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Prrr…
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Prrr… Prrr……
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月島
…はい
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鯉登
月島月島月島月島ァ!!
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月島
人の名前を連呼しないでください
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鯉登
ズビッ
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月島
え、泣いてます?
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鯉登
泣いてなどいない!!
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鯉登
ただ、今の今まで我慢していたからその反動だ!
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月島
は?何の話ですか。
今日は出向初日のはずですよね -
鯉登
行ったら何もないような田舎だった!
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月島
(急だな)
それ、あんまり大きな声で言っちゃダメですよ -
鯉登
若造となめられないように!
毅然とした態度で!!
しかァし教えてもらう姿勢も忘れず挨拶をこなし!!! -
月島
そういうところはさすがです
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鯉登
鶴見部長の期待に応えんと、明日からしっかり働くつもりだった!!!
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月島
だった……?
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鯉登
それが!それがーーっ!!
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月島
うるさい
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鯉登
なぜ彼女が……聞いていないぞ……っ
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月島
彼女?話が見えんのですが
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鯉登
ああ……受付の彼女と目が合った瞬間、私には判った。あのときのあの人だと……
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月島
……はあ
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鯉登
私がどれだけ驚いたか解るか?!!
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月島
……いえ、解りたくもありませ、
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鯉登
叫んで転げ回りそうだったんだぞっっ!!
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月島
それは死んでもやめてください、本社の恥です
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鯉登
…………
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月島
え、まさかやっていませんよね
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鯉登
やっていない!!
やっていたら今頃こんなことになっているか!! -
月島
そうですか……面倒くさいな
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鯉登
ん?
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月島
いえ、こちらの話です。
ところで、彼女とは誰です? -
鯉登
そうか、まだ月島には話していなかったか!
教えてやろう! -
月島
いえ結構で、
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鯉登
あれはまだ私が何も知らない入社すぐのことだ――
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月島
…………
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ああだこうだうんぬんかんぬんどうしたこうした
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20分経過
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月島
要約すると、その想い人と再会して浮き足立っている、と
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鯉登
う、うむ、要約しすぎではあるがそうだ
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月島
仕事をしてください
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鯉登
わわ、わかっている!
私をなんだと思っているんだまったく -
月島
まあ、やる気が出て何よりです。
あれだけ鶴見部長と離れたくないと駄々をこねて、一時はどうなることかと思いましたから -
月島
で?
それを聞いてほしかっただけですか? -
鯉登
いや、それで、だな…緊張のあまりうまく話せなかったのだ
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月島
(乙女か)
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鯉登
小規模の支社だから、ひとりひとりと挨拶ができたのはよかったんだが、彼女を前にすると名前を言うので精一杯で……
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月島
そうですか
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鯉登
そんな私にも微笑みかけてくれて素晴らしくかわいかった…っ!!
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鯉登
名前も判った……っ!!!
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鯉登
その上!
彼女から鯉登さんと話しかけられたっっ!!!! -
月島
よかったじゃないですか
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鯉登
失神するかと思ったが、ぐっと堪えたぞ!
偉いだろう、褒めてもいいぞ! -
月島
はいはい、えらいえらい
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鯉登
ううむ、だが他人行儀というか営業用というか
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月島
それはそうでしょうね
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鯉登
どうすればいいっ?!
何かアドバイスはないのか!! -
月島
とりあえず誠実に仕事に励んでください
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月島
それから猿叫はいけません、一般人は驚きます
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鯉登
う、うむ…気をつける
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