【一部】第七班の巻
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「名は、うちはサスケ」
組んだ両手で口元を隠し、ナルトの隣に座っているサスケが自己紹介を始めた。深い思考に落ちかけていた頭を勢いよく上げ、ナマエはサスケの方を見る。サスケはナルトとは真逆の雰囲気で、鋭い眼光をどこか遠くに向けて息を潜めていた。サスケの奥ではサクラが、少しだけ前かがみになって耳を澄ませている。
「嫌いなものならたくさんあるが、好きなものは別にない。それから……夢なんて言葉で終わらす気はないが、野望はある」
野望の話題に入ると、サスケは言葉のひとつひとつを確かめるように続けた。
「一族の復興と、ある男を、必ず……」
ほんの少しの間だけ、サスケの周囲が静まり返った。頬の産毛がゾワリと立ち、二の腕に冷たい波が走る。それにナマエは固まってしまい、訳も分からず寒気の発生元を凝視した。サスケ──サスケに纏わりついている黒い空気──それは泥のように綿密で濃く、湿ったように陰鬱だった。黒い空気は彼を離れる気配がない。
「よし……。じゃ、最後女の子」
「……」
どうやら集中しすぎていたらしい。気が付くとサスケの自己紹介は終わっており、最後にサクラの自己紹介が始まろうとしていた。しまったと下唇を嚙むが、この後サスケに聞いたところで答えてはくれないだろう。そも、夢だって野望だって短時間に何度も宣言するようなものではない。
「私は春野サクラ。好きなものはぁ……ってゆーかぁ……好きな人は……」
頬を薄紅に染めたサクラは、ちらりと視線をサスケに寄越した。その思わせぶりな仕草に、なるほど彼女は恋する乙女か、とナマエは勝手に納得する。
世俗に疎く恋愛ごとにも疎いナマエから見てもサスケは眉目秀麗だった。その上、成績優秀だったサスケはアカデミーの女子に絶大な人気があり、彼と目が合っただけで気絶してしまった女子も居たらしい。とは、風の噂である。
「えーとぉ……。将来の夢も言っちゃおうかなぁ……!」
胸中で話題がヒートアップしたのか、サクラは「キャーー!!」と黄色い悲鳴を上げる。今現在女子の間ではサスケ君が流行りなんだなぁ、くらいの気持ちでナマエは彼女にニコニコした。
「嫌いなものは、ナルトです!」
しかし直ぐに真顔になってしまった。
第七班の巻・五話
組んだ両手で口元を隠し、ナルトの隣に座っているサスケが自己紹介を始めた。深い思考に落ちかけていた頭を勢いよく上げ、ナマエはサスケの方を見る。サスケはナルトとは真逆の雰囲気で、鋭い眼光をどこか遠くに向けて息を潜めていた。サスケの奥ではサクラが、少しだけ前かがみになって耳を澄ませている。
「嫌いなものならたくさんあるが、好きなものは別にない。それから……夢なんて言葉で終わらす気はないが、野望はある」
野望の話題に入ると、サスケは言葉のひとつひとつを確かめるように続けた。
「一族の復興と、ある男を、必ず……」
ほんの少しの間だけ、サスケの周囲が静まり返った。頬の産毛がゾワリと立ち、二の腕に冷たい波が走る。それにナマエは固まってしまい、訳も分からず寒気の発生元を凝視した。サスケ──サスケに纏わりついている黒い空気──それは泥のように綿密で濃く、湿ったように陰鬱だった。黒い空気は彼を離れる気配がない。
「よし……。じゃ、最後女の子」
「……」
どうやら集中しすぎていたらしい。気が付くとサスケの自己紹介は終わっており、最後にサクラの自己紹介が始まろうとしていた。しまったと下唇を嚙むが、この後サスケに聞いたところで答えてはくれないだろう。そも、夢だって野望だって短時間に何度も宣言するようなものではない。
「私は春野サクラ。好きなものはぁ……ってゆーかぁ……好きな人は……」
頬を薄紅に染めたサクラは、ちらりと視線をサスケに寄越した。その思わせぶりな仕草に、なるほど彼女は恋する乙女か、とナマエは勝手に納得する。
世俗に疎く恋愛ごとにも疎いナマエから見てもサスケは眉目秀麗だった。その上、成績優秀だったサスケはアカデミーの女子に絶大な人気があり、彼と目が合っただけで気絶してしまった女子も居たらしい。とは、風の噂である。
「えーとぉ……。将来の夢も言っちゃおうかなぁ……!」
胸中で話題がヒートアップしたのか、サクラは「キャーー!!」と黄色い悲鳴を上げる。今現在女子の間ではサスケ君が流行りなんだなぁ、くらいの気持ちでナマエは彼女にニコニコした。
「嫌いなものは、ナルトです!」
しかし直ぐに真顔になってしまった。
第七班の巻・五話