【一部】第七班の巻
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「ナマエ!」
ポンと肩を叩かれて、振り向いた先には黄色いギザギザ頭の少年が居た。肩にある手のひらに思わずゾッとするも、状況を冷静に見て心を落ち着かせる。大丈夫、その手の下は服だから、肌には触れていない。
「おはよ!」
ナマエに挨拶してきたのは、彼女の数少ない友人のひとり。同じ第七班に選ばれたうずまきナルトだった。
髪のほか、両頬に三本ずつある猫のヒゲに似た線が特徴の彼は、ナマエが抱える“人に触られると困る”事情を聞かずに受け入れてくれている人間だ。だからかいつも気を許してしまって、この男子の傍にいると安心する。肩に触れるのを許したのも、きっとこの所為だろう。
「おはよう、ナルト君。額あて似合ってるね」
自身の額にある証を、ナマエは親指でコツンとつつく。すると彼はにっかり歯を見せ、元気よく胸を張った。気のいい笑顔をするナルトは、たまに空元気なところもあるけれど、それも含めていい人だ。基本的に見えない壁を作らない。
「だろだろ!! 俺ってばチョーゼツ頑張ったんだぜ!」
「君ならできるって信じてたよ。あ、お弁当一緒に食べる?」
持参したお弁当を持って立ち上がるナマエに、ナルトは右手を突き出した。名残惜しそうな顔をしながら、彼はキッパリ「NO」の意思を右手に乗せている。
「いや!! わたしちょっと用事を思い出したので失礼します……」
「なぜ急に敬語口調に……。それに、用事?」
彼女はきょとんとした。友人のことだからと、てっきり挨拶のついでで昼食に誘いにきたのだと思っていた。本当にただ挨拶をしにきただけだったとは。ナルトが出入り口に目をやりながら、頬を掻いて言う。集まっていた下忍たちがいそいそと出入り口に消えて行っていた。
「実は用事があったんだってばよ。すまねえけど、今日はお預けにしてくんねーかな」
「うん、分かった。よく分からないけど頑張ってね」
「ウン。がんばる」
なんとも機械的な返事をした彼は、上半身を地面に垂直にしたまま、器用に足だけを動かしてすたこらさっさと教室を出て行った。
ナマエは弁当の蓋を開けながら考える。はて、昼食を摂るだけになりそうな午後までの短時間、友人は何の用事を済ませてくるのであろう。詰められた弁当の具に「いただきます」と手を合わせ、彼女は箸で今朝焼いた卵焼きを割った。
第七班の巻・二話
ポンと肩を叩かれて、振り向いた先には黄色いギザギザ頭の少年が居た。肩にある手のひらに思わずゾッとするも、状況を冷静に見て心を落ち着かせる。大丈夫、その手の下は服だから、肌には触れていない。
「おはよ!」
ナマエに挨拶してきたのは、彼女の数少ない友人のひとり。同じ第七班に選ばれたうずまきナルトだった。
髪のほか、両頬に三本ずつある猫のヒゲに似た線が特徴の彼は、ナマエが抱える“人に触られると困る”事情を聞かずに受け入れてくれている人間だ。だからかいつも気を許してしまって、この男子の傍にいると安心する。肩に触れるのを許したのも、きっとこの所為だろう。
「おはよう、ナルト君。額あて似合ってるね」
自身の額にある証を、ナマエは親指でコツンとつつく。すると彼はにっかり歯を見せ、元気よく胸を張った。気のいい笑顔をするナルトは、たまに空元気なところもあるけれど、それも含めていい人だ。基本的に見えない壁を作らない。
「だろだろ!! 俺ってばチョーゼツ頑張ったんだぜ!」
「君ならできるって信じてたよ。あ、お弁当一緒に食べる?」
持参したお弁当を持って立ち上がるナマエに、ナルトは右手を突き出した。名残惜しそうな顔をしながら、彼はキッパリ「NO」の意思を右手に乗せている。
「いや!! わたしちょっと用事を思い出したので失礼します……」
「なぜ急に敬語口調に……。それに、用事?」
彼女はきょとんとした。友人のことだからと、てっきり挨拶のついでで昼食に誘いにきたのだと思っていた。本当にただ挨拶をしにきただけだったとは。ナルトが出入り口に目をやりながら、頬を掻いて言う。集まっていた下忍たちがいそいそと出入り口に消えて行っていた。
「実は用事があったんだってばよ。すまねえけど、今日はお預けにしてくんねーかな」
「うん、分かった。よく分からないけど頑張ってね」
「ウン。がんばる」
なんとも機械的な返事をした彼は、上半身を地面に垂直にしたまま、器用に足だけを動かしてすたこらさっさと教室を出て行った。
ナマエは弁当の蓋を開けながら考える。はて、昼食を摂るだけになりそうな午後までの短時間、友人は何の用事を済ませてくるのであろう。詰められた弁当の具に「いただきます」と手を合わせ、彼女は箸で今朝焼いた卵焼きを割った。
第七班の巻・二話