3:補佐ファイター
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「僕らが暮らす『アルス王城』は上層・中層・下層の三層に分かれていてね」
城内の階段を下りながら、ルフレは大まかな内部構造をエレナに話す。
「下層は一階と二階、中層は三階と四階、上層は五階。まずは一階から順に見ていこうか」
「軍師殿」
そこで、彼らの目線で飛行していたメタナイトがルフレを呼ぶ。
「私は先に回って城のものにあらかたを伝えて回ろう」
「よろしくお願いします」
翼を羽ばたかせたメタナイトの姿は瞬く間に消え去り、エレナはぼうっと呆ける。
(凄い……ゲームで見た通り、あんなに速く飛べるんだ……!)
「エレナ? どうかしたかい?」
「あっいえ! 速いなぁって」
ルフレはくすくすと指を顎に添えながら小さく綻ぶ。
「君の反応は面白いね」
「そう……でしょうか?」
「うん。さあ、着いたよ。メタナイトさんを追って行こうか」
一階のメインは、城内のシステムを運営する『システム制御室』と《大乱闘システム》を利用したトレーニングルームがある『システム管理室』。そして各エリアに通ずる『ポータルルーム』などといったシステム面や、ハウスキーピングルームといった外を行き来する場所。そして『乱闘部署』を“除く”各部署室がある。
「もともとは倉庫だったらしくて、急遽増設することになったから一階の倉庫を改装して集まっているようだよ」
「へえ〜……覚えやすいですね」
「そうだろうと思ったよ。じゃあ、次は二階だね」
今度は階段を上り、二階へ。だがここは、エレナがお世話になっている食堂があるエリア。
「大抵知っていると思うけど、ここには食堂の他に大広間とドレッシングルームがある」
「ドレッシングルーム……話には聞いています。たしか、お洋服を管理する場所ですよね?」
「そうだね。ま、詳しいことは中に入ってみようか」
メタナイトと入れ違いに。ドレッシングルーム前で警備する兵士に会釈し、中へ。
天井付近まで埋め尽くすありとあらゆる衣服に、エレナは感激する。
「こんなにもたくさんのお洋服があるなんて……!」
「ここは君達職員の制服も管理しているんだ。何か不備があったら相談するといいよ」
「はいっ」
感動もそこそこに部屋から出れば、次は中層部三階へ。
そこは先程エレナも仕事をしていた『乱闘部署』室があるエリア。
「この階はヴィルやマスターが使う部屋が多いかな。マスターの執務室や、来客対応の応接間、会議室もこの階だからね」
得心がいったように頷くエレナに、ルフレは満足げに頷く。
「次の階だけど……ここは君も知っての通り、僕らファイター達の自室ぐらいしかないから先へ進もうか」
「分かりました」
ひとりひとりに与えられた部屋が並ぶ四階は飛ばし、彼らは上層部五階へ。
「この階は陛下のお部屋と玉座の間ぐらいしかないんだ。といっても玉座の間はほとんど使われないから、立ち入りは自由だよ」
と、ルフレは玉座の間の仰々しい扉を押し開いた。
赤絨毯が敷かれた先には荘厳な玉座が鎮座している。主人がいない椅子はなんだか寂しげにも思えた。
中ではメタナイトが待機しており、物珍しげに周囲を眺めるエレナに悟られぬよう──ルフレにアイコンタクト。
ルフレは気づかれぬようエレナを凝視し、意識を集中させる。
(──“視えた”!)
ルフレが持つ特殊能力、ステータスを視る力が発動した。
脳内に流れ込む情報に、ルフレは瞠目する。
(魔力の値が“0”⁉︎ それに他の数値も低い……これは一体……)
「……軍師殿」
呼びかけられてハッとしたルフレは平静を保つ。この事を報告するのは後だ。今は目の前の出来事に集中しなければ。
そう思い直したルフレと、メタナイトの背後で──「よう」と男の声が響いた。
「こンなとこにいたンだなァ?」
「クレイジーっ」
扉に背を凭れていた長躯の男、クレイジーはしたり顔のままこちらに歩み寄る。警戒する二人を他所に、エレナは「あっ」と声を上げた。
「どうしたのですか、今日は」
「……知り合いであるのか?」
「以前城で迷っていたところを助けていただいたのです」
メタナイトの問いに一応という単語は飲み込んで答える。
そうそうと頷くクレイジーに疑いの眼差し。気にもとめず、「ンなことより」と親指で出入口を指した。
「せっかくなら見してやろうと思ってなァ」
「何を……」
問いただす前に、ルフレはサンダーソードと魔導書を、メタナイトは宝剣ギャラクシアを抜刀し、臨戦態勢を縫う。
背後で混乱するエレナに襲来したのは──鼻を曲げるほどの腐敗臭に、肉が爛れ骨が飛び出た異形の人間──『ゾンビ』の大群であった。