ドキドキ⁉︎モテ期襲来‼︎
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※夢主が起きるまでのお話(ややオリジナル寄り)。
城壁から朝日が届く時刻。
エレナを巡る事件解決後もなんやかんや行動を共にするようになったルフレとメタナイト。
「ルフレ殿、昨日借りた戦術書はとても学びとなった。あの書、相当貴重なものでは?」
「確かにお気に入りではありますが、貴重ではないですよ。簡単に手に入る品物です」
「ふむ、実に興味深い……」
物の貸し借りをするようになった二人が回廊を歩いていると、正面から足早に歩を進める人物が。
「ルフレ様、メタナイト様」
「ヴィル。……そんなに急いでどうしたんだい?」
ずんずんと大股で歩くヴィルヘルムを訝しむ。
引き留められた少年はやや早口で答えた。
「エレナが部室に来ないのです。《スマデバイス》も反応しなくて」
それでは、とヴィルヘルムは二人に会釈。エレナの自室へと急ぐ。
ルフレとメタナイトは――補佐ファイターの任は解かれたとはいえ――気になってしまい、ヴィルヘルムの後を追っていく。
背後を追従する二人をちらりと背中越しに見遣るも触れず、ひたすらに向かっていた途中――見慣れた赤の軍服に身を包む女騎士の姿を発見。
「ん? 揃いも揃ってどう……」
「いいからちょっと来て」
すれ違いざまに女性の――【火の賢主】ザクロの腕を掴み、否応なしに連れていく。男三人で女性の部屋を訪れるのは、と判断したヴィルヘルムなりの配慮。ザクロはされるがままに連れて行かれた。
「エレナ。エレナー」
ルフレ、メタナイト、付き合わされたザクロが見守る中。ヴィルヘルムはエレナの寝室を少し強めにノックする。
しかしながら、中から返ってくるのは静寂のみ。眉を顰めたルフレが「まさか……」と憶測を口に。
「『前』のような事件に巻き込まれて……?」
空気がピンと張り詰める。
「……、ザクロ」
ヴィルヘルムの視線にザクロは頷きで返し、腰に帯剣していた剣を引き抜く。
ヴィルヘルムと入れ違いに扉へと身を寄せ、剣を握る手とは逆の手でそっとドアノブを握る。因みにザクロに任せたのは、着替え中 に備えてだ。
銀の光沢を放つ剣を緩く握り、瞑目。一思いに扉を開き中へ突入したザクロは腰に剣を添え、周囲に意識を張り巡らせる。
……何もない?
生活感のある部屋そのものに異常は見当たらない。
異変を探していたザクロは次の瞬間、エレナを発見した。
「中に入ってくれ。……何か様子がおかしい」
いつになく険しい面持ちで手招きしたザクロに従い、三人は中へ。
鞘に剣を納めたザクロが、顎でベッドを指す。
エレナはベッドで眠っていた。静かに、穏やかな顔で。それはまるで童話で語られる眠り姫の如く――。
「エレナ」
ゆさゆさと肩を揺さぶってみるも眉一つ反応がない。呼吸も、寝息にしては不自然なほど聞こえない。
「眠っ……ているわけではないみたいだね」
「脈はあるようだが意識はない」
ルフレ、メタナイトが順にエレナの容態を目視。
「ザクロ。マスター様を呼びに行って」
ヴィルヘルムの指示を受け、ザクロが部屋を飛び出す。
一歩前に進み出たヴィルヘルムが片手をエレナに翳す――薬や呪いによる効力なら自身の回復魔法で治癒可能と考えたからだ。彼の意図を察したルフレとメタナイトも、揃って見つめていたが。
「はい、待った」
「!」
突然。ヴィルヘルムの向かい側から伸びた手が手首を掴み、反射的に魔力の発動をキャンセル。
驚き顔を上げれば――【闇の賢主】ラフェルトがこちらに微笑んでいた。
「いつの間に……」
ルフレの呟きに、ふふふと笑みをこぼす。
手を振り払ったヴィルヘルムはラフェルトに鋭い眼差しを向けた。
「待った、って何だ」
「君の魔法を使うのはやめたほうがいい。永遠に目覚めなくなるよ」
まるで状況を理解しているかのような口ぶりに警戒心を強める。
「……ラフェルト殿。貴殿は状況を『全て』理解しているのか?」
メタナイトの問いにラフェルトは指先を顎に添えつつ、「え? うーん、まあね」と緊張感なく答える。
「彼女は今、自分の夢に囚われている状態だよ。あはっ、おもしろいね。自分が見ている夢から出られないんだって」
「もう少し心配してくれないかな……」
あっけらんとしたラフェルトの態度にルフレが少々呆れる。
もう慣れたヴィルヘルムは目つきを変えず、ラフェルトに尋ねる。
「じゃあ、君がここにいるのは――」
「そうだよ、ヴィル」
台詞を皆まで言わせずラフェルトは目を細め、片手をエレナの額に添えた。
「夢の中と現実の時間は違う。……僕が消えたら3秒数えてみて。きっと『シアワセ』なことが起きるよ」
尋ね返す間もなく、光に包まれ姿を消したラフェルト。
