励ますようにわしゃわしゃと頭を撫でた。
「それよりも元希さん、まーたタカちゃん挑発したでしょ」
「名前のことになると分かりやすく動揺すっからオモシレーんだよ」
「なんであんなに嫉妬するのに私のこと恋愛対象としては見てくれないんでしょうね。やっぱり一緒に野球してたから女としてみれないのかな」
「それはねえだろ。少なくともオレは名前のこと女として見てる」
「え?」
「だってお前かわいいし。タカヤのこと好きだって知らなかった時は、名前と付き合いてェなって思ってた」
思いもよらない言葉に胸がバクバクと音を立てる。まさか私のことをそんな風に見ていたなんて。顏が熱くなっていくのを感じて、元希さんから顔を逸らす。
「ンなマジな反応されると勘違いしそうになんだけど」
「ま、待ってください、私、どうしたらいいのか……」
「え、なに。本当に照れてんの?」
今まで告白されたことは何度もあるけど、こんなふうにさらりと言われたのは初めてだ。呼び出されるときは心の準備ができているからいいけど、不意打ちに言われるとどうしていいのか分からない。正式に告白してきたわけじゃないから余計に。
「……急に言われても困ります……」
こんな不意打ちはずるいと思う。私はタカちゃんのことが好きなのに、元希さんにドキドキさせられている。その事実に困惑していると、元希さんはケラケラと笑いだした。
「タカヤとおんなじこと言ってンじゃねェか」
元希さんの言葉にハッとする。もしかしたらタカちゃんもこんな気持ちだったんだろうか。私がタカちゃんに恋していることに、今更気が付いたから動揺していたのかもしれない。
「急に言われて正直ドキっとしました。……でも私、やっぱりタカちゃんのことが好きです」
「知ってる」
「だからもう一回ちゃんと告白してきます」
「おう。フラれたらまた慰めてやるよ」
「ありがとうございます」
私がタカちゃんを想う気持ちは変わらない。だから私の気持ちがちゃんと伝わるまで、何度でもアピールし続けよう。そう決意して、私はタカちゃんにもう一度向き合う覚悟を固めた。
「フラれちゃった」
これ以上好きな人を困らせるわけにはいかない。これだけアピールしてもナシなら、これ以上何をしてもダメだ。初恋は叶わないと聞いたことがあるけれど、本当にその通りだった。私の八年間の片想いはこれで終わりなんだ。そう思うと目頭が熱くなってくる。
「おーい名前……ってタカヤいねーじゃん。あいつどこいったの?」
バッティングを終えた元希さんがベンチにやってきた。タカちゃんが居ないことに気付いて、キョロキョロと辺りを見回している。
「バッティングもせずに帰っちゃいましたよ」
「あ?そーなのか?ンで、お前は何で下向いてんの?」
「……フラれました」
「え!?」
元希さんの大きな声がバッティングセンター内に響き渡る。周りの人がなにごとかと見てくる中、元希さんは私の隣へ腰掛けて顔を覗き込んできた。
「な、泣くなって、ハンカチ、は持ってきてねェんだ……」
「あはは、泣いてませんよ」
格好つかない元希さんが面白くて笑うと、それまで慌てていた彼は安心したようにホッと一息ついた。
「んで、ホントにフラれたのか?」
「タカちゃんは私の一番大切な人だよって伝えたら、そんなこと急に言われても困るって言って帰っちゃいました」
「えー……タカヤは絶対名前のこと好きだと思ってたけど」
納得がいかないといった様子で元希さんは首を捻る。
「結局は幼馴染としてしか見られないんですよ。女の子として見てもらうために、頭の先から爪の先まで可愛くしてもダメで。どうしたら私のこと好きになってくれるのかな」
「はー。名前ってなんであいつのこと好きになったんだよ」
「顏」
「あ?」
「初めて見た時に思ったんです。あ、この人格好良いって。そしたら見事にドハマりしちゃった」
「ンで何年もアピールしてるわけね。懲りねェなあ」
元希さんは呆れたように笑ってから、私を励ますようにわしゃわしゃと頭を撫でた。
「それよりも元希さん、まーたタカちゃん挑発したでしょ」
「名前のことになると分かりやすく動揺すっからオモシレーんだよ」
「なんであんなに嫉妬するのに私のこと恋愛対象としては見てくれないんでしょうね。やっぱり一緒に野球してたから女としてみれないのかな」
「それはねえだろ。少なくともオレは名前のこと女として見てる」
「え?」
「だってお前かわいいし。タカヤのこと好きだって知らなかった時は、名前と付き合いてェなって思ってた」
思いもよらない言葉に胸がバクバクと音を立てる。まさか私のことをそんな風に見ていたなんて。顏が熱くなっていくのを感じて、元希さんから顔を逸らす。
「ンなマジな反応されると勘違いしそうになんだけど」
「ま、待ってください、私、どうしたらいいのか……」
「え、なに。本当に照れてんの?」
今まで告白されたことは何度もあるけど、こんなふうにさらりと言われたのは初めてだ。呼び出されるときは心の準備ができているからいいけど、不意打ちに言われるとどうしていいのか分からない。正式に告白してきたわけじゃないから余計に。
「……急に言われても困ります……」
こんな不意打ちはずるいと思う。私はタカちゃんのことが好きなのに、元希さんにドキドキさせられている。その事実に困惑していると、元希さんはケラケラと笑いだした。
「タカヤとおんなじこと言ってンじゃねェか」
元希さんの言葉にハッとする。もしかしたらタカちゃんもこんな気持ちだったんだろうか。私がタカちゃんに恋していることに、今更気が付いたから動揺していたのかもしれない。
「急に言われて正直ドキっとしました。……でも私、やっぱりタカちゃんのことが好きです」
「知ってる」
「だからもう一回ちゃんと告白してきます」
「おう。フラれたらまた慰めてやるよ」
「ありがとうございます」
私がタカちゃんを想う気持ちは変わらない。だから私の気持ちがちゃんと伝わるまで、何度でもアピールし続けよう。そう決意して、私はタカちゃんにもう一度向き合う覚悟を固めた。