◆Shall we dance?
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「さぁて、測るよ!」
「お、お願いします……」
びっとメジャーを広げたアリアドネの前で棒立ちとなる。
身長、肩幅、
くちゅん、と薄着のエレナがくしゃみをすれば、アリアドネはスケッチブックから顔を上げる。
「あ、もう着ていいよ」
「はい」
制服に着替えたエレナは、こちらをじっと凝視するアリアドネに困惑の表情。
「ええっと……」
「……その制服の色、自分で選んだ?」
「え? はい、そうですが……」
『アルス城』で働くほとんどの役員が身につける制服は、好みによって色を変更することが出来る。
ベースとなる制服の上から、所属する部署長――エレナの場合は【光の賢主】ヴィルヘルム――カラーのケープを羽織ることで、所属部署を把握しているのだが。
「じゃあ、その色にしよっか」
「……はい?」
今ひとつ状況を飲み込めていないエレナはここでようやく、自分のことだと気づいた。
まさか気づいていなかったとは、と――自分の説明不足だとは忘れて――目を丸くするアリアドネ。
「だから、きみのドレスを作るんだよ。パーティー用の」
「、えええ⁉︎ わ、私の⁉︎」
引き気味に驚愕するエレナは、ぶんぶんと手を横に振って。
「わ、私には似合いませんよ! パーティーも出る気は……。それにお金だって」
エレナの発言に対し、アリアドネは手を止め腰に添える。
「あたしの作品を着るのに必要なのは笑顔だけ。容姿が醜いとかお金がないとかは関係ないの! 誰にだって、綺麗な服を着る権利はあるんだから」
「……お金はあとでヴィルに請求するしね」
「? 何か今……」
「あーっとそんなことより! パーティーのエスコート相手誰にするか決めた?」
はぐらかされた気もするが気のせいか。
アリアドネに尋ねられたエレナは気恥ずかしそうに肩をすくめた。
「ま、まだ出るとは限りませんし、ゆっくり考えます」
「うーんそっか。ま、エスコートは絶対じゃないし、ドレス姿だけでもみんなに見せてきなよ」
片目を瞑ってみせたアリアドネに、エレナは終始苦笑い。
パーティー当日まであと数日。
果たしてエレナが選ぶのは……――?