彼の言葉に不安が募るも、心の中で3の数字を刻む。
3
2
1
「あれ……私……」
「エレナ!」
城壁から朝日が届く時刻。
エレナを巡る事件解決後もなんやかんや行動を共にするようになったルフレとメタナイト。
「ルフレ殿、昨日借りた戦術書はとても学びとなった。あの書、相当貴重なものでは?」
「確かにお気に入りではありますが、貴重ではないですよ。簡単に手に入る品物です」
「ふむ、実に興味深い……」
物の貸し借りをするようになった二人が回廊を歩いていると、正面から足早に歩を進める人物が。
「ルフレ様、メタナイト様」
「ヴィル。……そんなに急いでどうしたんだい?」
ずんずんと大股で歩くヴィルヘルムを訝しむ。
引き留められた少年はやや早口で答えた。
「エレナが部室に来ないのです。《スマデバイス》も反応しなくて」
それでは、とヴィルヘルムは二人に会釈。エレナの自室へと急ぐ。
ルフレとメタナイトは――補佐ファイターの任は解かれたとはいえ――気になってしまい、ヴィルヘルムの後を追っていく。
背後を追従する二人をちらりと背中越しに見遣るも触れず、ひたすらに向かっていた途中――見慣れた赤の軍服に身を包む女騎士の姿を発見。
「ん? 揃いも揃ってどう……」
「いいからちょっと来て」
すれ違いざまに女性の――【火の賢主】ザクロの腕を掴み、否応なしに連れていく。男三人で女性の部屋を訪れるのは、と判断したヴィルヘルムなりの配慮。ザクロはされるがままに連れて行かれた。
「エレナ。エレナー」
ルフレ、メタナイト、付き合わされたザクロが見守る中。ヴィルヘルムはエレナの寝室を少し強めにノックする。
しかしながら、中から返ってくるのは静寂のみ。眉を顰めたルフレが「まさか……」と憶測を口に。
「『前』のような事件に巻き込まれて……?」
空気がピンと張り詰める。
「……、ザクロ」
ヴィルヘルムの視線にザクロは頷きで返し、腰に帯剣していた剣を引き抜く。
ヴィルヘルムと入れ違いに扉へと身を寄せ、剣を握る手とは逆の手でそっとドアノブを握る。因みにザクロに任せたのは、
銀の光沢を放つ剣を緩く握り、瞑目。一思いに扉を開き中へ突入したザクロは腰に剣を添え、周囲に意識を張り巡らせる。
……何もない?
生活感のある部屋そのものに異常は見当たらない。
異変を探していたザクロは次の瞬間、エレナを発見した。
「中に入ってくれ。……何か様子がおかしい」
いつになく険しい面持ちで手招きしたザクロに従い、三人は中へ。
鞘に剣を納めたザクロが、顎でベッドを指す。
エレナはベッドで眠っていた。静かに、穏やかな顔で。それはまるで童話で語られる眠り姫の如く――。
「エレナ」
ゆさゆさと肩を揺さぶってみるも眉一つ反応がない。呼吸も、寝息にしては不自然なほど聞こえない。
「眠っ……ているわけではないみたいだね」
「脈はあるようだが意識はない」
ルフレ、メタナイトが順にエレナの容態を目視。
「ザクロ。マスター様を呼びに行って」
ヴィルヘルムの指示を受け、ザクロが部屋を飛び出す。
一歩前に進み出たヴィルヘルムが片手をエレナに翳す――薬や呪いによる効力なら自身の回復魔法で治癒可能と考えたからだ。彼の意図を察したルフレとメタナイトも、揃って見つめていたが。
「はい、待った」
「!」
突然。ヴィルヘルムの向かい側から伸びた手が手首を掴み、反射的に魔力の発動をキャンセル。
驚き顔を上げれば――【闇の賢主】ラフェルトがこちらに微笑んでいた。
「いつの間に……」
ルフレの呟きに、ふふふと笑みをこぼす。
手を振り払ったヴィルヘルムはラフェルトに鋭い眼差しを向けた。
「待った、って何だ」
「君の魔法を使うのはやめたほうがいい。永遠に目覚めなくなるよ」
まるで状況を理解しているかのような口ぶりに警戒心を強める。
「……ラフェルト殿。貴殿は状況を『全て』理解しているのか?」
メタナイトの問いにラフェルトは指先を顎に添えつつ、「え? うーん、まあね」と緊張感なく答える。
「彼女は今、自分の夢に囚われている状態だよ。あはっ、おもしろいね。自分が見ている夢から出られないんだって」
「もう少し心配してくれないかな……」
あっけらんとしたラフェルトの態度にルフレが少々呆れる。
もう慣れたヴィルヘルムは目つきを変えず、ラフェルトに尋ねる。
「じゃあ、君がここにいるのは――」
「そうだよ、ヴィル」
台詞を皆まで言わせずラフェルトは目を細め、片手をエレナの額に添えた。
「夢の中と現実の時間は違う。……僕が消えたら3秒数えてみて。きっと『シアワセ』なことが起きるよ」
尋ね返す間もなく、光に包まれ姿を消したラフェルト。
彼の言葉に不安が募るも、心の中で3の数字を刻む。
3
2
1
「あれ……私……」
「エレナ!」