【一部】第七班の巻
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久方ぶりの動悸に落ち着かなかった。手袋の入れ口を何度も引き伸ばし、己を宥めるようにゆっくりと歩く。教室で駄弁っている生徒たちの声が、廊下にまで漏れ出ていた。やがて説明会が開かれる階段教室の扉が見えると、ナマエは手袋の入れ口を一段と引き伸ばして、額あてを付け直した。
「……頑張らないと!」
教室に入ると、既に着席している下忍たちの額あてが目に入った。
額あては一人前になった忍の証だ。それが誇らしくて、ここに集まった新しい下忍の面々は見えやすい位置に木の葉マークの額あてを装備している。忍とは、里を守る役職の人間。忍び耐える人間のこと──。
無論、誇らしいのはナマエも例に漏れなかったが。彼女は額あてに対し、もう一つ別の考えを持っていた。
忍は、里を守る。そのために人を殺したり人に殺されたりする。つまり一人前の忍になるということは、自分に人を殺す役目と、殺される役目が回ってきたということだ。
額あては、忍になってしまった証。
空いている席はないかと教室を見渡し、手近な空席を見つけてそこに座る。既に着席している下忍の中に見知った黄色いギザギザ頭の少年を見つけたが、少年は談笑中らしかったので一人で説明を受けることにした。彼の額にあった忍の証について、直ぐに喜び合えないのは残念だったが。
ほどなくして教室の引き戸を鳴らし、説明役の中忍が入ってきた。少し日に焼けた肌に、鼻に一の字の傷跡を持った男性。うみのイルカ。アカデミー卒業前、担任だった先生だ。人当たりが良くて、しょっちゅう声をかけてくれた記憶がある。人づきあいが苦手な自分は、あまり友人がいなかったから助かっていた。
「えー……これからの君たちには、里から任務が与えられるわけだが」
彼が来る前とは打って変わって、教室の下忍たちは行儀良く口を噤んでいる。
話の内容は事前に調べていたものと同じだった。下忍はまず三人一組(スリーマンセル)の班を作り、その班の指導役として上忍が一人付く。そして、その班の編成は事前に先生たちが決めている。これは班ごとで力量差が出ないようバランスを考慮してとのことだ。
しかし、ナマエには「三人一組に分ける」という説明に引っかかるところがあった。なにせ三人一組で班分けするには一人余るのだ。ここにいる下忍の人数では綺麗に分けきれない。必ずひと班が四人一組(フォーマンセル)になるのだが……。
「……頑張らないと!」
教室に入ると、既に着席している下忍たちの額あてが目に入った。
額あては一人前になった忍の証だ。それが誇らしくて、ここに集まった新しい下忍の面々は見えやすい位置に木の葉マークの額あてを装備している。忍とは、里を守る役職の人間。忍び耐える人間のこと──。
無論、誇らしいのはナマエも例に漏れなかったが。彼女は額あてに対し、もう一つ別の考えを持っていた。
忍は、里を守る。そのために人を殺したり人に殺されたりする。つまり一人前の忍になるということは、自分に人を殺す役目と、殺される役目が回ってきたということだ。
額あては、忍になってしまった証。
空いている席はないかと教室を見渡し、手近な空席を見つけてそこに座る。既に着席している下忍の中に見知った黄色いギザギザ頭の少年を見つけたが、少年は談笑中らしかったので一人で説明を受けることにした。彼の額にあった忍の証について、直ぐに喜び合えないのは残念だったが。
ほどなくして教室の引き戸を鳴らし、説明役の中忍が入ってきた。少し日に焼けた肌に、鼻に一の字の傷跡を持った男性。うみのイルカ。アカデミー卒業前、担任だった先生だ。人当たりが良くて、しょっちゅう声をかけてくれた記憶がある。人づきあいが苦手な自分は、あまり友人がいなかったから助かっていた。
「えー……これからの君たちには、里から任務が与えられるわけだが」
彼が来る前とは打って変わって、教室の下忍たちは行儀良く口を噤んでいる。
話の内容は事前に調べていたものと同じだった。下忍はまず三人一組(スリーマンセル)の班を作り、その班の指導役として上忍が一人付く。そして、その班の編成は事前に先生たちが決めている。これは班ごとで力量差が出ないようバランスを考慮してとのことだ。
しかし、ナマエには「三人一組に分ける」という説明に引っかかるところがあった。なにせ三人一組で班分けするには一人余るのだ。ここにいる下忍の人数では綺麗に分けきれない。必ずひと班が四人一組(フォーマンセル)になるのだが……。