志摩廉造
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消毒液を吹き付けられ、ピリッとした痛みが皮膚の上を滑った。熱っぽい手のひらの濡れた部分が、冬の空気に触れてひんやりとした。
──石に蹴つまずいてバランスを崩したのだ。その際、咄嗟に両手を突き出したが為に軽い擦過傷を負った。傷は大した事もなく、血なんて少しも出ていなかったが、心配性の彼女が丁寧に丁寧に処置してくれるので、俺はされるがままだった。
「あんがとぉ」
包帯で隠された手のひらを、開けたり閉じたりしながら言う。そんな俺を見て、彼女はゆるゆると笑んだ。
痛みさえ心地よい時間だった。
ショートショート・こんなにも愛されている《了》
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