Alastor
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広すぎる居間を見渡してみれば、あの人がいた痕跡など何処にも無かった。
壊れた蓄音機が私の大好きな唄を針飛びさせている。これだってあの人のではないし、あの人はこの楽曲に、何の感想も話さなかった。
今日は仕事は休みにした。
疲れて椅子で眠ってしまったアラスターを叩き起こしたのは、明るい花ばかり植えた庭の反射光だ。
外履きを履いて庭に出てみても、あの人がいるはずもない。そんなことより今は熱い珈琲が飲みたいというのに。
せめて交わした指輪でも置いていってくれれば、返してくれたなら、もっと気持ちよく追悼できるのに。
ショートショート・忘れられた指輪《了》
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