◆4:事件発生
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「なるほどねぇ……」
話を聞き終えたレイは顎に手を当てながら、うんうんと頷く。
「まずエレナちゃんをここに連れてきたのは、そのリオンって人に間違いはないね」
「リオンさんが……⁉︎ で、でもどうして……」
「……ある程度の推察は出来るけど、それも憶測の範囲内。実際にここから出て調べないと分からないね」
動揺するエレナを鎮め込み、レイは辺りを見渡して。
「……潮時、かな」
「?」
「よしっ。一緒にここから出ちゃお、エレナちゃん!」
まさかの脱獄の誘いにエレナは目を丸にして、
「む、無理ですよぉ! 荷物だってないし脱出方法なんて……」
「へっへーん実はあるんだよねこれが。エレナちゃんがどんな理由で連れてこられてきたのも不明だし、ここは一緒に来ない?」
差し伸べられた手のひらを取るのに、エレナは少しだけ躊躇う。
あの入社試験の日に良くしてくれたリオンがまさかこんな事をしただなんて今でも信じられないが。レイの言う通り、自分が連れてこられた意味も含めて真実を知りたい。
意を決して手を取ったエレナに、レイは頷き返す。
「分かりました。お願いしますっ」
「うんっ! この副業探偵本業記者、レイが承った!」
胸を張ったレイに頼もしさを感じる。
「……で、ここを出る策とは?」
「まずエレナちゃんは鉄格子から背を向けて、泣いているふりをして」
「それだけでいいのですか?」
「あとは僕に任せてよ」
食指を唇に添え片眼を瞑目するレイの指示に従い、鉄格子を手に啜り泣きを始める。
響き渡る涙の音に合わせ、レイはすうっと息を吸うと。
「びええええええええええん‼︎‼︎‼︎」
(え⁉︎)
それ以上の声量で泣き出したではないか。
思わず演技をやめそうになるもすぐに啜り泣きを再開。すると牢屋の向こうからカツカツと慌てた様子で看守がやってきた。
「おい! 何を騒いでいる‼︎」
「看守さ〜ん! 僕耐えられませんよ〜‼︎ あの子ずぅ〜っと泣いているんですもん!」
鉄格子越しに怒鳴り散らされたレイはすぐさま飛びつき、涙ながらにそう訴える。
「知るか! あまりにも騒ぐようならその口も塞ぐぞ!」
と、取り付く島もない看守はくだらないと言った具合に牢屋を後にした。
「そんな〜……なーんてね」
小さく舌を出したレイはエレナを呼び、鉄格子の扉の前へ。
「油断してるから盗まれちゃうんだよっ」
「凄いですレイさん!」
看守から鮮やかに奪い取ってみせた牢屋の鍵をくるくると持て余すレイに、エレナは尊敬の眼差しを送る。いや、決して褒められたものではないのだが。
「じゃあ開けるね。ここからは慎重に。僕の側から離れないで」
「はい。分かりました」
レイは鉄格子から腕を伸ばして鍵穴に鍵を差し込みがちゃんと開くと、そ〜っとエレナを連れて牢屋を抜け出した。