バブ12
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男鹿は風呂から出てきて髪をタオルで拭く
そして二人が寝ているベッドの端に座る
「霧雲…」
霧雲の頭を起きない程度に撫でる
サラサラな霧雲の髪はスムーズに流れ、手から零れていく
ベル坊が寝返りをし霧雲の腹にあたり、霧雲は唸りを上げるが熟睡しているため起きない
それを見た男鹿は小さく笑ってしまう。だが直ぐに悲しい目に変わった
「(今日は色々ありすぎだ…。
ベル坊いなくなっちまうし、東条とヤりあったし、なにより霧雲が学校行かねーなんて聞いた時は息が止まるかと思ったしよ…。
霧雲の親父なんか諦めそうになかったし、明日(今日)からはずっと一緒にいねーと…)」
眉間に皺を寄せて今日の事を振り返っていると、ドアの開く音が聞こえた
「お前…」
「なんだ。まだ起きておったのか」
「明日っから霧雲の護りもしなくちゃいけねーって考えてたらな…」
「そうか…
―――…それと霧雲の事なのだが…」
入って来たヒルダは椅子に座り、黙ってしまう
「どーしたんだよ」
「うむ…
霧雲の家に着いてすぐの話を覚えておるか?」
「ああ?」
男鹿は記憶を巡るが何故(なにゆえ)記憶するのが滅法弱いタチなので思い出せない
「あの家では坊っちゃまの力は使えないと申したであろう」
「えー…あー………
あ!そういやーいってたな」
やっと思い出した男鹿
「それがなんだってんだよ」
「…」
「あの家には対悪魔用の結界がはってあったと言ったのは覚えておるな?」
「ああ」
「対悪魔用の結界、即(スナワ)ちエンジェルフィーバーと呼ばれるものだ」
「んだそれ。滅茶苦茶テキトーな名前じゃねーか」
もう少しマシな名前にしろよ。と男鹿は言う
「エンジェルフィーバーは先々の大魔王様が人間界に来た時に、人間が編み出した結界だ」
「人間が?」
「ああ…
―――先々の大魔王様が人間界に来て人間の親をつくった。
魔王の親はそれこそ魔王の様に人間をクズヤローと思っている者に相応しい。
今回も貴様の様な考えの持ち主だった
毎日のように暴力を施し、人間をボロ雑巾のようにまでしていた。
しかし一緒に暮らして行くうちに子供だった大魔王様も邪魔だと思ってきた。
そして大魔王様の身体に一本の赤い線を作らせた。
それに怒った侍女は大魔王様の人間の親を殺そうとした。
しかし侍女は返り討ちにあい息絶えた。
その知らせを聞いた大魔王様の部下達は人間の親を殺そうと、次々と人間界へ降りていった。
しかし部下の悪魔達は次々と返り討ちにあった。
それは何十、何百となっていった。
最初の方は人間も悪魔を倒すのが面白かったが、100を越えれば話は別だ。
飽きるし面倒臭くなってくるのが人間だ。
人間はどうすれば悪魔は襲い掛かってこなくなるのか考えた―――
その答えが霧雲の家にあった対悪魔用結界・エンジェルフィーバーだ」
ヒルダは話終わって男鹿を見るが、当の本人は欠伸をしていて、話を聞いているのかよくわからない状態だった
「貴様、聴いておるのか」
「あーあー 聞いてらぁ
でもよ、なんでそんなもんが霧雲の親父の家にあんだよ」
「わからぬ…
エンジェルフィーバーは約200年前に全て撤去し、燃やしてしまったはずだ」
「フィーバーなのにか?」
「フィーバーは関係ない
―――……だから今の時代あるはずがないのだ」
「んなこと言ったって、現にあんじゃねーか」
「うむ…
それと、この首輪、」
「首輪?」
男鹿は首輪を触る
「この首輪にも結界が張っておるのだ」
「!?」
男鹿は思わず霧雲の首もとを見てしまう
「だからベル坊の電気を喰らっても切れなかったって事か?」
「ああ。それも一理ある。
だがそれだけではない。エンジェルフィーバーには危険なものも含まれている
例えば対悪魔用。
即ち
悪魔の妖力
を奪い取る事」
「?」
よくわからなく首を傾げる
「悪魔には妖力というものがあって、人間で云えば霊力、第六感だ」
「霊力?
幽霊が見えたり、予知夢とかか?」
「人間で言えばな
人間には第六感(霊力)がある者とない者がおる。しかし悪魔は違うのだ。悪魔には必ず妖力がなくては困る。妖力なくして生きられはしない。つまりは命と同じもの。そして人間でいうと命とは寿命に繋がってくる」
「ん?ていうと妖力を奪い取るっつーことは、命(寿命)を奪い取るっつーことか!?」
「ああ」
「なら早く取らねーと…!!」
だが外れない、切れない首輪はどうしようもない
「どうすりゃいいんだよ!?」
「他に力が強い者が居(お)れば…」
「ん~……」
男鹿は探すが思い付かなく頭を抱えるが、深夜ということもあり眠く頭が回らない
「なぁ…霧雲の寿命後残りどのくらいなんだ?」
「もって一週間だろう。寿命がつきる前に霧雲の心を自分のものにし、取るつもりだっだんだろう。彼奴(あやつ)も霧雲を殺すつもりはないだろうな」
「そうか…。なら明日片っ端からやってみらぁ」
男鹿はそういいながらベル坊を移動し自分も布団をかぶった
まぁ所詮ただ考える事が面倒臭くなっただけだが
ヒルダは呆れながら自分の部屋に戻っていった
